お知らせ
2022年9月26日
- 報告
【開催報告】上方文化講座2022「伊賀越道中双六」
2022年8月24日(水)から26日(金)の3日間にわたり、杉本キャンパスにて「大阪公立大学文学部特別授業 上方文化講座2022」を開催しました。本特別授業は、大阪の地に歴史的に育まれた伝統芸能「文楽」に光をあて、学問的体系のもとに学ぼうとするもので、文学部の正規の授業科目であるとともに、一般市民の方々にも公開しています。
3年ぶりの開催となった今回は「伊賀越道中双六」をテーマに開講しました。本学学生30名と、6倍を超える当選倍率を突破し全国各地から参集した一般市民の方50名が、本学教員による多彩な講義に熱心に耳を傾け、竹本錣大夫(太夫)、鶴澤清介(三味線)、吉田勘市(人形遣い)の三師による迫力あふれる実演に魅了された様子でした。
最終日は、6月に本学として初の特別客員教授に就任された桐竹勘十郎師(人間国宝)の就任記念セレモニーがオンラインにて執り行われました。
開催日時 2022年8月24日(水)~26日(金) 連日9:30~16:00
会場 大阪公立大学 杉本キャンパス 学術情報総合センター 10階大会議室
授業内容
8月24日(水)
Ⅰ 文楽案内―文楽座の150年─ (久堀裕朗 教授)
Ⅱ 『伊賀越道中双六』解説 (久堀裕朗 教授)
Ⅲ 人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ─「無知な観客」の歴史にむけて─ (海老根剛 准教授)
Ⅳ 『伊賀越道中双六』講読① (久堀裕朗 教授)
8月25日(木)
Ⅰ 『伊賀越道中双六』講読② (久堀裕朗 教授)
Ⅱ 荒木又右衛門もの講談本─「伊賀の水月」と漱石─ (奥野久美子 教授)
Ⅲ 『伊賀越道中双六』──太夫・三味線の芸
Ⅳ 『伊賀越道中双六』──太夫・三味線・人形の芸
8月26日(金)
Ⅰ 17世紀大坂の武士・奉公人たちと芝居町 (齋藤紘子 准教授)
Ⅱ 描かれた『伊賀越道中双六』─明治の写楽・豊原国周の役者絵研究─ (菅原真弓 教授)
Ⅲ 桐竹勘十郎に聞く──実演をまじえて
Ⅳ 文楽の至芸──太夫・三味線・人形、三業一体の舞台
教員による講義
実演
太夫・三味線の芸
質疑応答
(オンライン参加になった桐竹勘十郎師も参加)
人形の芸
就任記念セレモニーにて辰巳砂学長より
委嘱状授与(桐竹勘次郎氏が代理受領)
参加者数 80名(本学学生30名を含む)
応募者数 308名 ※応募者多数のため、抽選により決定
参加者アンケートより
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人形浄瑠璃がなぜユネスコ無形文化遺産に登録されているのか、今回の授業を通してその凄さ、奥ゆきを感じました。江戸時代に流行し、今は落ち着いたが、ITを駆使した技術がはびこる現代に、1体につき3人、音楽はすべて生演奏という手間をかけにかけた文楽はとてもかっこよく映ります。「この文化は古典的価値をもつ芸術だから残すべき」というよりも、文楽だからこその表現、凄さ、感動をもっと多くの人に認知してほしいという思いになりました。(学生)
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これほどまでに文楽を深く学び、魅力に圧倒されるとは思っていませんでした。特に、非常に近い距離でまるで独り占めしたように観劇できるとは思っておらず、驚くとともに素晴らしさに圧倒されました。市民の方向けだけではなく、知識の浅い私たち学生向けの解説もあり非常にわかりやすかったです。授業ということを忘れるほどに全く難しさもなく、楽しく夢中になって3日間を過ごすことができたと感じています。(学生)
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講義を受けて知識によって視界が開けていく楽しさみたいなものを感じました。講座で先生方がご教示くださった資料も読んでみたくなり、ひさしぶりに図書館に行こうと思います。音源も聴きたくなって国立国会図書館の利用者登録もしました。生涯学習ってこれのことか!という感じです。(一般)
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ひとつの演目に絞り、学識者による①概論 ②史料講読 ③関連分野の解説、技芸員による④経験に基づく解説 ⑤実演、という非常に充実した内容を提供されており、有意義な3日間特別授業であった。大阪(上方)という地域の特性を活かした公立(市立)大学ならではの取り組みだと感心した。今後もぜひご継続頂きたい。(一般)
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母校ではないのに、大学の雰囲気が温かく、懐しい気持ちになりました。大学が学生のみならず私たち市民も受け入れてくださる包容力のある場所だということに感謝いたします。(一般)
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三業の方の芸を身近で拝見できる喜び、教員の方の専門分野からのアプローチ、そして会場スタッフの方のサポート、全てに感謝しております。若い学生さん達が文楽ひいては古典に関心を広げていただけますように。(一般)
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