【応用生物科学科】在学生の声

学生紹介

※学年は取材時のものです。

ゲノム情報を利用し生物の能力を引き出す

4年生 磯部 一樹さん

現代の社会はエネルギーの大量消費によって支えられており、エネルギー源である化石燃料の消費に伴う二酸化炭素排出量の増加が、環境問題の最重要課題とされています。その問題に対して、二酸化炭素を利用して光合成をする植物のゲノム情報を利用し、物質生産能力を最大限引き出すことと、そのメカニズムを解明することを目的とした研究を行っています。植物と言えば、食料や園芸目的での利用が一般的ですが、化石燃料に代わるエネルギー源や化学製品の原料となる可能性を秘めています。このように、1つの物事に対して複数の視点から見ることで、今まで見えてなかった部分が次々と見えてきます。このことが研究の一番面白い部分だと思います。

磯部 一樹さん

 

高校生へのメッセージ

勉強や研究に限らず、部活・サークル・アルバイト・遊びなど、様々な方向にアンテナを張り巡らせ、関心を持つことが充実した大学生活を送る上で重要なことだと思います。

興味とともに多岐にわたる分野を学ぶ

4年生 松本 朋子さん

少しの興味とともに、様々な人がこのパンフレットのページを開いてくれているのではないでしょうか。私も皆さんと同じように少しの興味を持って大学のパンフレットを開き、そこで植物工場に出会いました。天候に左右されず計画的に植物を生育できると書かれた見出しは私の胸を高鳴らせ、進学の決め手となりました。実際に、植物工場専攻における大学内や泊まり込みの他県での実習では、コストの作業管理、ロボットによる最先端の植物生育診断に直接触れ、スマート農業の牽引であるこの技術の特長を仔細に学び生かすことができました。応用生物科学科ではその他にも、植物を主に、その育種や病害応答、分子間の相互作用など多岐にわたる分野を学べます。皆さんも私のように、今持っている少しの興味をこの学科で広げてみませんか。

松本 朋子さん

 

高校生へのメッセージ

大学生になったら好きなことを思い切りして下さい!だけどそれを本当に楽しむには逃げないで努力した記憶が必要だと思います。今培っている自分に適した勉強方法は大学でも頼りになります。応援しています!

臨機応変な対応や考える力を身につける

3年生 中尾 和佳奈さん

土に触れ、植物の声に耳を傾ける中で日々新たな発見があることが、作物栽培の一番の魅力だと思います。私は幼い頃から家庭菜園に親しんでおり、農業に興味があったため植物バイオサイエンス課程に進みました。さらに3年生前期に自宅で試行錯誤しながら夏野菜を栽培したことがきっかけで作物栽培の奥深さに惹かれ、栽培分野の研究を選びました。現在は土にすき込んで肥料とする「緑肥作物」に着目し、化学肥料に依存しない栽培形態の確立を目標とする研究を行っています。圃場での栽培は天気や気温などの自然条件も含めたさまざまな要因が複雑に関係しているため、何事も一筋縄ではいきませんが、その中で臨機応変な対応や考える力が身につき、非常にやりがいがあると感じています。

中尾 和佳奈さん

 

高校生へのメッセージ

大学生活を有意義なものにするためには、勉強に限らず興味のあることはとりあえずやってみるという前向きな姿勢が大切だと思います。どんな経験も必ず何らかの形で将来の自分にプラスになると思うので、一歩踏み込んでさまざまなことにチャレンジしてみてください。

目に見えない生物間の相互関係を解明する

3年生 梅井 貴史さん

この課程では植物を中心とした研究が盛んで、遺伝子やタンパク質などを扱う研究室内で行うような研究から、大学内のフィールドで実際に作物を育てるような研究まで多岐にわたります。また動物の細胞実験や動物の遺伝子を含めた解析など、植物そのもの以外の研究も盛んに行っています。微生物に興味を持っていた私はその中でも微生物によって引き起こされる植物の病気について興味を持ちました。当初は植物とその病気の原因となる病原体のみを研究するというイメージでしたが、学ぶうちに発病には病原体だけでなく昆虫や植物、病気を起こさない他の微生物といった周囲の生態系も関わってくることが分かり、目に見えない生物の相互関係にもっと魅力を感じるようになりました。現在私の研究では栽培施設や農場に自然に発生する藻類にどのような微生物がいるか調査しています。そして病気の原因となる菌や逆に病原体に対する農薬として利用できる可能性のある微生物を探していきたいと考えています。

梅井 貴史さん

 

高校生へのメッセージ

DNAや微生物を用いたミクロな実験から実際に作物を育てる講義まで、多角的な視点から植物やその周囲の生態系について学ぶことができる学科です。自分が面白い、興味深いと思うものを大切にして、自身の大学生像を思い描いてみてください。