お知らせ
2024年12月12日
- 報告
- 地域連携副専攻
【報告】アゴラセミナーⅠbで和歌山県御坊市フィールドワークを実施しました!
【授業の概要・目的】
地域連携副専攻のコア科目であるアゴラセミナーⅠbでは、受講生が自分たちの課題に沿って調査やフィールドワークを行いながら学びを深めていきます。今年度の防災クールでは、「歴史的街並みを有する地域における津波防災まちづくり」をテーマに、防災施設や歴史的街並みの現状を学び、災害リスクの高い地方都市における持続可能なまちづくりの課題と解決手法を考察することを目的とし、様々な取り組みを学修しました。
担当教員: 生田 英輔先生(現代システム科学研究科 教授)
杉山 正晃先生(都市科学・防災研究センター 特任助教)
【フィールドワークの概要】
2024年12月8日(日)、受講生12名が和歌山県御坊市にてフィールドワークを実施しました。御坊市の寺内町は、本願寺日高別院を中心に形成された門前町で、趣ある建物が多く残る地域です。この地区は日高川河口に近いため、南海トラフ巨大地震が起きた場合、地震発生から約25分で津波が到達し、5m以上の浸水が想定されています。一方で、高台や津波避難ビルに指定できる建物がなく、現在は3基の津波避難タワーが建設されたことで地区内の津波避難困難地域は解消されています。
最初に、ゲーム性を取り入れた津波避難タワーの可視性調査を実施しました。チームに分かれ、指定地点を巡りながら、距離が離れていても津波避難タワーが見える地点や、避難誘導看板を探して歩きました。
続いて、御坊市役所に移動し、御坊市自主防災組織連絡協議会 酒本和彦 会長と御坊市 小瀬武伯 産業建設部長より、御坊市における自主防災の取り組みについて講話をいただきました。
午後からは、再び津波避難タワーに移動し、御坊市職員の谷口泰之 課長補佐、中西正貴 主事の案内のもとまち歩きを行い、寺内町に残る歴史的な建造物や過去の災害を伝える伝承碑、御坊市の魅力を発信するスペースである寺内町会館などを見学しました。
寺内町会館では片山隆 館長と冨山修次 副館長に案内いただきました。
最後に、振り返りワークショップを行いました。津波避難タワーの可視性調査やまち歩きで気づいたことをもとに、避難しやすさに寄与する要因、避難の妨げになる要因、津波避難タワーの平時の活用方法などを議論しました。また、寺内町の魅力をもっと引き出すアイデアやイベントの提案も行いました。
今回のフィールドワークを通じて、災害リスクの高い地方都市における持続可能なまちづくりについて、多くの学びや新たな視点を得ることができました。