水環境学研究グループへようこそ
”水”は,大気,土,生物とともに,緑地環境を構成する自然要素の1つであり,人間だけでなく,地球上の全ての生命にとって欠かすことができないとても大切なものです。
私達の身の回りにある水は,たとえば河川や湖沼,ため池,水田の溜め水,あるいは地下水など,様々な状態で存在しますが,量的に多すぎれば水害を招くことがあり,逆に少なすぎれば渇水や干ばつなどの災害を招くこともあります。
また,存在量としては好ましい状態にあったとしても,汚染物質が多く含まれていれば,人びとの健康や生態系が脅かされたり,そこまでいかなくても,悪臭などによって生活環境に悪影響が及んだりすることがあります。
人間が自然環境に手を加えていくことには悪いイメージを持たれることが少なくありませんが,時には人間が緑地における水環境に対して積極的に”管理”していくことによって,人間のみならず,自然生態系にとっても健全な水環境の持続的な維持に大きな役割を果たすこともあります。
水環境の管理とは,水環境の現状や将来的に予想される変化について,量・質の両面で適切に診断や予測を行うとともに,健全では無い状態にあるときには,健全な状態になるよう改善を図ることにほかなりません。
しかし,上で述べたように,様々な状態で存在し,さらに刻一刻と量的・質的に変化し続ける水を適切に捉え,手を加えていくことは,科学技術が高度に発達してきた今でも決して容易なことではありません。
当研究グループでは,緑地における健全で持続的な水環境あるいは水循環の保全に貢献することを目標に,基本的には「陸域における水」を対象として,幅広い研究活動に取り組んでいます。