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2024年12月20日
- 研究室
イチゴシュードマイルドイエローエッジウイルスの論文が掲載されました!
イチゴシュードマイルドイエローエッジウイルス(strawberry pseudo mild yellow edge virus, SPMYEV)は、研究室OBで岩手大学名誉教授の吉川信幸先生が1986年に報告されたカルラウイルス属の植物ウイルスです(吉川先生の論文へのリンクはこちら)。国際ウイルス分類委員会により種として記載されているものの(Carlavirus fragariae)、そのウイルスゲノム配列は分かっていませんでしたので、SPMYEVのゲノム配列を解析しました。
研究室に保管されていた40年前の純化ウイルスを使ってhigh-throughput sequencingによりウイルスゲノム配列を決め、得られた配列から予測される外被タンパク質をアグロインフィルトレーションによりタバコで発現させて吉川先生が40年前に作成されたSPMYEV抗体ときちんと反応することを確かめた論文です。
Mochizuki, T. (2024) Genome sequence of strawberry pseudo mild yellow edge virus isolated in Japan. J Gen Plant Pathol. https://link.springer.com/article/10.1007/s10327-024-01214-z (←論文への直リンクです)
吉川先生が作成された純化SPMYEVと抗体が素晴らしかったことが全てです。汁液接種できないウイルスとは思えない量と質でした。また、過去の様々な貴重なウイルス標本や抗体がリスト化されて大切に保管されていたこともこの研究の成功に重要なことでした。私たちのラボに残されているウイルス抗体は力価が高いものが多く、当時のウイルス精製技術と抗体作成技術の高さに驚かされます。