トランスクリプトーム解析による新規病態関連因子の探索

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あらゆる生物種の全ゲノム解析,およびそこから産生される転写産物 (トランスクリプトーム) の解析により,これまでjunk (がらくた) と考えられてきた蛋白質をコードしないゲノム領域から,多彩なRNA (non-coding RNA,ncRNA) が転写され,蛋白質分子とも相互作用しながら様々な生命現象に関与することが明らかにされてきた (Fig. 1)。

当研究室では,これまでに進められてきた胎盤 [1, 2],や癌 [3] の病態生理に関わる低分子 (短鎖) ncRNAの研究をさらに発展させるべく,各種病態 (骨代謝疾患,周産期疾患,癌など) に対する医療への応用も見据えながら,長鎖ncRNAも含めたncRNAの構造・機能・動態に関する研究を展開している。

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Figure 1.  新しいセントラルドグマ

旧来のセントラルドグマ (青・黒)
新しいセントラルドグマ (赤・橙)

 

 

  1. Ishibashi, O.; et al. Hypertension 59, 265–273 (2012).
  2. Luo, S. S.; et al. Biol. Reprod. 81, 717–729 (2009).
  3. Ishibashi, O.; et al. Sci. Signal 4, ra74 (2011).