赤間英之インタビュー

演出・役者・裏方が語る!「ショッパーズ・ハイ!」の見どころ



赤間英之が語る!

渡辺役。劇団カオス・大阪市大1回生(公演当時)。

――ショッパーズ・ハイ!の脚本を初めて読まれた時、どう思われましたか?
 初めて読んだとき、正直、すごいおもしろい!と思いました。本多先生が脚本を書いたのはこの作品が人生で2回目じゃないですか。それなのに、なんでここまで完成度が高んだろうって、びっくりしました。
 めっちゃ上からですけど、すごく良くできてるなと思いました(笑)。
 この中のどの人物を自分は演じることになんだろうと思ったら、ワクワクしましたね。

 素敵なストーリーだと思いました。物語が二転三転するので全然飽きなかったです。
 わりと専門的な話やワードが出てくるんですが、ちゃんとストーリーのなかでわかりやすく説明されていて、話が入ってきやすいなと思いました。

 一人一人のキャラがはっきりと出ていて、でも、そのキャラの新しい面がストーリーが進むなかで見えてくるので、そこも読んでいて良かったですね。


――赤間さんが演じられる狭間市役所職員の渡辺(通称、ナベタク)という役柄について何か思うことがあれば、教えてください。
 最初に台本を読んだときは、芯が通ってるけど、かたぶつな人なのかなと思いました。ジュリアーノ(市長の篠原の通称)の部下なので、ジュリアーノにどこまでも忠実な下部的な感じかなと。
 でも、台本を何度か読んで、稽古を重ねていくうちに、そういうわけではないなと思ってきました。
 最初はジュリアーノにおとなしく従ってるだけなんですけど、商店街の人達と仲良くしていくうちに、だんだん考えが変わってきて、商店街の人達の意見に耳を傾けるようになりますよね。
 ナベタクは脇役といえば脇役なんですが、1人の人物としてストーリーが描かれているので、そこが嬉しいなと思いました。

 ナベタクを演じにくいとは思わないので、自分と似ているところがあるんですかね。
 ナベタクってオラオラしてないし(笑)。どっちかというと、おとなしめのキャラなので、そういうところが自分と似ているかなと。

 商店街側につくのか、ジュリアーノ側につくのか、ナベタクがどっちに付いているのかが、シーンによって分かれますよね。どっちに味方していいのか、というのを考えながら、演じてますね。

 あと、ナベタクは市役所の職員という、かたい職業に付いている人なので、演じるときはダラダラしない、ヘナヘナしないというのを注意してますね。

 一応、ジュリアーノの部下になりますので、ジュリアーノの性格に影響を受けてる面もあるのかなって思います。
 なので、稽古中にジュリアーノを演じる辻川さんの立ち居振る舞いを意識してますね。辻川さんの動きを取り入れようかなとか(笑)。いまはできていないですが、これからやっていこうと思っています。


――ショッパーズ・ハイ!の見どころについて教えてください。
 楽しみながら商店街や商業について学べるというのは大きな魅力ですね。あと、出てくるいろいろな人達のキャラも見どころです。

 これは演劇を作ってる側の話ですが、劇団カオスの現役生がOB、OGの皆さんとこんなにがっつり共演できるなんて、なかなかないですよね。
 今回は役者の年齢層が幅広いというのも魅力です。現役生だけの劇団カオスの普段の演劇とはかなり雰囲気が違うと思います。

 自分は役者のなかでは唯一の1回生ということで、最初はビクビクしてました。
 でも、稽古場は和気あいあいとしていて、楽しいです。思った以上に楽しめてますね。
 1回生が入り込めないような雰囲気はないですし。自分が一番ペーペーのはずなんですけど、あんまりそれを意識せずにいられるので、楽しいですね。

 OB・OGさんから学ぶことが多いです。それは演劇に対する姿勢や考え方ですね。現役生よりも長く演劇をやっている方たちの考え方は、自分にとっては新鮮です。

 あと、見どころといえば、舞台美術です。いま舞台美術の製作が進んでいるのですが、どういう感じになるのか自分自身も楽しみです。
 舞台転換とかお客さんからどう見えるのか、楽しみですね。


――最後に、皆様にPRやメッセージなど一言お願いします。
 メッセージですか・・・。えっと・・・、田中記念館っていう、こんな広いところで、客席もあれだけあるところでやるっていうのは・・・。
 ・・・(間)。
 ・・・すみません、いまのあんまし関係なかったっす(笑)。

 そうですね・・・。演劇を観ることで勉強になるっていう、こんなことはなかなかないですよ。
 勉強イコール座学みたいなところありますよね。
 自分はそれがすごく嫌だったので(笑)、演劇観て勉強できるってすごく良いことだと思うんです。すべての授業がそうなったらいいのにって思います(笑)。

 でも、このお話は、全然、堅苦しくないです。
 一人一人の人物がちゃんと描かれていて、劇としても楽しいし、勉強にもなります。

 自分は1回生なので演劇に関わってまだ半年くらいしか経ってないんですけど、OBさん、OGさんをはじめとして、すごい人ばっかりです。
 とくにジュリアーノを演じる辻川さんなど、本当に上手だなあと思います。
 とにかく、見て損はないと思います!