地域環境のマネジメント
健全で持続可能な地域社会を形成するためには、地域環境に関わる諸要素の調和に配慮し、そこに関わる人々の意識や行動をうまく変化させていくマネジメントが求められます。地域の生物多様性や自然資源利用、自然生態系を基盤とする生活文化や芸術文化、生活の質の向上に資する緑地環境などについて、その現状や課題などを明らかにすることにより、健全な地域環境をマネジメントするための研究に取り組んでいます。
自然との共生
地域の生態系は開発や過剰利用、管理放棄などによって劣化し、生物多様性が減少し続けています。そのため、生態系と調和した持続可能な地域社会を形成することが必要です。地域の生態系の現状や課題を把握して、生物多様性に配慮した環境や社会を形成するための研究や、自然資源の最適な利用や管理のあり方を解明し、持続的かつ生態系調和的な利用システムを構築するための研究に取り組んでいます。
生物文化の継承と発展
人は自然との関わりの中で、衣食住や祭祀、遊び等の生活文化を育み、芸術文化へと昇華させてきました。しかし、地域の自然は変容し、人口減少や高齢化などによって自然資源を活用する知識や技術の継承が困難になっています。生活文化や芸術文化を支えてきた自然資源利用の変遷とその持続可能性の評価を通じて、自然との関わりの中で育まれた文化(生物文化)を継承し、発展させるための研究に取り組んでいます。
生活の質(QOL)の向上
地域の生活環境は、自然環境と建造環境を基盤に、文化・社会・経済などの社会環境との相互作用によって形成されます。地域に住まう人々の生活の質(QOL)を向上させるためには、人の心理・態度・行動のプロセスを理解し、生活環境の特性を実社会の改善へ応用する必要があります。このため、人と環境の相互作用の把握、生活環境の改善に関する研究に取り組んでいます。