吉田素教

研究者紹介

吉田素教  /教授   財政学・経済政策

キーワード:財政の持続可能性、社会経済の持続可能性、社会経済の構造変化

「財政・経済の持続可能性と社会構造の変化」

日本&世界の財政と経済のこれまでの変遷と現状を理解し、将来を展望するためには、社会経済全体をマクロ的&ミクロ的に、かつ、様々な角度から観察する必要があります。

例えば、日本&世界の財政・経済状況に関しては、以下のような事実が確認できます。

 

  1. 日本は、G7の中で、公債残高の対GDP比率が最悪の水準にある(2019年)。
  2. 日本は世界で一番の純金融資産国である(2019年)。
  3. 世界ではトップ約1%強の人々が世界の総資産の46%弱を所有している(2022: Table1)。

「賦金調-明治8年」(総務省統計局統計図書館蔵)

 Table: The Global Wealth Pyramid 2012 & 2022

Source: By Yoshida, M. (2025) using Credit Swisse AG "Global Wealth Report: 2012 and 2023 issues," Figure 1.

上記のような事実を踏まえ、私はここ10年以上、日本財政・経済の持続可能性、社会の構造変化等に関する研究(実証分析)を行っています。

当該研究に関わる主な論点としては、以下のような事項が挙げられます。

 

  1. 財政反応:財政部門の債務状況に対する政府の反応
  2. 租税政策のバランス:所得課税、消費課税、資産課税のバランス
  3. 少子高齢化問題:現役世代人口の減少と社会保障関係支出の増大
  4. 金融政策のチューニング:物価安定と経済の需給状況の適正化とのバランスを取る金融政策の実施
  5. 経済成長と付加価値の分配問題

 

参考文献