お知らせ

2023年9月11日

  • 報告
  • 大阪公立大学 化学セミナー

【開催報告】高大連携事業「大阪公立大学 化学セミナー(2023年度)」

本セミナーは、大阪府教育委員会との高大連携事業として高校生(高校教員、化学に興味のある一般の方も参加可能)を対象とし、 “ちょっと小高い丘に登って化学の新しい世界を眺めてみよう”をコンセプトに、本学教員による最先端研究も取り入れた講義を通じて化学を俯瞰的に捉える力を育成し、化学に対してさらに興味を持ってもらうことをめざして開催しました。

今年度は、 高校生を中心にのべ294名の参加者が集い、AコースからCコースの3つの観点から化学を学びました。

開催日時 2023810(木) 9001220

会場 大阪公立大学 杉本キャンパス 基礎教育実験棟

コースと内容

Aコース  「光化学への招待」

理学部化学科 中嶋 琢也 教授

光と分子の相互作用が導く様々な現象について紐解き、色が見えるとはなにか?見え方は数値できるのか?など日常当たり前にある色や光について「化学」を通じて紹介しました。

中嶋先生 中嶋先生講義の様子

 

Bコース  「色素と化学〜染料からがん治療まで〜」

理学部化学科 中山 淳 講師

色素と化学について、具体的にジャパンブルーとも呼ばれる「藍」の化学について紹介し、さらに研究が進む色素の生命科学やがん治療への応用についても詳しく解説がありました。

中山先生 中山先生講義の様子

 

Cコース  「太陽光を利用する光合成の化学」

理学部化学科 藤井 律子 准教授

光合成たんぱく質の構造から光合成の光応答について概説し、近年技術革新が著しいクライオ電子顕微鏡法による最新の知見も紹介しました。

藤井先生 藤井先生講義の様子

参加者のアンケートより

Aコース

◆ ヨウ素デンプン反応について疑問に思ったことがあったので、今回のセミナーで詳しく仕組みを知ることが出来た。(高校生)

◆ 蛍光増白剤のお話はとてもおもしろく印象に残りました。量子ドットテレビも今回初めて知りました。(高校生)

◆ 吸収する色素や熱によって目に見える色も変わる事が分かり、高校では範囲が少ない光化学について知る事が出来ました。(高校生)

Bコース

◆ 染色技術ががん細胞の直接的破壊に応用できると知り驚いた。(高校生)

◆ 様々な抗体をがん細胞にふりかけて、どの抗体ががん細胞を退治するのに効果があったかわかる実験に興味をもった。(高校生)

◆ 日本の三大天然染料(藍・茜・紅花)に大変興味をそそられ、歴史的視点も絡めて、もっと知りたくなりました。(一般)

Cコース

◆ 光合成とタンパク質の化学反応について興味をもった(高校生)

◆ クロロフィルの構造に興味を持った(高校生)

◆ 光合成の研究の進展には驚いています。(教員)

全体を通して

◆ 高校の化学も好きですが、今回のセミナーで大学の化学はもっと楽しく、もっと好きになると感じました。今日学んだことを高校の理数探求の授業や部活で活かしたいと思いました。(高校生)

◆ 進路について考えたり、化学への捉え方が変わったりととても参考になる良い経験となりました。(高校生)

◆ 講義を行ってくださった先生方も自分たちの研究内容をとても楽しそうに話すので、大阪公立大学の研究室の環境の良さが滲み出ていると感じた。(高校生)

◆ 今回のような講演で教科書に載っているような内容でも最新の研究に繋がるような内容がまだまだあると高校生が知れる機会は本当に貴重であると思いました。(教員)

◆ とても興味深い講義でした。高校2年で課題研究を行っています。研究はできることに限界がありますが、この先に広がる世界を伝えてあげたいと思います。(教員)