発足シンポジウム

日本鉄鋼協会 材料の組織と特性部会 シンポジウム
「鉄鋼中の軽元素 — 溶質-溶質および溶質-欠陥相互作用の基礎と新展開」

i–sフォーラム最終報告会 兼 新フォーラム「鉄鋼中の軽元素の挙動と力学特性の基礎」起動討論会


趣旨

鉄鋼に微量添加されるマイクロアロイ元素は固溶炭素・窒素原子と複合体あるいは種々の規模の溶質原子クラスタを形成して炭素・窒素原子の存在状態と拡散に影響を与え,相変態挙動,微細組織,力学特性を変化させます.このような侵入型(i)と置換型(s)溶質原子間の相互作用はフェライト鋼において特に重要で,これに由来するナノスケールのクラスタの構造と熱力学的性質,クラスタ形成による諸特性の変化などとあわせて系統的に研究する必要があります. 2010年に発足したこのフォーラムでは,この課題に関する研究の現状認識共有して,取り組むべき具体的な課題を明確にし,個々の研究シーズを検討してきました.2012年3月には第3回国際鉄鋼科学シンポジウム ISSS 2012 のプレ企画を兼ねた成果報告会を開催しましたが,そののち活動を2年間延長し,通算6回の研究会を開催しました.今回のシンポジウムは4年間の活動の成果報告と,i-sフォーラムを承けて本年3月に発足した新フォーラム「鉄鋼中の軽元素の挙動と力学特性の基礎」のこれからの活動に向けた討論を兼ねて開催します.

日時

2014年3月23日(日)(日本鉄鋼協会2014年春季(第167回)講演大会会期中)10時15分 – 16時00分

場所

東京工業大学 大岡山キャンパス(東京都目黒区大岡山2-12-1)西3号館3階 W331(鉄鋼協会第14会場)

プログラム

講演資料(メンバー限定)

10:15 開会挨拶 Opening address 沼倉 宏(大阪府立大学) Numakura H (Osaka Pref U)
10:20 [基調講演] Fe–C, Fe–N, Fe–B系の熱力学:最新理論で捉え直す [Keynote] Thermodynamics of the Fe–C, Fe–N, and Fe–B systems 大谷 博司(東北大学) Ohtani H (Tohoku U)
11:00 C, Nと合金元素のナノクラスタ形成:微細組織と力学特性 Nano-sized clustering of alloying elements in steels: microstructure and mechanical properties 古原 忠(東北大学) Furuhara T (Tohoku U)
11:30 X線と中性子の複合利用による軽元素分布状態解明への挑戦 Distribution of light elements determined by combined method of SAXS and SANS 大沼 正人(北海道大学) Ohnuma M (Hokkaido U)
12:00 (昼休憩 60分) (Intermission, 60 min)
13:00 [基調講演]第一原理計算による鉄鋼中の溶質原子の挙動の研究 [Keynote] First-principles study of behaviour of solute atoms in steel 澤田 英明(新日鐵住金(株)) Sawada H (NSSMC)
13:40 固溶元素と転位の相互作用 — ナノインデンテーションによる新知見 Interaction between in-solution atoms and dislocations — A new aspect through nanoindentation technique 大村 孝仁(物質・材料研究機構) Ohmura T (NIMS)
14:10 (休憩 10分) (Intermission, 10 min)
14:20 固溶C, Nと合金元素の相互作用:最近の進展 Interaction of solute C and N with alloying elements: recent developments 沼倉 宏(大阪府立大学) Numakura H (Osaka Pref U)
14:50 アトムプローブによるN活用型Cr添加BH鋼板の遅時効機構の解明 Atom probe analysis of interaction between Cr and N in bake-hardening steels with anti-aging properties at RT 高橋 淳(新日鐵住金(株)) Takahashi J (NSSMC)
15:20 微細組織とひずみ時効性 Role of microstructure in the strain aging 小野 義彦(JFEスチール(株)) Ono Y (JFE Steel)
15:50 総合討論 Discussion
16:00 閉会 Closing


参加者数

130名(講演者8名を含む)