お知らせ

2023年2月28日

  • 報告

山片蟠桃賞受賞者記念講演会を開催しました

 2023年2月14日(火)に杉本キャンパス1号館140周年記念講堂にて山片蟠桃(やまがたばんとう)賞受賞者 記念講演会を開催しました。

 本講演会は、大阪府の国際的な文化賞「山片蟠桃賞」の3年に一度の顕彰を記念して、2022年度の受賞者タイモン・スクリーチ氏(国際日本文化研究センター 研究部 教授)をお招きし開催しました。全体のテーマを「近世日本文化に潜む日欧交流の軌跡/私の日本文化研究の軌跡」とし2部制のプログラムにて実施しました。

 前半の招待講演では、「日光東照宮と家康の礼拝」というタイトルで、ご専門とされている江戸時代の美術に焦点をあててお話しいただきました。徳川家康の神格化や日光再建の経緯に加え、いわゆる「鎖国」の時代にも欧州の様式が日本の灯籠などに取り入れられ、それが欧州でも知られていたことなどを日欧の建造物や絵画作品もスライドで示しながら詳しく解説されていました。これまで目にしたことのある建造物なども、新しい視点から観ることの面白さを感じる講演となりました。

 休憩中には本学図書館に所蔵している講師や講演内容に関連する書籍をご紹介しました。杉本図書館から書籍現物の展示協力を受け、実際に手に取ってご覧になるなど、受講生の関心の高さがうかがえました。

 後半はトークセッションとして、本学文学研究科の菅原真弓教授を聞き手に、スクリーチ氏の日本文化研究の軌跡についてインタビュー形式で進行しました。休憩中に受け付けた受講者からの質問にお応えする時間から始まり、講演中に触れることができなかった内容ついても詳しくご説明いただきました。さらに、スクリーチ氏が日本文化に興味を持つきっかけや、学生時代に日本へ留学してきた当時のことに話が展開していきました。偶然にも、留学当時の受入研究室に菅原教授が在籍していたというご縁があり、当時の懐かしい写真などをスライドでご覧いただきながら、恩師である小林忠先生(学習院大学名誉教授/岡田美術館館長)との出会いや、研究室で過ごした思い出も振り返りました。2名のお話に会場全体がとても和やかな空気となり、受講生ともに笑顔あふれる楽しいトークセッションとなりました。

 今年、徳川家康がメディアで注目されていることから講演内容への期待はもちろんのこと、海外の研究者をお招きして日本文化研究についてお話しいただくという、これまでにない形式の講演会となり、受講生の方にも非常に楽しんでいただけたようでした。



 【受講者の声】(アンケートより抜粋)

    • 日本美術史学を専門に生きてきた二人の生活に際した話を聞くことができ、充実した内容でした。
    • 描かないことで敬意を表わす、いかにも日本人らしいと思いました。「物がしみて、しみこんでゆく」の視点、新しい視点でした。
    • 我々日本人が知りえない灯籠の話や、久能寺が描かれている雪舟の絵など、興味深いお話を幅広く伺えてとても満足しました。今後、日光に行った時、気をつけて見てみたいものです!
    • 図書館資料によるフォローアップなど面白いイベントをありがとうございました。
    • とてもやさしく愛情あふれるお話でした。これからも日本文化を親しんで下さい。“トークセッション”は、とても興味深かった。
    • 初めて知った内容が多くありました。日欧はずっと昔から交流し、つながり、今があることに気づけました。 




主催 大阪公立大学文学研究科・地域連携センター
後援 大阪府、美術史学会



IMG_5903

講演の様子

P1010130

タイモン・スクリーチ氏

MicrosoftTeams-image (13)_1

トークセッションの様子

P1010218

受講生に語りかけるような楽しいセッションでした

IMG_5877

杉本図書館協力による所蔵書籍のご案内

MicrosoftTeams-image (16)

手に取ってご覧いただきました

P1010024

重松副学長(地域連携センター所長)のご挨拶

P1010232

添田文学研究科長のご挨拶