朝比奈宏樹インタビュー

演出・役者・裏方が語る!「ショッパーズ・ハイ!」の見どころ



朝比奈宏樹が語る!

裕一郎役・HP製作。劇団カオス出身・大阪市大4回生(公演当時)。

――ショッパーズ・ハイ!の脚本を初めて読まれた時、どう思われましたか?
 初めて読んだときは、本多先生の熱量がすごいなって思いました。まだ脚本書き始めて2作目の人が、こんだけの量をよく書けるなと。劇団カオスではそういう人はいなかったんじゃんないかなって。
 あとは説明台詞が多いなと。ちょっと別の人ともしゃべったんですけど、ここらへんのセリフが長いし、もう少し会話調にできないかなとか。でも、それも含めて、おもしろいなと思いました。

 内容的には、商店街のことをあまり知らなかったので、本当にある話なのかなとか、興味をひかれましたね。

 あと、矢野というキャラクターが出てくるのですが、継ぐまち(※昨年の公演)のときの佐藤支店長みたいだなとか、脚本読みながら、継ぐまちのことを思い返してみたりしてました。
 そういえば、継ぐまちに出てきた「日之出鉄鋼」がまた出てるやん、と思って、ちょっとテンション上がりましたね(笑)。こういう、別の話なのに設定が共通しているところがあるっていうのは、僕も好きなので。


――朝比奈さんは青果店の店主の裕一郎という役を演じられていますが、裕一郎という役柄に関して教えてください。
 僕の裕一郎の第一印象のイメージとしては、バランスのとれた人物と思ってたんですけど、裕一郎は元商社マンで、おそらく当時、営業でバリバリやっていたのかなと。そうすると、かなり熱血な部分があるんじゃないかなって思い始めましたね。

 演出さん(※無糖さん)からは、僕に近い感じ、優しくておだやかなイメージと言われてはいるのですが、僕としてはもっと熱いところもある男なのかなって勝手に思ったりしてます。僕は裕一郎ほど熱い男ではないので(笑)。

 裕一郎は商社に勤めていたのに、辞めて、青果店を継ぐという選択を過去にしましたよね。それはなかなか勇気のいることだったんじゃないかと。相当考えたうえでの決断だったと思うんです。
 だから、裕一郎は自分をしっかり持って、意見を言える人物なのかなと。だからこそ、商店街の理事長も任されたのかなって思います。聡明さと安心感をあわせ持つ人だなって思います。

 後輩であるハンコ屋の純太、魚屋のわたるとトリオを組んでますが、いつも突っ走るわたるを純太と二人で親のような気持ちで見守ってますね。裕一郎は純太とは精神年齢が近いのかなって思います。
 ハンコ屋、魚屋、青果店っていうのは、なかなか個性的なメンバーだなって思いますね。


――ショッパーズ・ハイ!の見どころについて教えてください。
 一番にストーリーを見てほしいです。
 商店街って聞くと、劇的なドラマはないのかなとか、平凡な日常が続くのかなって思われるかもしれませんが、本多先生の脚本の力でいろいろな波乱が巻き起こってくるっていう(笑)。そこを楽しんでほしいですね。
 もちろん、学問的な話は出てきますが、そこは授業などでも聞けるところなので。

 でも、そういう学問的なところを絡めて観るとおもしろいですよね。授業で出てきた内容とか演劇にも出てくるので。
 僕、いま、地域商業論の講義を受講しているんですが、この前、まさに脚本にあった「大規模小売店舗立地法」が出てきましたからね。

 商学部の学生だったら、講義だけだとそういう専門的な言葉にピンとこなかった人でも、ショッパーズ・ハイ!を観ることによって、ああ、こういうことなのか、と納得できるようになると思います。とくに商学部生にはお勧めですね。

 もちろん、ほかの学部の学生にもぜひ観てもらいたいですね。商店街というと、あまり進んで就職しようと思わない人が多いのではないかと思います。でも、このショッパーズ・ハイ!では商店街の温かい人間関係や「やりがい」がすごく描かれているので、ぜひ観てもらって、商店街に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。


――最後に、皆様にPRやメッセージなど一言お願いします。
 肩ひじ張らずに観てほしいです。とにかく演劇なので、皆さんに楽しんでほしいです。僕らも皆さんに楽しんでほしくて芝居を作っていますので。
 ぜひ、肩ひじ張らず、身構えずに観てください!