受験生の方へ
はじめに(本研究室は2023年以降入学者にはサービスを提供しません)
※ 大阪公立大学を2023年(2023年度入学者)以降に受験される方は本研究室テーマは選択できません。
※ 大阪公立大学出身者で同工学研究科志望の方は本テーマを選択できません。
いま、あなたは受験生として将来の人生に係る機械工学関係のなかのあるWEBページを閲覧しています。従来ならば、そんなあなたは当然機械工学およびそれに関連する何かに強い関心がある人だと考えられてきました。今から10数年位前までは、「関心」といえば、当然そのことについて強い好奇心があり、自ら調べてそれなりの知識を持っていました、あるいは持つことが好きな人でした。特に何か特定の具体的なモノに興味を持っていることが多かったと思います。
ところが最近は、機械工学の教育環境は状況が大きく変わってきています。まず、「関心」という言葉の意味が大きく変わったようです。モノに対する興味は薄まり、具体的なモノの知識を持った受験生は激減しました。「関心」の対象は社会で取り上げられている「環境」や「ロボット」、「医療」などなどの「分野」への「関心」に変わり、機械工学科に入ればそれらの職業に関われるのではないかという漠然とした「期待」に変わっているように感じます。「モノづくり※」が好きか、という言葉の中身にも大きな世代ギャップが生じているように思います(別項参照)。
別にスタート地点がそのような分野への「関心」であれ、就職への「期待」であれ、言葉の認識にギャップがあってもかまいません。機械工学が好きであればまったく問題はありません。大学に入って機械工学とその手法、手段にあらためて関心を持ち、知識と技術を高め得ていけばいいだけのことですから。もちろん、まじめに学べばそれに応じた知識は身に付きますから。
しかしながら、最近は機械に関心が無く、興味もないことすら気づかずに、それらの分野や就職にあこがれだけで入ってくる人が目立つように思います。そしてそのような人は、日々の授業も苦痛を感じることがあるようです。確かに機械工学を修得すれば、就職に不自由することはほとんどありません。しかし、機械工学を志望する前に、一度自分のこれまでの人生を振り返り、本当に機械が好きか、論理的に物事を考えたり、必要な情報を努力して集めたりという作業が好きか、そういう調査をいままで趣味のように継続的にしていたのか、少なくともそのような作業や手法に嫌悪感が全くないのかをしっかり見極めてください。
工作が好きでしたか?プラモデルなんかを自らのアイデアを加え工夫して作りましたか?キャンプなどで道具がないときに代替の方法を考えるのが得意でしたか?数学や理科が得意なだけではなく、その利用方法を意識していましたか?利用することに意欲的でしたか?そんなことがきらいではありませんでしたか?
とりあえず合格しても、とりあえず卒業しても、あなたには「機械工学」の影が一生つきまとうことになります。もしそれが負担なら、他の学域であなたの目標を目指すことをおすすめします。出資者、社会、大学、教員、そしてなによりもあなた自身が取り返せない膨大な損失を背負うことになりますから。
ここまでの記事を読み、「あ、自分は自分でものを作るのではなく、違う立場から “モノづくり” に携わりたいんだ!」と少しでも思った方は、一度、社会学や政治経済学、政策学なども調べてみることを強くおすすめします。数学や力学が好きなだけならば、理学系の分野が勉学の環境としてより適しているのかもしれません.
ただ、本学本機械工学科は、工学の中に有りながら、学術的な理論、原理を追及する方針のようです[大阪府立大学工学域機械系学類案内]。したがって、機械に興味がなくても大丈夫な機械工学科となっているようです。個人的には、理論や原理を突き詰めるのであれば、理学系の物理系をお薦めしたいところです。力学を活用し様々な世の中の問題を技術で解決するはっずの工学の機械系で理学に対抗しても教育が十分に受け入れたとしても、就職の際には企業の要求との間にミスマッチ感が伴うからです。まぁ、それはさておき。
本当に機械に関わりたいんだと確信した方。次はジャンル、課程の選択方法です。
たとえば自動車に興味がある人。比較的高度な完成品である自動車にはいろんな装備が組み込まれています。最近は重要度が低くなってしまいましたが内燃機関であるエンジン、動力伝達のパワートレイン、乗り心地を機械の立場で支えるサスペンションやタイヤ、衝突しても乗員を守るための衝撃吸収ボディ、低消費燃費にも関係する空力。これらに関係する装置に関心がある場合は機械工学課程を選びましょう。
ただし、以下のようなものは別です。ハイブリッド車や電気自動車の動力源であるモーターに関心がある人は電気工学、モーターによる動力の配分やアクティブサスペンション、自動運転、電力消費や燃料消費のコントロール、インパネ周りでボタンで制御するドライブコントローラーその他のいろんな装置の制御、レーンキープ等々の装備には情報工学、それらを具体的に実現する回路は電子工学。です。ネットを通じた通信や情報交換には電気工学がよいかもしれません。
たとえばロボットで医療や災害などに役立ちたい、と思った方。まずは社会学や行政学をチェックしてみてください。そして確実にロボットに関係する機械や装置を作成したいと思った方。ロボットの足や腕の関節などの機械機構や強度、移動機構、などに興味があれば機械工学課程です。
ただし、以下のようなものは別です。手を動かす小型のモーターなどは電気工学。AIのような電子頭脳、腕と目を連動させてものを掴ませたり、ロボットをなめらかに走らせたり、コンピューターとの連携なら情報工学、声を出したり表情を表現するのも情報工学でしょう。目や手のセンサーの開発なら電子工学や物質工学、新しい小型でパワフルな動力原開発なら理学系がいいかもしれません。人の肌に似せた人工皮膚や軽くて強度のある新素材も材料、物質工学系です。あるいは応用化学もよいかもしれません。ネットを通じて意思疎通する通信には電気工学がよいかもしれません。
現代でも機械工学の必要性は重要と思います。しかし、機械工学に行けばつぶしが効くので就職に困らない、という時代はとっくに終わっていると思います。今は、情報工学で、自由にプログラミングしながらいろんなものをコントロールする時代になりました。時代は今も変わりつつある大きな変動期です。将来を見据えて、自分で何かできるようにする覚悟がこれからのエンジニアには必要かもしれません。具体的な作業を誰かにさせ、大きな流れや方向性を作りだしたい人は、行政、政策学や社会学などの管理を担う文系学類がよいと思います。加えて、「夢」を探すため、という人は、自分が製造業に「技術者」として就職する気があるのかをまずは見極めた上で、工学系で「夢」を探してください、ただし、工学は「夢見つける」のが目的ではなく、「見つけた夢を機械として実現する術を身につける」ところであることはお忘れなく。
※ 「ものづくり」は、厳密には代においては厳密には、溶接、鋳造など、法令で定められた10数の業種を指す行政用語で定義されています。この語源の「ものづくり」は、日本古語で、その音感からくるほんわかとしたイメージ等の利点を経済産業省が取り上げ、法令の名称と対象業種名に取り込んだものです。機械工学では、このイメージ戦略の国民の反応同乗し利用していますが、本来は、わかりやすい内容を伝えるためには従前の「開発(企業では研究と同義)・設計・製造」という用語を使用すべきと考えます。
教育体制
本学類/課程においては,大講座制を基本としているものの,小数スタッフを小講座制のような研究グループとして配置しています.研究グループの主任を教授が務めることにより,教育の場においては指導教員だけではなく,複数教員の指導を受けやすくなっていると言え,同時に,スタッフの突然の退職・転職にも対応できる教育体制が確保されているともいえます.研究グループ主任の教授が不在の場合には,大講座内の他の教授が兼任します.
学部学生の講義,卒業研究,生活指導なども含めた学部教育サービスは,専任ではなく学術研究院という法人組織所属の教員がすべて兼務で実施・提供します.
研究室では,四回生になって実施される研究室主体の授業科目だけではなく,流体工学としての知識を学ぶための雑誌会や勉強会などの勉強会がグループ単位で実施されています.これらは,別の研究テーマの内容も知ることができる貴重な機会であり,幅広い知識を得るため機会が提供されていますが、その運用は多様です.卒業研究/修士論文研究では,それぞれ学生一人あたり年間3万円/5万円の教育費が配分され演習を行なっていますが,さまざまな大学運営共通経費もここからあらためて支出されます.
なお、昨今の設立団体大阪府の財政赤字のため、教育費、教育環境の悪化および組織存続のご心配をおかけしていますが、ほどよい政治的機会に大阪市立大学と統合されることが決定しています。
就職状況
本研究室の学生は,機械工学分野/機械工学科の学生として一括された就職支援を受けます.機械工学科にはたくさんの企業から推薦枠募集をいただき,多くのOBが出身研究室を通じて分野/学科在学生への会社説明等を行っています.また,大学ではなく, 大阪府立大学生活協同組合 の主催するサイトの企画「府大生のための 合同企業研究会 in OPU」 (2009年度実績 参加企業200以上,参加者数2,000人規模)などもキャンパス内で開催されます.その結果,多くの学生が大学からの推薦で入社試験を受け採用されています.本学特に工学系においては,推薦枠による就職が一般の入社試験よりも手続きが簡素であり,試験の数も少なく,また人事担当者との距離も近いということもあり,学生の多くは推薦で企業を受けます。
たとえば大阪府立大学の機械工学科には,機械系メーカーを代表するトヨタなどの自動車業界や、関西地元のパナソニック,シャープなどの家電メーカー,さらには機械系メーカーの花形でもある川崎重工,三菱重工や三井造船などの重工造船業界など,様々な分野の一流メーカーから十分な推薦枠をいただいております。
研究内容の関係から、重工業への就職者が目立ちます.また、重機、自動車業界、電機業界などにも就職しています.
過去に就職したことのある企業
本研究室では、機械力学や、材料力学、熱力学、流体力学といった、大学の科目として得た知識を応用し,さらに設計の基本となるこれら力学と設計製図(図面の作成、CAD、および強度計算)の技術を活用,実験計画のもと実験装置の作成なども行います.またほかにも多くの機械や工学といった分野の提供された講義の知識が必要です.
そういった講義を1~3年生まで受講した後、 4年生では、本研究室を含む12の研究室の中から1つの研究室に配属されて, 1年間テーマを決めて研究をしていくことになります。
仮に晴れて本研究室に配属された場合, 4年生の初頭は,論文を検索し,それらを入手し,読むことによって,他の研究者の成果を参考にしながら,新しい課題に挑戦していきます。プログラミング(最近は Visual Basic .net によるウインドウズアプリケーション)などパソコンを活用し,実験によってアプローチしていきます.また,卒業論文に必要なグラフ作成,図作成のスキルはこの時期に習得しておく必要があります.大学院受験希望者は,研究の勉強と共に入試準備を行います.夏を過ぎると,実験装置を完成させ,速やかに予備実験を終え,秋には本実験と結果の検討,追実験を行わなければなりません.寒さが増す頃には,卒業論文の作成作業に取りかかっていなければ, 1月には非常に大変な状況に追い込まれ、そのような状況では評価も低下していることでしょう.この課程では,担当の教員による指導があります。
こうして卒業論文も完成して、学会の発表も終わるといよいよ卒業です.多くの学生は大学院への進学をします。
大学院では、2年間さらに研究を深めていきます。学部生と共に作業を行ったり,先輩として後輩の指導も行います.人間関係やコミュニケーションの勉強ができるのも,研究室配属で大学院生活を送ることの大きなメリットです.
最近は,企業の求人活動が早いため,学部3回生または大学院の1年生の冬ころから就職活動が行われているようです.
学部生では,本学の就職支援については4回生になってからであることから,各企業のエントリーシートを通じて接触を行っているようです.
詳細については本学就職担当部門にお問い合わせください.
【学生センター学務課 キャリアサポート室 072-254-9119】
春には大学からの推薦をもらい、面接等でそれまで行ってきた自分の研究テーマについてもたずねられるため、十分説明できるように研究を進めておく必要があります.推薦では,いまなお1社目で決まる人が多く、なかには2社目以降を受けたりと苦労したりする人もいますが,最終的には通常であれば大手と呼ばれているところに決まります.
さらに1年,研究について演習し、卒業して就職していきます。
本研究室の運営経費実績(教育研究費)は以下のとおりです。
通常経費(安全対策費等含む) 内教員学会経費 外部資金
2006年度 ******* ****** *
2007年度 ******* ****** *
2008年度 363,764 23,600 0
2009年度 280,062 33,520 252,504
2022年度 400,000 63,520 252,540