中村英樹

研究者紹介

中村英樹  /教授   マクロ経済学

研究キーワード:教育、国内不平等、人的資本、自動化

「自動化の経済への影響」

産業革命以降、機械・ロボットによる労働の代替(以下、自動化)は進んでいます。そして、IT技術や人工知能の発達によって自動化はさらに加速していっています(図1)。では、自動化は雇用を奪うのでしょうか?賃金はどうなるのでしょうか?そもそも、自動化の程度は数値として測れるのでしょうか?

画像1

      図1:電車運行におけるタスクの自動化 

以下の焦点のもと研究を行っています。

(i)雇用

自動化による雇用減と効率的生産からの雇用増により、雇用は減るとは限らない。また、新財開発による雇用増もある。

(ii)賃金

自動化は労働節約的技術により賃金上昇を抑えるが、資本蓄積が促され賃金上昇の可能性もある。

(iii)Skilled and unskilled laborの違い

ルーティン・マニュアルタスク(且つ単一タスク)のunskilled laborと認知的タスク(且つマルティタスク)のskilled laborのもと、自動化の雇用や賃金への影響の違いをを分析する。

例:tasks of a manager(communication, decision making, planning, supervision, data analysis)

task of a factory worker(machine operation)

(iv)生産における自動化度合いの計測

CES型生産関数の推定により、産業における自動化の程度を測る。日本の製造業の平均的な自動化度合いは、ゆっくりと上昇傾向にある(資本所得比率と似た動き)。

(v)ロボット資本の増加要因

賃金やロボット価格など、ロボット資本の増加要因を調べる。

(vi)unskilled laborのタスクに関する自動化の可能性

教育コストが無く、全員がskilled laborになることが可能であれば(つまり、現実的ではない仮定のもとでは)、完全自動化は可能。期待による複数均衡の存在も示す。

図2

                                

            図2:ロボットによる自動化

            

参考文献

※CV(他の研究を含む)  

Hideki Nakamura - Curriculum Vitae