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2023年6月20日

  • 論文情報

雑種致死(種子および実生)に関する総説論文がFrontiers in Plant Science誌にアクセプト(何、白柿、手塚)

雑種致死についてのこれまでの研究や知見を取りまとめた総説論文を執筆しました。本総説論文はFrontiers in Plant Science誌に掲載されます。

雑種致死は交雑によって得られた雑種種子の雑種胚(雑種種子発育不全)、および雑種実生において認められる現象とされています。つまり植物の異なる生育や発達のステージで雑種致死が生じるということです。これまでに雑種致死に関して多くの研究が行われ、豊富な知見が蓄積されていますが、雑種胚および雑種実生における雑種致死が同じ機構によって生じるのか、あるいは異なる機構によって生じるのかについて言及した論文は見当たりませんでした。本総説論文では雑種胚と雑種実生、それぞれの雑種致死の研究や知見を体系立てて紹介し、その共通性や相違性を検証しました。さらに、種間交雑育種に向けて雑種致死を回避・克服するための方法や、逆に雑種致死を積極的に利用することで遺伝子汚染につながる遺伝子流動を防止するための技術について考察しています。 『手塚』

Hai He, Kumpei Shiragaki, Takahiro Tezuka* (2023) Understanding and overcoming hybrid lethality in seed and seedling stages as barriers to hybridization and gene flow. Frontiers in Plant Science 14: 1219417.

https://doi.org/10.3389/fpls.2023.1219417