物質化学生命系専攻 応用化学分野

 

教育目的

物質化学生命系専攻(博士前期課程)では、物理学、化学、及び生命科学に基づく新物質の創製や新機能の創出を通して、基礎から応用に至るまで科学の学理を総合的に理解し、化学物質の分析、合成、及び物性評価に関する幅広い知識と確かな技術を身に付けるとともに、新技術、新概念の創出、さらに資源循環を総合的に含む工業プロセスの構築に資する先導的研究を推進することにより、先端的かつ総合的な工学分野を開拓できる未来を担う人材を養成することを目的とする。

研究グループの構成と教員

中百舌鳥キャンパス

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
1.分析化学 教授 久本 秀明 マイクロチップ集積化分析システム、化学センシング、オプティカルセンシング、分子認識、キャピラリー電気泳動
准教授 遠藤 達郎 バイオセンサ、ナノフォトニクス、マイクロトータルアナリシスシステム
2.無機化学 教授 林 晃敏 無機材料化学、ガラス材料、固体電解質、全固体蓄電デバイス
准教授 作田 敦 無機材料化学、電極活物質、全固体電池
助教 本橋 宏大 固体イオニクス、固体電解質、全固体電池
3.物理化学 教授 松岡 雅也 触媒化学(水素・二酸化炭素利用)、金属有機構造体(MOFs)、光エネルギー変換、DFT計算、MD計算
准教授 亀川 孝 環境触媒、光触媒、機能性薄膜、ナノ空間材料、高性能吸着剤
准教授 竹内 雅人 可視光応答型光触媒、環境浄化、分子分光法、表面濡れ性、触媒反応機構
准教授 堀内 悠 太陽光エネルギー変換、光触媒水素製造、可視光応答型光触媒、多孔性金属錯体
4.電気化学 教授 井上 博史 電気化学的エネルギー変換、蓄電デバイス、燃料電池用電極触媒、水素貯蔵
准教授 知久 昌信 電気化学的エネルギー変換、蓄電デバイス
准教授 樋口 栄次 燃料電池用電極触媒、電気化学エネルギー変換、電池と電気化学材料
5.物性有機化学 教授 池田 浩 光化学、有機電子移動化学、ヘテロ元素化学、有機反応機構、有機合成化学、機能性有機材料
准教授 松井 康哲 有機光化学、光エネルギー変換、レーザー化学、反応速度論、計算化学、有機金属化学
6.有機機能化学 教授 八木 繁幸 有機材料科学、機能性色素化学、有機エレクトロニクス、有機電界発光素子、蛍光材料、りん光材料
准教授 前田 壮志 機能性色素化学、超分子化学、有機エレクトロニクス材料、分子センサー
准教授 小玉 晋太朗 有機合成化学、金属錯体化学、有機金属化学、酸化反応、金属酸化物クラスター
助教 鈴木 直弥 有機機能化学、機能性色素、機能性π電子系、有機合成、有機光化学
7.合成高分子化学 教授 松本 章一 高分子合成、高分子材料化学、制御ラジカル重合、有機結晶化学、高分子複合材料、機能性高分子材料
准教授 岡村 晴之 高分子材料化学、光機能性高分子、高分子の架橋と分解
准教授 鈴木 祥仁 高分子材料、非晶高分子、結晶化、反応速度解析、界面物性、高分子複合材料
8.生体高分子化学 教授 原田 敦史 生体機能材料化学、自己組織化高分子、ナノ医療、ドラッグデリバリーシステム
准教授 北山 雄己哉 コロイド界面化学、高分子合成化学、ドラッグデリバリー、光反応、分子認識化学
9.表面計測化学 教授 椎木 弘 生物分析、生体計測、表面化学、分子認識、分子インプリント、ナノバイオ材料
准教授 定永 靖宗 大気化学、大気汚染物質の長距離輸送、光化学オキシダントとその前駆物質

 

※印の教員は、2025年3月退職予定

研究トピック

サステナブル社会に貢献するナノ触媒開発をめざす。

物理化学研究グループ

サステナブル社会の実現に向けて、太陽光エネルギーを利用したクリーンな燃料合成や、地球温暖化ガスの資源化が求められています。これらの反応を実現するために、本研究グループでは、原子と原子の結びつきをコントロールしつつ反応を促進する魔法の石である「触媒」の研究開発に取り組んでいます。電子顕微鏡のモニター上にみえるのは、一粒が約100ナノメートルのMOF触媒です。MOFは金属原子と有機分子がジャングルジムのようにつながった多孔体で、可視光を当てると水を分解して、水素を生成します。また、金属原子と有機分子の組み合わせを変えると、安定なCO2をCOに光還元する触媒にもなります。このように得られた水素とCOを原料として、人工石油を触媒反応により合成することもできます。触媒創製を通してサステナブル社会の実現に貢献しませんか。

研究の様子

サステナブル社会の実現に向けて

MOF触媒上での水素生成とCO2変換

 

研究指導教員の決定方法について

博士前期課程

研究指導教員の役割

  1. 研究指導教員は、学生の希望する研究課題、指導教員の専門分野、指導環境などを考慮して研究課題を決定し、主として研究指導を行う教員である。
  2. 研究指導教員は、研究指導に加え、学生の教育・研究に必要となる授業科目について、シラバスと履修モデルを参考にして個々の学生の指導を行う。
  3. 研究指導教員は、学生の希望に基づき学生ごとに1名以上を決定する。

研究指導教員の決定プロセス

応用化学分野における大学院博士前期課程入学者の研究指導教員の決定のプロセスは以下のとおりである。

  1. 志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。
  2. 入試時の面談及び、出願書類の志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」をもとに、応用化学分野教授会において研究指導教員または研究グループを決定する。指導を希望する教員または研究グループへの受入ができない場合、関連する研究分野の教員と学生が面談を行い、学生の希望を再度確認した上で研究指導教員または研究グループを決定する。
  3. 通常、入学までに研究指導教員または研究グループを決定し、分野長より本人に連絡する。
  4. なお、研究の進捗等に応じて、研究指導教員を変更することがある。

副研究指導教員制度

  1. 副研究指導教員は、研究指導教員と協力して学生の研究指導を補助的に行う応用化学分野に所属する教員である。
  2. 副研究指導教員は、上記に加え、研究指導教員の指導について、学生から相談を受けたり、学生にアドバイスを行う。
  3. 副研究指導教員は、学生の同意を得た上で、研究指導教員が1名以上を決定する。

研究指導計画

本分野の標準的な研究指導計画は、以下の1~7のとおりである。研究指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

1.研究計画の立案(1年次4月~7月)
  1. 学生は、決定した研究課題に関して先行研究の整理、仮説の設定を行い、研究指導教員とともに研究計画を立案する。
  2. 研究指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、研究方法・文献検索方法・文献読解方法などを指導する。
  3. 研究指導教員は、学生が記入し提出した研究指導計画書の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに記載し、学生と副研究指導教員に明示する。
  4. 研究指導教員は、研究指導計画書を分野長に提出する。
2.研究の遂行(1年次8月~2年次9月)
  1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、予備実験、調査などを行う。2年次では、決定した研究方法にて研究課題に取り組み、データ収集・解析等を行い、研究結果をまとめる。
  2. 研究指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験・調査等の手技の指導やデータ解析の指導等を行い、研究結果をまとめさせる。
  3. 副研究指導教員は、研究の進捗状況について随時確認し、研究の進捗状況に応じた指導を行う。
  4. 研究指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、2年次の初めに、研究指導計画を学生と副指導教員に明示する。
3.研究経過の中間報告(1年次8月~2年次11月の間に複数回開催)

研究指導教員と副研究指導教員は、学生の研究経過中間報告会を開催し、研究全体の構成の確認および進捗状況の確認を実施する。

4.修士論文の作成(2年次12月~2月中旬)
  1. 学生は、これまでの研究成果をもとに修士論文の作成を開始し、研究指導教員のもとで修士論文をまとめる。
  2. 研究指導教員は、修士論文の構成や図表の作成、文献の整理・引用等、論文のまとめ方を指導する。
5.修士論文の提出(2年次2月中旬)

学生は、2月の指定した期日までに修士論文を、応用化学分野教授会が決定した修士論文主査教員および副査教員に提出する。

6.修士論文内容の報告(2年次2月中旬)
  1. 学生は、応用化学分野主催の修士論文発表会において修士論文内容を報告する。
  2. 研究指導教員は、発表スライドの作成、プレゼンテーションの方法を指導する。
7.研究指導報告書の提出(2年次3月)

研究指導教員は、研究指導報告書を作成し、副研究指導教員が確認の後、期日までに分野長に提出する。

博士後期課程

研究指導教員の役割

  1. 研究指導教員は、学生の希望する研究課題、指導教員の専門分野、指導環境などを考慮して研究課題を決定し、主として研究指導を行う教員である。
  2. 研究指導教員は、研究指導に加え、学生の教育・研究に必要となる授業科目について、シラバスと履修モデルを参考にして個々の学生の指導を行う。
  3. 研究指導教員は、学生の希望に基づき学生ごとに1名以上を決定する。

研究指導教員の決定プロセス

応用化学分野における大学院博士後期課程入学者の研究指導教員の決定のプロセスは以下のとおりである。

  1. 志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の入学願書に「指導を希望する教員名」、志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。
  2. 入試時の面談及び出願書類の入学願書に記載の「指導を希望する教員名」および志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」をもとに、応用化学分野教授会において研究指導教員を決定する。
  3. 通常、入学までに研究指導教員を決定し、分野長より本人に連絡する。

副研究指導教員制度

  1. 副研究指導教員は、研究指導教員と協力して学生の研究指導を補助的に行う教員である。
  2. 副研究指導教員は、上記に加え、研究指導教員の指導について、学生から相談を受けたり、学生にアドバイスを行う。
  3. 副研究指導教員は、学生の同意を得た上で、研究指導教員が1名以上を決定する。

研究指導計画

本分野の標準的な研究指導計画は、以下の1~7のとおりである。研究指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

1.研究計画の立案(1年次4月~7月)
  1. 学生は、決定した研究課題に関して先行研究の整理、仮説の設定を行い、研究指導教員とともに研究計画を立案する。 
  2. 研究指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、研究の方向性を指導する。
  3. 研究指導教員は、学生が記入し提出した研究指導計画書の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに記載し、学生と副研究指導教員に明示する。
  4. 研究指導教員は、研究指導計画書を分野長に提出する。
2.研究の遂行(1年次8月~3年次9月)
  1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、予備実験、調査などを行う。2年次では、決定した研究方法にて研究課題に取り組み、データ収集・解析等を行い、研究結果をまとめる。3年次では、2年次までにまとめた成果を投稿論文として投稿する。
  2. 研究指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験・調査等の手技の指導やデータ解析の指導等を行い、研究結果をまとめさせる。
  3. 副研究指導教員は、研究の進捗状況について随時確認し、研究の進捗状況に応じた指導を行う。
  4. 研究指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、毎年度の初めに、研究指導計画を学生と副指導教員に明示する。
3.研究経過の中間報告(1年次8月~3年次9月の間に複数回開催)

研究指導教員および副研究指導教員は、学生の研究経過中間報告会を開催し、研究全体の構成の確認および進捗状況の確認を実施する。

4.博士論文の作成(3年次10月~12月)
  1. 学生は、これまでの研究成果をもとに博士論文の作成を開始し、研究指導教員のもとで博士論文をまとめる。
  2. 研究指導教員は、博士論文の構成や図表の作成、文献の整理・引用等、論文のまとめ方を指導する。
  3. 学生は、予備審査で、主査予定教員と副査予定教員から博士論文内容の評価を受け、指摘事項を修正する。
5.博士論文の提出(3年次1月上旬)

学生は、1月の指定した期日までに博士論文を提出する。

6.博士論文内容の報告(3年次1月~2月)

学生は、工学研究科教授会(運営委員会)で設置された学位論文審査委員会の主査教員と副査教員が出席する公聴会において博士論文内容を報告する。

7.研究指導報告書の提出(3年次3月)

研究指導教員は、研究指導報告書を作成し、副研究指導教員が確認の後、期日までに分野長に提出する。

卒業生の声

応用化学科で身につけた科学的思考力が研究の現場で役立っています。

大阪府立大学 大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 博士前期課程 修了 冨依 勇佑 さん
兵庫県・三田学園高校 出身
勤務先 AGC株式会社

現在、AGC株式会社でエレクトロニクス関連の機能性材料の研究開発業務に携わっています。応用化学科に在学中は、授業や学生実験などと並行してサークル活動やアルバイトなど、アクティブに過ごしていました。化学の基礎を習得すると同時に、課外活動を通して、人をまとめる力や意見を集約する能力なども身についたと思います。4年次からは、研究室で発光性有機分子に関する研究に取り組みました。先生の指導のもとで得た有機合成や物性評価・分析のスキル、科学的根拠に基づき目の前の現象を理解する経験は、現在の研究活動や様々な開発業務にも活かされています。化学に興味があり、最先端のテクノロジーを学びたい人は、応用化学科で学んでみてはいかがでしょうか。

冨依 勇佑さん

 

自分の希望次第で様々な分野の化学を学ぶことができます。

大阪府立大学 大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 博士後期課程を修了し博士号を取得 谷端 直人 さん
和歌山県立桐蔭高校 出身
勤務先 名古屋工業大学 助教

現在、名古屋工業大学で助教として全固体電池の研究をしています。応用化学科に入った理由は、身の回りの現象が化学でイメージできそうだと感じたからです。応用化学科では授業で化学の基礎を幅広く勉強しながら、環境部に所属して活動。エネルギー問題について、文系理系問わず様々なメンバーと考える機会がありました。4年次には、エネルギーに関連していることもあり、全固体電池の研究に取り組む無機化学研究グループを選択。研究室では、自分の裁量で研究方針を考え、ディスカッションしながら研究を進め、最終的に成果をアウトプットしていく経験ができました。応用化学科には、希望次第で様々な分野の化学を学べる雰囲気や環境があります。自由に化学を楽しみたい人におすすめです。

谷端 直人さん

 

主な就職先

旭化成/AGC/オムロン/大塚製薬/花王/カネカ/関西電力/キヤノン/京セラ/クラレ/神戸製鋼所/小林製薬/コーセー/資生堂/JSR/シャープ/住友化学/住友電工/積水化学工業/ダイキン工業/武田薬品工業/帝人/テルモ/東レ/トヨタ自動車/日産自動車/日東電工/日本触媒/ニプロ/パナソニック/P&G/日立製作所/ファンケル/堀場製作所/本田技研工業/三菱ケミカル/村田製作所/ローム/ユニチャーム/国家・地方公務員/国公私立大学教職員 ほか

ポリシー

アドミッション・ポリシー

博士前期課程

物質化学生命系専攻では、人と社会と自然に対する広い視野と深い知識を持ち、豊かな人間性、高い倫理観、高度の専門能力を兼ね備え、応用化学、化学工学、マテリアル工学、化学バイオ工学の4分野のうち何れかの分野における重要な課題を主体的に認識して問題の解決に努め、社会の発展、福祉の向上、および文化の創造に貢献できる技術者、研究者を育成することを理念とし、物質科学・化学・生命科学に関する教育研究を行う。

  1. 物質科学・化学・生命科学に関する技術者、研究者として社会に貢献しようとする意欲を持った者
  2. 物質科学・化学・生命科学に関する技術が人・社会・自然に及ぼす影響について、深く考えようとする姿勢と強い責任感を持った者
  3. 科学技術の著しい進歩に対して、主体的、積極的に新しい分野を切り拓こうとする姿勢と熱意を持った者
  4. 高い基礎学力と豊かな専門分野の基礎知識を持ち、自ら未知の問題解決のために立ち向かおうとする意欲のある者
  5. 異なる文化を理解し、多彩で国際的なコミュニケーションを図ろうとする意欲を持った者

 

以上に基づき、次の1~3の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学における理系の基礎的な科目および各専門分野の科目を幅広く学び、基礎学力および各専門分野の基本的な知識を身に付けていること
  2. 物質科学・化学・生命科学に関する専門分野における英文を読んで理解し、書いて表現するための基本的な能力を身に付けていること
  3. 物質科学・化学・生命科学に関する課題を見つけ、解決しようとする基本的な能力を身に付けていること

 

博士後期課程

物質化学生命系専攻では、人と社会と自然に対する広い視野と深い知識を持ち、豊かな人間性、高い倫理観、高度の専門能力を兼ね備え、応用化学、化学工学、マテリアル工学、化学バイオ工学の4分野のうち何れかの分野における重要な課題を主体的に認識して問題の解決に努め、社会の発展、福祉の向上、および文化の創造に貢献できる技術者、研究者を育成することを理念とし、物質科学・化学・生命科学に関する教育研究を行う。
このような理念のもと教育研究を行うにあたり、物質化学生命系専攻は次のような資質と能力、意欲を持った学生を求める。

  1. 物質科学・化学・生命科学に関する専門性の高い技術者、自立した研究者として社会に貢献しようとする意欲を持った者
  2. 科学技術が人・社会・自然に及ぼす影響について深く考えながら、物質科学・化学・生命科学に関する研究に取組む姿勢と強い責任感を持った者
  3. 科学技術の著しい進歩に対して、主体的、積極的に物質科学・化学・生命科学に関する新しい分野を切り拓こうとする姿勢と熱意を持った者
  4. 物質科学・化学・生命科学に関する深い専門知識と周辺分野の幅広い知識を持ち、問題の分析・総合・評価を行い、知識を体系化しようとする意欲のある者
  5. 国際的にも、研究成果を発信し、研究活動を行おうとする意欲を持った者

 

以上に基づき、次の1~3の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学および大学院博士前期課程における理系の基礎的な科目および物質科学・化学・生命科学に関する工学分野の科目を幅広くかつ深く学び、高い基礎学力および物質科学・化学・生命科学に関する豊かな知識を身に付けていること
  2. 物質科学・化学・生命科学に関する英文を読んで正確に理解するとともに、自らの研究成果を英文で論理的に表現し、発表するための能力を身に付けていること
  3. 物質科学・化学・生命科学に関する諸課題を見つけ、それらを体系的に整理するとともに、合理的に解決しようとする高度な能力を身に付けていること

 

ディプロマ・ポリシー

博士前期課程

物質化学生命系専攻応用化学分野では、工学研究科のディプロマ・ポリシー及び本分野の人材養成の方針のもと、以下の項目を学位授与のために身につけるべき能力とし、これらの能力を修得した者に修士(工学)の学位を授与する。

  1. 化学技術者として必要とされる、化学に関する高度な専門知識・技術を用いて研究課題を展開させる能力を身につけている。
  2. 物質の構造、反応、性質を原子・分子レベルで理解するために必要な化学の基礎知識を身につけている。
  3. 化学技術者として必要な日本語能力および英語能力を身につけている。
  4. 自ら遂行した研究の成果を論文にまとめるとともに、化学関連の学会・研究会等で発表・討論することができる。
  5. 化学が社会および自然におよぼす影響について把握でき、化学技術者として社会に貢献する使命感、高い倫理観のある判断力を身につけている。

 

博士後期課程

物質化学生命系専攻応用化学分野では、工学研究科のディプロマ・ポリシー及び本分野の人材養成の方針のもと、以下の項目を学位授与のために身につけるべき能力とし、これらの能力を修得した者に博士(工学)の学位を授与する。

  1. 化学に関する高度な専門知識・技術を用いて、化学技術者、研究者として、自立して研究課題を展開させ、自ら問題を設定し解決する能力とともに、科学技術の発展と革新を担うことができる高い創造性と研究能力を身につけている。
  2. 物質の構造、反応、性質を原子・分子レベルで理解するために必要な化学の専門知識を習得し、応用化学分野における研究・開発のための実践的能力と柔軟な思考力を身につけている。
  3. 化学技術者、研究者として高度な専門領域の議論に必要な日本語能力および英語能力を身につけ、学術論文や技術資料の調査、分析、理解することができる。
  4. 自ら遂行した研究の成果を論文にまとめるとともに、化学関連の国内外の学会・研究会等で発表・討論することができる。
  5. 化学だけでなく広く科学技術が、社会および自然におよぼす影響について把握でき、化学技術者、研究者として社会に貢献する使命感、高い倫理観のある判断力を身につけている。さらには、これらの能力と倫理観をもとにして、持続可能な社会の実現に貢献できる。

 

カリキュラム・ポリシー

博士前期課程

物質化学生命系専攻応用化学分野のディプロマ・ポリシーを踏まえ、以下のカリキュラムを編成する。

  1. 大学院共通教育科目、A群科目、B群科目により構成される、整合性・一貫性を持つ体系化された教育課程を編成する。
  2. 大学院共通教育科目の履修により、工学の研究者・技術者として必要な幅広い実用的な基礎知識を身につける。
    A群科目の履修により、演習や研究を通じて実用的な専門知識や課題の抽出・分析・評価能力などを身につける。B群科目の履修により、応用化学分野、化学工学分野、マテリアル工学分野、化学バイオ工学分野の幅広い専門知識を修得し、化学技術の変化に柔軟に対応できる力を身につける。
  3. 1年次では、A群科目の「物質化学生命系特別演習第1、第2」を配当し、学生の専門及び周辺分野についての調査・討論等を通じて化学技術者として必要な、問題を発見し、解決する能力ならびに日本語能力と英語能力を身につける。また、化学英語の運用能力を身につけるため、すべて英語で実施するB群科目の「応用化学特論1、3」を配当する。また、国際的な論文等で研究成果を公表する英語能力や、国際学会・研究会等において発表・討論する英語能力を身につけるため、大学院共通科目の「科学英語」、「Academic Writing」、「Academic Presentation」を配当する。また、化学が社会および自然に及ぼす影響を理解するために必要な基礎知識を身につけるため、大学院共通科目の「イノベーション創出型研究者養成」などを配当する。さらに、化学技術者として社会に貢献する使命感、高い倫理観のある判断力を身につけるため、大学院共通科目の「研究公正A」を配当する。
  4. 2年次では、A群科目の「物質化学生命系特別研究第1、第2」を配当し、化学技術者として必要とされる、化学に関する高度な専門知識・技術を用いて研究課題を解決する能力や展開させる能力、研究成果を論文にまとめる能力ならびに化学関連の学会・研究会等で発表・討論する能力を身につける。
  5. 1~2年次にかけて応用化学分野B群科目の「無機材料化学特論」、「反応物理化学特論」などの無機・物理化学系特論科目およびB群科目の「物性有機化学特論」、「高分子合成化学特論」などの有機・高分子化学系の特論科目を配当し、応用化学の多様な分野の深い知識を身につけるとともに、物質の構造、反応、性質を原子・分子レベルで理解するために必要な化学の基礎知識を身につける。

 

博士後期課程

物質化学生命系専攻応用化学分野のディプロマ・ポリシーを踏まえ、以下のカリキュラムを編成する。

  1. 物質の構造、反応、性質を原子・分子レベルで理解するためのより高度かつ最新の研究動向に基づいた専門知識を身につけるために、「物質化学生命系特別演習」を配当する。
  2. 応用化学分野の専門に関する高度かつ最新の研究に基づいて専門知識・技術を身につけるために、「物質・化学生命系特別演習」を配当する。
  3. 応用化学分野の専門に関する高度かつ最新の研究に基づく専門知識・技術を研究課題に展開することを通じて、自ら問題を設定し解決する能力とともに、科学技術の発展と革新を担うことができる高い創造的能力と高度の指導能力を身につけるために、「物質化学生命系特別研究」を配当する。
  4. 自立した研究者となるために必要な研究計画能力と総合評価能力を身につけるため、「物質化学生命系特別研究」を配当する。また、この過程を通して応用化学に関する専門的な課題についての研究能力と問題解決能力および化学関連の国内外の学会・研究会等で発表・討論できる能力を身につける。
  5. 化学だけでなく広く科学技術が、社会および自然に及ぼす影響を理解する能力を身につけるため、「イノベーション創出型研究者養成1―4」を配当する。また、「研究公正B」を配当し、講義やグループワークを通して化学技術者、研究者として社会に貢献する使命感、高い倫理観のある判断力を身につける。

 

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。