緑地環境科学科
緑地環境科学科について
緑地環境科学は、都市圏の持続可能な発展や循環型社会の構築、生物文化多様性の保全などを目指して、農地や自然地、都市緑地とその周辺環境を対象に、緑地学や農業工学、生態学や環境学などの幅広い学問分野から多角的にアプローチする学問体系です。本学科では、様々なスケールでの環境問題を総合的にとらえ、緑地環境を構成する「大気」「水」「土」「生物」と「人間活動」の関わりについて実践的で幅広い知識と技術を学際的に学ぶことができます。
目指せ!緑と環境のスペシャリスト!
健全な緑地環境を守り創造する技術・能力を身につける
「多様な生き物がすむ自然を守りたい」「都市を緑豊かでより快適にしたい」こうした想いを夢に抱いている人は少なくありません。では、それらを実現するには何を学んでいけばよいのでしょうか?
たとえば、生き物を保全するには、動植物に関する生理・生態学的な知識はもちろんのこと、基盤となる大気、水、土の特性を正しく理解し、それらを適切に管理・制御する技術を身につけることが必要です。また、都市を緑豊かにするには、緑化に関する知識や技術に加え、自然と人間活動との調和を図りながら生活環境を創成するための社会科学的な考え方が不可欠です。こうした知識や技術、考え方を総合的に活用することで、自然と人間とが調和した持続的な社会の実現が可能となるのです。
卒業後は、ますますニーズが高まる緑地環境のスペシャリストとして、民間企業や行政機関の環境関連分野、食料生産やその基盤整備分野、都市開発や環境資源管理分野などの各方面で活躍することができます。また、さらに高度な専門技術や自立した研究能力の修得をめざし、大学院に進学して自らを向上させることもできます。取得可能な免許資格や受験年限の短縮が可能な資格が多いため、卒業後の進路の選択肢が広がります。
カリキュラム
基礎から専門まで段階的に構成される講義をはじめ、キャンパス内の豊かな緑地環境や学外フィールドを活用した実験・実習、最新の実務に触れるインターンシップ、さらに指導教員のもとでの卒業研究といった4 年間のカリキュラムを通じて、専門的な知識・技術や問題解決能力を身につけ、幅広い領域に渡る研究やプロジェクトを主体的かつ計画的に推進する能力を備えた「緑と環境のスペシャリスト」を養成します。
基幹教育科目 | 専門科目(講義) | 専門科目(実習等) | ||
1年次 | 基幹教育・緑地環境 入門科目 |
総合教養科目(環境と文化 他)/初年次ゼミナール/情 報リテラシー/University English 1A・1B/University English 2A・2B/初修外国語 科目(独語、仏語 他)/健 康・スポーツ科学概論・実習 /数学1/基礎力学C/生物学 A/統計学基礎1/生物学実験 他 |
農学概論/自然環境保全論 (環境倫理を含む) |
緑地環境科学実習演習入門A・ B |
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2年次 | 緑地環境に関する基 礎的な科目 |
総合教養科目(現代科学と人 間 他)/University English 3A・3B |
植物形態分類学/動物形態分 類学/植物生態学/動物生態 学/気象学/植物環境生理学 /地盤工学/緑地水文学/計 測工学/緑地学原論/環境マ ネジメント論/環境気候学/ 環境生態学/構造力学/水理 学/測量学 |
測量学実習/緑地環境科学実 習演習基礎A・B |
3年次 | それぞれの研究領域 に関するより専門的 な科目 |
生態気象学/植物環境制御学 /循環型社会システム論/環 境材料論/環境施設工学/土 壌物理学/水環境管理学/生 産環境管理学/生産環境シス テム学/生物生産工学/都市 緑地計画学/ランドスケープ デザイン/都市環境デザイン /緑地保全学/環境緑化学 /エコロジカルプランニング/ 環境動物昆虫学 他 |
緑地環境科学英語/緑地環境 科学実習演習応用A・B/緑地 環境科学インターンシップ |
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4年次 | 社会調査論/土壌・植物栄養 学/植物病理学 |
専攻セミナー1/専攻セミナー 2/緑地環境科学卒業研究/里 地里山管理学実習 |
講義紹介
緑地水文学
流域の考え方、降水の分布、蒸発散・浸透・流出過程や地下水流動、水資源問題などについて学ぶ講義科目です。
生態気象学
地球温暖化等の気候変動が生態系に与える影響や、植生が気象現象に与える影響を理解し、それらの計測方法を学ぶ講義科目です。
植物環境制御学
施設園芸などの植物生産における環境制御法や、物質収支に基づく植物応答の評価方法について学ぶ講義科目です。
都市環境デザイン
都市環境の形成について、欧米と日本の比較や歴史的な展開の系譜から、自然との共生や持続可能なデザイン手法について学ぶ講義科目です。
緑地保全学
生態系とランドスケープ(景観)と人間との関係、緑地の調査・モニタリング・評価など緑地保全関連技術について学ぶ講義科目です。
里地里山管理学実習
里地里山の生態系の成り立ちや、保全のための管理技術について学ぶ実習科目です。
副専攻紹介
副専攻は、2年次以降の選択科目です。緑地環境科学科では、以下の副専攻を開講しており、希望者はこれらを履修することができます。
植物工場科学副専攻
応用生物科学科と緑地環境科学科、工学部機械工学科との共同プログラムです。中百舌鳥キャンパス内にある植物工場を活用し、農学的知識と工学的知識を兼ね備えた技術者を育成します。中百舌鳥キャンパス内にある植物工場、そして国内の他の植物工場拠点における実習と講義を組み合わせて、実践的な教育を行います。
取得できる資格・免許
【取得可能な教職員免許状】
中学校教諭一種免許状(理科)/高等学校教諭一種免許状(理科・農業)
【卒業生が取得できる免許資格】
測量士補/測量士(要実務経験1 年以上)/登録ランドスケープアーキテクト(RLA)補/樹木医補/自然再生士補
【卒業生が受験できる主な資格(受験年限短縮)】
1・2 級造園施工管理技士/1・2 級土木施工管理技士/1・2・3 級造園技能士/登録ランドスケープアーキテクト(RLA)
【この他、下記の資格を得るための基礎知識を学ぶことができます】
技術士(建設・農業・環境・総合技術監理部門)/環境計量士(濃度関係)/気象予報士/二級建築士/宅地建物取引主任者/土地家屋調査士/監理技術者/基本情報技術者/応用情報技術者/IT ストラテジスト/中小企業診断士/樹木医/ビオトープ管理士/生物分類技能検定/環境社会検定(eco 検定)/RCCM(造園、建設環境等)/公園管理運営士/農業土木技術管理士/土木学会認定技術者資格/スカイフロントコーディネーター
研究グループについて
緑地環境科学科は9つの研究グループで構成されています。それぞれの研究グループの詳細は以下のリンクをご覧ください。