無糖新十郎インタビュー

演出・役者・裏方が語る!「ショッパーズ・ハイ!」の見どころ



無糖新十郎が語る!

演出。劇団カオス出身。東洋企画、VOGA、劇団Patchなど出演多数。

――ショッパーズ・ハイ!の脚本を初めて読まれた時、どう思われましたか?
 お芝居と学問が融合しているものを見るのが僕自身初めてだったので、単純に、おお、すごいなと思いました。

 ストーリーが進むなかで商店街について学べて、ストーリーと学問的な要素が有機的に絡み合っていくんですよね。話のなかで学問的なことが自然に登場して、それが話のなかで自然に回収されていくという。これは専門的に学んでいる人で、かつ、お芝居が好きな人でないと書けない脚本。どちらか片方だと書けないですよね。これを本多先生が一人で、しかも前回公演(※継ぐまちファクトリー)のときにすでに今回の2作目(※ショッパーズ・ハイ!)を書き始めていたというのを聞いて、すごいなと思いました(笑)。

 あと、このお芝居は、基本的に商店街事務所と市役所の2つだけで話が進むという会話劇なので、演出がすごく大事になってくるなって、最初に読んだときに感じました。

 このお芝居って、個性派のキャラクターっていうか、一癖も二癖もあるアクの強い人達がたくさん登場しますよね。シナリオを読んでるときは、もちろん、まだ配役って決まってなかったじゃないですか。だから、読みながら、誰がどの役をやるんやろって、とてもワクワクしましたね。


――無糖さんは演出を担当されていますが、今回の演劇を演出されるうえで意識されたことなどあれば教えてください。
 演出は演劇を作るうえで一番責任のある人。映画でいうと映画監督。でも、僕は決め打ちで演出をハメすぎるのはあまり好きじゃないですね。せっかく個性的なキャラクターの役があって、そこに劇団カオスの先輩から後輩まで様々な人が集まってくれて、そして、スタッフにも多くの人が集まってくれたので、個々のアイディアを発揮しやすい場を整えるのが僕の仕事かなと思ってます。

 皆の力が発揮できるように下ごしらえしたいですね。僕の味付けはそんなに濃くせずに、皆の味をもとに芝居が作られているのがベストかなって思ってます。そういうところを意識して演出をしてます。

 あとは、僕を含めて多くのキャスト・スタッフが初めて、あの田中記念館という大きな会場を使って芝居をするので、会場に負けない!ということを意識してシーンを作ってます。


――ショッパーズ・ハイ!の見どころについて教えてください。
 やっぱり、一人一人の役者!僕はみんなが好きなので、そのみんなの個々のお芝居ですね。

 あと、1つの場面に何人も、5、6人、いや、もっとだな。たくさん人物が登場して1つのシーンが作られてますよね。そのグルーブ感も楽しんでほしいです。このお芝居は商店街チームと市役所チームの2つのグループで構成されていて、そのグループで皆がワチャワチャするんですけど、みんなのチーム感、一体感があります。

 この座組ってみんな仲良しなんですよね。劇団カオスの先輩、後輩が集まった座組なんですけど、在籍期間がカブってない人も多いのに、仲良しなんです。そういうプライベートの距離感の近さが舞台上に出てくると思うんです。劇団カオスという同じサークルで育ってきたからこそ出せる一体感とかグルーブ感があって、僕も演出という立場をいったん忘れて、個人的に楽しんでます!

 あと、見どころといえば、舞台!舞台装置ですね。今回は劇団カオスの現役の舞台美術の子が作ってくれたんですが、普段、劇団カオスがやっているオアシス(※北食堂2階)ではできない、大がかりな、というか、ちょっとシステマチックな、というか、田中記念館だからこそできる舞台を作ってみましたという。そこにもぜひぜひ注目してほしいです。


――最後に、皆様にPRやメッセージなど一言お願いします。
 演劇を観るのが大好きという人も、そうでない人も、商店街や商学のことに興味がある人も、そうでない人も、どんな人でも楽しめる舞台になっていますので、ぜひ、お気軽に!めちゃめちゃ観やすい舞台なんで。田中記念館の椅子もフカフカですし!(笑)

 話も、基本的に、ポンポンポンとテンポ良く展開していくので、見やすいと思いますね。き〜らくに、き〜がるに、来てほしいです。演劇学問?なんぼのもんじゃいって感じで、気軽に来てくれたら嬉しいなあと思います。