大阪公立大学が誕生し、まもなく1年を迎えます。府と市を母体に持った2つの大学が15の研究科を擁する1つの大学となり、大阪府内全域をフィールドにさまざまな分野における連携が一層進んでいます。本学は、都市・大阪に所在する唯一の公立大学として教育・研究に加え社会貢献にも注力し、都市課題の解決や地域活性化の推進を目指しています。
本フォーラムでは、本学教員や学生が地域の魅力創出や課題解決に向けて地域と連携して行った取り組みを発表します。多様な分野における連携事例をご紹介することで、大学と地域が連携していくためのノウハウの共有や、さらなる連携の可能性について考えてみませんか。
今年度は下記のとおり開催します。ぜひこの機会にご参加ください。
チラシデータはこちら (1MB)
2023.3.7 お席に余裕がありますので、申込期間を3月14日(火)まで延長します!
開催概要
- 開催日時
2023年3月15日(水) 13:00~17:00 (受付 12:30~)
- 開催方法・場所
ハイブリッド開催(会場またはオンライン)
会場参加:杉本キャンパス 田中記念館講堂・ホワイエ(キャンパスマップ8番の建物)
オンライン参加:Zoomを使用
※状況により完全オンライン開催への変更の可能性あり
※感染対策等については最新版の大学方針に準ずる
- 対象者
地域と大学の連携に関心のある方
- 定員(先着順)
会場参加 120名、 オンライン参加 定員なし
- 参加費
無料
- 申込方法
下記の申込フォームよりお申し込みください。
- 申込締切
2023年3月7日(火)17:00 ⇒ 3月14日(火)に延長
【注意事項】
- お申し込み後、24時間経過しても申込完了メールが届かない場合は、下記問い合わせ先までご連絡ください。
- 新型コロナウイルスの感染状況により全面オンライン実施等、内容を変更する場合があります。
- 申し込みの際にお伺いした個人情報は、参加名簿として適切に取り扱うとともに、フォーラムの事務連絡やイベントのご案内に使用します。利用目的以外には一切使用いたしません。
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タイムスケジュール
プログラム詳細
学生発表
地域と関わりのある本学学生(大学院生含む)がそれぞれの取り組みをご紹介します。本学地域連携委員の教員による審査のほか、参加者による投票を行い、優れた発表は表彰されます。
① 大阪港周辺で暮らしていた水上生活者に関する住民の記憶を掘り起こす
文学研究科 市道 寛也
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大阪港(大阪市港区)の周辺には1970年代まで、海上や河川上に停泊する船やはしけを居住地とする水上生活者が集住していた。1970年代以降に生まれた世代や、近年転入した住民の中には、大阪港に水上生活者がいたことを知らない者も少なくない。2022年現在、水上生活者に関する記憶を有する住民の高齢化が進行しており、高度経済成長期の大阪港の物流を支えた水上生活者の歴史を記録することは重要であると思われる。そこで2022年2月以降、元水上生活者をはじめ、大阪港周辺に住む高齢者に対して聞き取り調査を実施し、水上生活者に関する記憶を記録する作業に取り組んできた。聞き取り調査で明らかになった水上生活の詳細と水上生活者を取り巻く大阪港の歴史について、地図や写真を交えて発表する。 |
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② コンタクトレンズブリスターパック回収プロジェクト
環境部エコロ助 杉野 菜月・中西 仁太(現代システム科学域)、 竹内 久太・橘 和奏(生命環境科学域)
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日本国内のコンタクトレンズの販売数は年間約23億枚で、そこから230万kgものプラスチックゴミが生じています。しかし、日本で販売されているソフトコンタクトレンズのブリスターパックは、多くが高純度のポリプロピレン製で、リサイクルに向いている素材です。そこで、環境部エコロ助は、2022年度から粧美堂株式会社さんと共同し、大阪公立大学中百舌鳥キャンパス内に回収BOXを設置し、コンタクトレンズのブリスターパックを回収しています。本フォーラムでは環境部エコロ助の新たなSDGs活動について発表します。 |
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③ 旭区防災教育
生活科学部 高野 海瑠、 現代システム科学研究科 和薬 真理子
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大阪府大阪市旭区の大宮中学校1年生55人、旭陽中学校全年生496人を対象に実施した「住環境」と「備蓄・非常用持ち出し袋」に関する防災授業の内容及び授業の事前と事後に行ったアンケート調査の分析結果を発表する。「住環境」の授業では地震対策としての家具の固定と配置工夫について、「備蓄・非常用持ち出し袋」の授業では災害時の生活支障と内容物の選定について取り上げた。事前アンケートは全校生徒と保護者を対象とし、事後アンケートは防災授業の効果検証として受講生徒のみを対象に実施した。事前アンケートでは建物内の被害の想定や備蓄と非常用持ち出し袋の準備状況を尋ねた。事後アンケートでは事前アンケートのうち建物内の家具、災害への不安感に関しては共通項目として効果を検証した。これらの結果から、中学校における防災教育のニーズ把握、生徒及び保護者の防災への意識と対策の現状把握、効果的な授業内容の検討が可能になった。 |
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④ 対話による死生観形成の場づくり―地域住民と創る「ここでカフェ」の取り組み
ここでカフェ 友居 和美(人間システム科学研究科)
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孤独死や在宅看取りのほか医療技術の高度化に伴って死に関する課題は複雑化しており、終末期における意思決定は容易ではない。地域や家族のあり方も変化し、自らが望む最期を描くことは難しい。一般市民の死生観が脆弱であることも指摘されていることから、カフェ形式で対話による死生観形成を試みた。2018年から1年間は博士課程の研究として死について語る会を開催し、その後、有志の参加者とともに大学を離れて実践している。会では参加者とともにテーマを設定し、一定のルールのもと、お茶を飲みながら気軽に死について語りあう。取り組みの結果、参加者は他者との外的な対話と自己との内的な対話を展開する中で、死を我が事として考え自らの死生観を形成している。参加者の語りは集団としての態度をも醸成しており、地域において死に対する理解や共感を深める可能性が示唆された。今後はより広い年齢層を対象にしていくことが課題である。本フォーラムではその取り組みについて発表する。 |
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⑤ 徳島県のアンテナショップの調査研究
CR副専攻 地域実践演習チーム 菰渕 柊翔 ・ 浅沼 柾男 ・ 孟 秋鴻 ・ 高木 司(経済学部)、
阪本 也実 ・ 吉本 駿(商学部)、 佐竹 春奈 ・ 清原 ゆい菜(文学部)
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本報告はCR副専攻地域実践演習(担当:松本淳教授)の授業に参加しているメンバー(1回生5人、2回生3人)で行っています。徳島県の店(大阪にある徳島県のアンテナショップ)を調査・研究対象としています。徳島県関西本部(徳島県庁の出先機関)が抱える課題および徳島県の店が抱える課題という2つの視点から考察を行います。特に意識しているのは、聞き取りをした内容を鵜呑みにするのではなく、自分たちで考え、本当に大事な問いは何であるのか、ということを念頭に置きながら、実際に聞き取り調査を行いました。 |
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本学教員による地域連携事例報告
地域と本学が連携した事例について本学教員からご紹介します。連携の工夫や課題点などさまざまな事例を振り返りながら報告することで、地域連携の今後について考えます。
① タケミミズ堆肥と種々の資材との組み合わせによる植物病害の新たな防除技術開発の試み
発表者:農学研究科 教授 東條 元昭
連携先:大阪府農政室推進課地産地消推進グループ
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モウソウチクの粉砕物から作られるタケミミズ堆肥は、数種の土壌伝染性植物病原菌の発病に抑制効果を示します(写真左:タケミミズ堆肥ではハクサイの苗立枯れが抑制されている。右:市販の育苗土)。この新たな堆肥の発病抑制効果を高め、有機農産物やエコ農産物の普及・拡大につなげることを目指し、河内長野市役所や同市内の里山クラブの協力を得て、タケミミズ堆肥の作出法を開発し発病抑制効果を検証してきました。堆肥と他の資材(病原拮抗微生物や竹炭など)との組み合わせ効果を模索した試みについてもお話しします。 |
② 公共の資源をあとに残し、つぎに繋ぐ。ato/tugiプロジェクト
発表者:工学研究科 講師 西野 雄一郎
連携先:守口市
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守口市は少子高齢化に対して公共施設の統廃合を進めており、小学校では統合する2校を廃校にし、新たに校舎を建設するといった具合です。この例のように施設の解体では、まだ使用可能な家具や什器も廃棄されており、公共財を積極的に活用・流通することが期待されています。本活動では守口市と連携し、公共財のリメイクデザインなどの活用策を開発し、社会実験において流通に向けた試行販売を行いました。 https://www.instagram.com/atotugi_official/ |
③ 地域を活かすスポーツ振興策
発表者:国際基幹教育機構 教授 坪内 伸司
連携先:堺市文化観光局スポーツ部
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本学の副専攻「地域再生」では、学生自らが地域の課題を解決するための提案することや、地域活性化のための企画を運営すること等を通して、地域で主体的に活躍するマインドを身につけるとともに、大学が地域の拠点としてその発展に寄与できることを目標としています。「地域を活かすスポーツ振興策」のテーマで堺市と連携し、堺市民の健康増進施策について授業を展開しています。ここでは、堺市民の健康保持増進のため、スポーツに関わる活動状況や堺市スポーツ推進プランの取り組みについてお話しします。 |
④ 津波2次避難計画に係る歩行訓練
発表者:都市科学・防災研究センター 教授 生田 英輔
連携先:大阪市福島区、 此花区、 西区、 港区、 大正区、 西淀川区、 淀川区、 西成区、 危機管理室
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大阪市と本学は津波浸水区域外での災害時避難所確保計画検討ワーキンググループを設置し、南海トラフ巨大地震発生後の津波浸水地域から、非浸水地域への避難を検討しています。ワーキンググループでは2021年度以降、事前に検討された浸水地域内の出発地及び非浸水地域内の目的地、出発地と目的地を結ぶ経路に関して、実際に歩行する歩行訓練を実施しています。訓練においては、経路環境を評価した上で、参加者の事前・事後アンケート、参加者による危険物・対応資源調査、参加者の生体情報計測、速度統制等の諸要件の試行等を行いました。 |
交流企画
① 質問受付とフリートーク/学生ポスター紹介
会場を移動し参加者同士が自由に交流する時間になります。また発表した教員への質問受付やポスターによる学生の活動紹介を行います。
② 教員への質疑応答と意見交換会
先に受け付けた質問をもとに教員との質疑応答を行うとともに、意見交換会として地域と大学の連携について考えます。
主催・問い合わせ先
大阪公立大学 地域連携センター(事務局:社会連携課)
TEL 06-6605-2068
E-mail gr-shak-chiiki4c[at]omu.ac.jp ※[at]を@に変更して送信してください。