電子物理系専攻 電子物理工学分野

 

教育目的

電子物理系専攻(博士前期課程)では、今後の社会を支え、サステイナブルな社会の実現を加速するため、電子物理工学の発展を支える両輪となる電子物性と電子材料の高度な専門知識を有し、エレクトロニクス・デバイスの開発や技術の融合など高度な価値創造を行える能力を身に付け、新たな工学的価値を創成し得る能力を備えた人材を養成することを目的とする。

研究グループの構成と教員

電子物性コース(中百舌鳥キャンパス)

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
1.量子物性 教授 戸川 欣彦 スピンエレクトロニクス、磁性、超伝導、電子顕微鏡、電子線物理、電磁場応答の制御と操作
教授 宍戸 寛明 超伝導、超伝導ナノ構造体、結晶成長、強相関電子系
准教授 髙阪 勇輔 磁性、結晶成長、放射光、中性子散乱
2.半導体デバイス物理 教授 東脇 正高
半導体デバイス工学、半導体物理、酸化物・化合物半導体エレクトロニクス、パワーデバイス、高周波デバイス
教授 沈 用球 ナノ光物性、固体光物性、結晶成長、多元化合物半導体
准教授 堤 卓也 半導体デバイス工学、半導体製造プロセス、高周波デバイス、半導体物理、化合物半導体エレクトロニクス、ミリ波応用
3.有機半導体工学 准教授 小林 隆史 有機半導体工学、有機薄膜太陽電池、有機EL素子、デバイス物理
准教授 永瀬 隆 有機半導体工学、分子エレクトロニクス、ナノ電子物性、半導体物性、ナノ加工
4.ナノデバイス 教授 秋田 成司 ナノ固体物性、ナノ材料、ナノ電子物性
准教授 有江 隆之 低次元材料、フォノンエンジニアリング、フォノニック結晶、ナノ熱物性
准教授 余越 伸彦 ナノ光物性、ナノ構造半導体、量子情報理論
5.集積デバイス 教授 安藤 一郎

半導体スピンデバイス、スピントロニクス、スピン物性、トポロジカル物性、集積回路、集積デバイス

准教授 安田 雅昭 電子ビーム工学、半導体リソグラフィ、走査電子顕微鏡、ナノ計算科学
6.量子・光デバイス工学 教授 岡本 晃一 プラズモニクス、ナノフォトニクス、量子・光デバイス工学、レーザー応用
准教授 和田 健司 量子・光デバイス工学、レーザー応用、光・超音波計測
助教 松山 哲也 量子・光デバイス工学、半導体光物性、レーザー応用
7.機能デバイス物性 教授 藤村 紀文 磁性強誘電体、磁性半導体、スピントロニクスデバイス、ニューロモルフィック論理素子、ニューロモルフィックセンサー、機能融合型パワーデバイス
准教授 吉村 武 酸化物エレクトロニクス、機能半導体デバイス、強誘電体
8.非線形動力学・複雑系 教授 堀田 武彦 非線形動力学、カオス、ベイスン構造、確率共鳴
准教授 及川 典子 非線形物理、反応拡散系、ソフトマターの物理
助教 芳賀 大樹 非平衡統計力学、物性基礎論、非線形動力学
9.量子物理学 教授 魚住 孝幸 物性理論、強相関電子系、光物性
准教授 加藤 勝 物性理論、電子相関、遍歴電子の磁性、超伝導
准教授 播木 敦 強相関電子系、第一原理計算、X線分光理論
10.固体物性 教授 岩住 俊明 X線分光学、光誘起相転移
教授 三村 功次郎 光電子分光、X線分光、固体電子物性、強相関電子系
准教授 安齋 太陽 強相関電子系、電子状態、放射光
准教授 田口 幸広 正・逆光電子分光、固体表面電子分光、放射光、強相関電子系
11.シリコンフォトニクス 准教授 高橋 和 シリコンレーザー開発、フォトニック結晶、シリコンフォトニクス、半導体微細加工、顕微分光
12.表面界面物性 准教授 野内 亮 電界効果表面科学、ナノ界面制御、原子層デバイス、有機分子デバイス

 

電子材料コース(中百舌鳥キャンパス)

研究グループ 職名 氏名 主たる研究内容等
13.光機能工学 教授 金 大貴 半導体ナノ粒子、ナノ粒子秩序構造体、光物性、光機能
准教授 渋田 昌弘 機能性ナノ薄膜、超高速分光、電子物性、電子ダイナミクス
准教授 竹内 日出雄 半導体単結晶、エピタキシャル構造(含:超格子,多重量子井戸)およびナノ薄膜等における光物性の解明とその機能応用
講師 菜嶋 茂喜 超短光パルス技術、テラヘルツ分光技術開発、分光センシング応用
14.数理工学 教授 寺井 章 分子性固体、有機導体、非線型励起、ソリトン、ポーラロン、光学応答、電子状態制御、強相関電子系、計算物理学
准教授 杉田 歩 非平衡統計力学、量子カオス、量子情報
15.表面機能工学 教授 仕幸 英治 スピントロニクス、磁性体、金属、半導体、有機分子、薄膜、接合、多層膜
准教授 小林 中 表面電子物性、ナノスケール分析、電子・イオンビーム点源
准教授 福田 常男 固体表面電子物性、プローブ顕微鏡、機能デバイス、有機無機ハイブリッドデバイス
助教 田中 健司
16.パワーエレクトロニクス 教授 重川 直輝 太陽電池、パワーデバイス
准教授 梁 剣波 ダイヤモンド、半導体デバイスの放熱物性、異種材料接合界面物性、ナノ構造
准教授 武智 誠次 宇宙塵、放射線、粒子検出器
17.プラズマ工学 教授 白藤 立 プラズマ材料プロセス、プラズマ物理、プラズマ化学
教授 呉 準席 大気圧プラズマ材料プロセス,プラズマ計測,プラズマライフサイエンス
教授(クロスアポイントメント) 高岡 素子 食品機能性、美容、抗ストレス、発酵食品、おいしさの科学
講師 村治 雅文 電気を利用した生物の状態などの計測

 

研究トピック

新半導体材料・デバイスの創出
〜 社会変革をもたらす先端的電子デバイスの研究開発 〜

半導体デバイス物理研究グループ(東脇研究室)

 現在、世の中に存在するほぼ全てのエレクトロニクスは半導体デバイスによって支えられています。そのため、より高性能な半導体デバイスの創出が社会的に常に求められております。私達の研究室では、研究室主催者(東脇教授)が世界に先駆けて見出した、「酸化ガリウム」という新しい半導体を用いたトランジスタ、ダイオードの研究開発を行っています。酸化ガリウムの応用先は、世界的省エネ、脱炭素化への貢献が期待される電力変換用パワーデバイス、および既存の半導体デバイスでは長期安定利用が難しい高温、放射線下に代表される極限環境での情報通信・信号処理デバイスが挙げられます。現在酸化ガリウムは、次世代エレクトロニクスを担う期待の半導体新材料として、世界中の大学、企業、研究所で研究開発が活発化しています。
 東脇研究室では、酸化ガリウム薄膜エピタキシャル成長から、実際のデバイス作製・評価に至るまでを対象とした研究開発を、国内外の企業、研究所、大学と共同で実施しています。新半導体材料・デバイス研究開発で、自分の力を試してみたい/活躍してみたいと考える学生の皆様、共同研究を希望される企業の皆様、ご連絡お待ちしております。

ナノ光物性研究グループ(東脇研究室)

 

研究指導教員の決定と研究指導の方法

博士前期課程

研究指導教員の役割

研究課題について、個々の学生の能力に応じた課題の決定を行い、研究指導をおこなう。

希望調査について

志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。

研究指導教員の決定について

入試時の面談及び出願書類の志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」ならびに面談での質疑応答をもとに、分野内での合否予備判定会議において、一人以上の研究指導教員を決定する。

副指導教員制度

分野長ならびに副分野長が、直接の指導教員と協力し、進路指導や、研究内容以外の相談に応じる。

研究指導計画

各研究グループ内において、研究指導教員が中心となって研究計画を1年次当初に立案し研究指導計画書を作成する。

標準的な研究指導計画は、以下の1~5のとおりである。研究指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

研究の経過については、年2回の中間報告会を行い、研究の進捗と計画の見直しを適宜行い、必要に応じて研究計画報告書を作成する。修士論文の作成は、概ね2年次10月から取り組み、2月の指定した期日までに提出し、内容についての公聴会を実施する。

  1. 研究計画の立案(1年次4月~5月)
    1. 学生は、決定した研究課題に関して先行研究の整理、仮説の設定を行い、研究指導教員とともに研究計画を立案する。
    2. 研究指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、研究方法・文献検索方法・文献読解方法などを指導する。
    3. 研究指導教員は、学生が記入し提出した研究指導計画書の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに記載し、学生と副指導教員に明示する。
    4. 研究指導教員は、研究指導計画書を研究科教授会に提出し、承認を得る。
  2. 研究の遂行(1年次4月~2年次1月)
    1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、予備実験、調査などを行う。2年次では、決定した研究方法にて研究課題に取り組み、データ収集・解析等を行い、研究結果をまとめる。
    2. 研究指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験・調査等の手技の指導やデータ解析の指導等を行い、研究結果をまとめさせる。
    3. 研究指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、毎年度の初め、研究指導計画を学生と副指導教員に明示する。
    4. 研究指導教員及び研究科教授会は研究の進捗状況について、1年次1月と2年次7月に確認し、研究の進捗状況に応じた指導を行う。
  3. 研究経過の中間報告(2年次10月~11月)

    研究指導教員は、学生の研究経過を研究科教授会に報告する。

  1. 修士論文の作成(2年次10月~1月頃)
    1. 学生は中間報告までの研究成果をもとに修士論文の作成を開始し、研究指導教員のもとで修士論文をまとめる。
    2. 研究指導教員は、修士論文の構成や図表の作成、文献の整理・引用等、論文のまとめ方を指導する。
  2. 修士論文の提出(2年次2月)
    • 学生は修士論文を指定した期日までに提出する。
    • 研究指導教員は、学位論文審査委員会終了後、研究指導報告書を研究科教授会に提出し、承認を得る。

博士後期課程

研究指導教員の役割

博士論文の遂行にあたり、研究指指針の教示と、成果についての議論を深めることにより、自立した研究者としての能力を育て、評価する。

希望調査について

志願者は、募集要項の担当教員表等をもとに、事前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、出願書類の志望理由書に「入学後の研究希望内容」を記載する。

研究指導教員の決定について

入試時の面談及び出願書類の志望理由書に記載の「入学後の研究希望内容」ならびに面談での質疑応答をもとに、分野内での合否予備判定会議において研究指導教員を決定する。

研究指導教員の決定プロセス

大学院入学試験時に、これまでの研究成果と今後の研究計画を聴取する。これに基づき、入学後に本人の同意の上、一人以上の研究指導教員と研究課題を確認する。

副指導教員制度

分野長ならびに副分野長が、直接の指導教員と協力し、研究の方針に関する指導や、研究内容以外の相談に応じる。

研究指導計画

各研究グループ内において、研究指導教員が中心となって研究計画を年次当初に立案し研究指導計画書を作成する。

標準的な研究指導計画は、以下の1~4のとおりである。研究指導教員は学生の研究指導を行うにあたり、この研究指導計画を明示し、毎年度の初めに、学生の1年間の研究計画についての打合せを学生と十分に行った上で、以下に沿って、研究指導を行うものとする。学生の研究指導計画の詳細は、学生の研究計画を確認した上で作成し、明示する。

研究の進捗とその内容については、概ね年2回以上評価し、研究の進捗と計画の見直しを適宜行い、必要に応じて研究計画報告書を作成する。博士論文は、主査、副査に対して事前説明会を行い、指定した期日までに提出する。その後、公聴会を実施する。

  1. 研究計画の立案(1年次4月~5月)
    1. 学生は、決定した研究課題に関して先行研究の整理、仮説の設定を行い、研究指導教員とともに研究計画を立案する。
    2. 研究指導教員は、学生が研究計画を立案するに当たって、研究方法・文献検索方法・文献読解方法などを指導する。
    3. 研究指導教員は、学生が記入し提出した研究指導計画書の研究計画に基づき、課程修了までの研究指導計画を1年ごとに記載し、学生と副指導教員に明示する。
    4. 研究指導教員は、研究指導計画書を研究科教授会に提出し、承認を得る。
  2. 研究の遂行(1年次4月~3年次1月頃)
    1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、予備実験、調査などを行う。2, 3年次では、決定した研究方法にて研究課題に取り組み、データ収集・解析等を行い、研究結果をまとめる。
    2. 研究指導教員は、研究の進行を確認しつつ、実験・調査等の手技の指導やデータ解析の指導等を行い、研究結果をまとめさせる。
    3. 研究指導教員は、必要に応じて、研究指導計画の見直しを行い、毎年度の初め、研究指導計画を学生と副指導教員に明示する。
  3. 博士論文の作成(3年次10月~1月頃)
    1. 学生は研究成果をもとに博士論文の作成を開始し、指導教員のもとで博士論文をまとめる。
    2. 指導教員は、博士論文の構成や図表の作成、文献の整理・引用等、論文のまとめ方を指導する。
    3. 学生は、予備審査で、主査予定教員と副査予定教員から博士論文内容の評価を受け、指摘事項を修正する。
  4. 博士論文の提出(3年次2月)
    1. 学生は博士論文を指定した期日までに提出する。
    2. 学生は、工学研究科教授会(運営委員会)で設置された学位論文審査委員会の主査教員と副査教員が出席する公聴会において博士論文内容を報告する。
    3. 研究指導教員は、学位論文審査委員会終了後、研究指導報告書を研究科教授会に提出し、承認を得る。

在学生の声

次世代の光機能性材料の研究に没頭し、ビジネスコンテストでは最優秀賞も受賞。

大阪市立大学 大学院 工学研究科電子情報系専攻 後期博士課程 3年生 李太起 さん
大阪朝鮮高級学校 出身

学部時代は旅行サークルに所属し、東南アジアを中心に多くの国を旅しました。大学院に入ってからは研究に没頭。次世代の光機能性材料として期待されている半導体ナノ粒子について、論文作成や国際学会での発表を行いました。海外の専門誌に自分の論文が掲載されているのを見た時は、感慨深いものがありました。また、産官学に渡り活躍するグローバルリーダーを育てる教育プログラムにも参加し、一週間のアメリカでの研修等も体験しました。このプログラムでは異なる分野の学生4人とチームを組み、リアルタイムで水質汚染検査をするシステムを考案。ビジネスコンテストで提案し、最優秀賞を獲得できました。これらの貴重な経験を活かし、今後は企業の研究開発職で活躍したいです。

李太起さん

 

卒業生の声

就職活動を通じて需要の高まりを実感。今と未来を支える技術や知識が吸収できる学科です。

大阪市立大学 大学院 工学研究科 電子情報系専攻 前期博士課程 修了 東 志織 さん
大阪府立夕陽丘高校 出身
勤務先 ローム株式会社

プラズマ工学の研究室に所属し、プラズマを用いた材料合成を追究しました。韓国で行われた国際会議(HyMaP 2017)でExcellent Poster Awardを受賞できたのは、新たな事例報告であることに加え、学内での研究発表を重ねて明解な資料作成に努めた結果だと思います。友人づくりを目的に入ったフットサルサークルでも視野が広がり、充実した学生生活を過ごせました。就職活動が始まって驚いたのは、就職先の選択肢の多さです。私自身は、インターンシップに参加した電子部品メーカーから学校推薦で内定を獲得。技術者でありながら表に立って説明できる技術営業職に魅力を感じたことが決め手になりました。AIやIoTの活用にも、半導体をはじめ電子部品の技術進化は不可欠です。今後ますます需要が高まる学科だと思います。

東 志織さん

 

主な就職先

三菱電機/ソニー/川崎重工業/ダイキン工業/村田製作所/ローム/デンソー/トヨタ自動車/京セラドキュメントソリューションズ/パナソニック/本田技研工業/シャープ/キオクシア(東芝メモリ)/浜松ホトニクス/キヤノン/東京エレクトロン/日本電産/ブラザー工業/アルトナー/Wave Technology/関西電力/近鉄グループホールディングス/コニカミノルタ/島津製作所/住友電気工業/ダイヘン/日産自動車/日本ガイシ/阪急阪神ホールディングス/クボタ/ルネサスエレクトロニクス ほか

ポリシー

アドミッション・ポリシー

博士前期課程

現在、温室効果ガス排出削減、食料増産・ロス削減、地域間格差是正等のグローバルな課題を解決しつつ、経済発展を実現するための新たな技術基盤、産業基盤の構築が強く求められている。社会的課題の解決と経済発展を両立させ、持続可能な社会を実現するためにはエレクトロニクスの進歩が必要不可欠である。
電子物理系専攻は、電子物性、電子材料に関する高度な専門的知識に基づき、エレクトロニクスにおける研究開発を強力に推進し、その成果をグローバルに展開するとともに、持続可能な社会の実現に貢献できる技術者、研究者の養成を教育研究の理念とする。
このような教育研究の理念の達成・実現に向けて、電子物理系専攻では次のような資質と能力、意欲を持った学生を求める。

  1. 電子物理工学の技術者、研究者として社会に貢献しようという意欲のある人
  2. 様々な社会問題に関心を持ち、それらの解決のためにエレクトロニクスはどうあるべきかという高い問題意識、責任感を持つ人
  3. 数学や物理など数理系の基礎学力を備え、電子物性、電子材料への深い知識の習得に取り組む意欲のある人
  4. 課題を解決するために何が必要か、何をすればよいのか自ら考え、主体的に行動する資質を備えている人
  5. 異なる文化を理解し、多彩で国際的なコミュニケーションを図ろうとする意欲を持った人

 

以上に基づき、次の1~3の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学における数物系の基礎的な科目および電子物性、電子材料に関する専門科目を幅広く学び、基礎学力および各専門分野の基本的な知識を身に付けた人
  2. 電子物理工学に関する専門的な英文を読んで理解し、書いて表現するための基本的な能力を身に付けた人
  3. 電子物性、電子材料における課題を見つけ、解決しようとする基本的な能力を身に付けた人

 

博士後期課程

現在、温室効果ガス排出削減、食料増産・ロス削減、地域間格差是正等のグローバルな課題を解決しつつ、経済発展を実現するための新たな技術基盤、産業基盤の構築が強く求められている。社会的課題の解決と経済発展を両立させ、持続可能な社会を実現するためにはエレクトロニクスの進歩が必要不可欠である。
電子物理系専攻は、電子物性、電子材料に関する高度な専門的知識に基づき、エレクトロニクスにおける研究開発を強力に推進し、その成果をグローバルに展開するとともに、持続可能な社会の実現に貢献できる技術者、研究者の養成を教育研究の理念とする。
このような教育研究の理念の達成・実現に向けて、電子物理系専攻では次のような資質と能力、意欲を持った学生を求める。

  1. 電子物理工学に関する高度な専門性を備えた技術者、自立した研究者として社会に貢献しようという意欲のある人
  2. 電子物理系の技術と人・社会・自然とのかかわりについて主体的に深く考え、責任感を持って研究に取り組む姿勢を備えた人
  3. 電子物理工学の新領域を創造しようとする姿勢と熱意を持った人
  4. 電子物理工学の深い専門知識と幅広い周辺分野の基礎知識を持ち、問題の分析・総合・評価を行い、知識を体系化しようとする意欲のある人
  5. 技術者、研究者としてグローバルに活動することに強い意欲を持ち、必要となる基礎的なコミュニケーション能力を備えた人

 

以上に基づき、次の1~3の能力や適性を身に付けた学生を選抜する。

  1. 大学および大学院博士前期課程における理系の基礎的な科目および電子物理工学分野の科目を幅広くかつ深く学び、高い基礎学力および電子物理工学分野の豊かな知識を身に付けた人
  2. 電子物理工学分野における英文を読んで正確に理解するとともに、自らの研究成果を英文で論理的に表現し、発表するための能力を身に付けた人
  3. 電子物理工学における諸課題を見つけ、それらを体系的に整理するとともに、合理的に解決しようとする高度な能力を身に付けた人

 

ディプロマ・ポリシー

博士前期課程

電子物理系専攻では、工学研究科のディプロマ・ポリシーのもと、以下の項目を学位授与のために身に付けるべき能力とし、これらの能力を修得した者に修士(工学)の学位を授与する。

  1. (研究動向の把握) 修得した電子物理工学に関する高度な専門知識をもとに、当該分野の研究動向を把握することができる。
  2. (研究計画の立案・発信) 電子物理工学における所定の目標を実現するための研究計画を立案し発信することができる。
  3. (工学的価値の創成) 研究計画を実行することにより、電子物理工学における当該分野において新たな工学的価値を創成することができる。
  4. (国際的コミュニケーション能力) 高度なコミュニケーション能力を備え、国際的に活躍できる。
  5. (責任感・倫理性の自覚) 電子物理工学の技術者・研究者として社会的使命及び責任を自覚し、倫理に基づき行動できる。

 

博士後期課程

電子物理系専攻では、工学研究科のディプロマ・ポリシーのもと、以下の項目を学位授与のために身に付けるべき能力とし、これらの能力を修得した者に博士(工学)の学位を授与する。

  1. (工学的価値の定義) 修得した電子物理工学に関する極めて高度な専門知識をもとに、新たに創成するべき工学的価値を自ら定義し、実現のための計画を立案することができる。
  2. (新領域創成) 自立して研究活動を行い、その成果を総合評価し、新たな工学的価値を創成することにより、電子物理工学において先導的な新領域を創成することができる。
  3. (国際的コミュニケーション能力) 高度なコミュニケーション能力を備え、国際的に活躍できる。
  4. (責任感・倫理性の自覚) 電子物理工学の技術者・研究者として社会的使命及び責任を自覚し、倫理に基づき行動できる。

 

カリキュラム・ポリシー

博士前期課程

電子物理系専攻は、工学研究科のカリキュラム・ポリシーのもと、本専攻のディプロマ・ポリシーを達成するために以下の方針で博士前期課程のカリキュラムを構成する。

  1. 研究の基盤となる高度な専門知識を修得するために、コースごとに特論科目、特別講義科目を提供する(いずれも選択科目)。(高度な専門知識の修得)
    具体的には、電子物性コースにおいては、1年次において各教員による特論科目、電子物性特別講義を提供する。これら特論科目、特別講義は電子物性コース専門科目/B群科目に分類される。
    電子材料コースにおいては、1年次において、各教員による特論科目、特別講義科目を提供する。これら特論科目、特別講義科目は電子材料コース専門科目/B群科目に分類される。
  2. 電子物理工学における研究動向を把握する能力、それに基づき研究計画を立案・発信する能力を身につけるために、コースごとに特別演習科目を提供する(必修科目)。(研究動向の把握、研究計画の立案・発信)
    具体的には、電子物性コースにおいては、1年次前期に、電子物理系特別演習第1(電子物性)、1年次後期に電子物理系特別演習第2(電子物性)を提供する。これら特別演習科目は電子物性コース専門科目/A群科目に分類される。
    電子材料コースにおいては、1年次前期に電子物理系特別演習第1(電子材料)、1年次後期に電子物理系特別演習第2(電子材料)を提供する。特別演習(電子材料1)を1年次前期に提供する。特別演習(電子材料2)を1年次後期において提供する。これら特別演習科目は電子材料コース専門科目/A群科目に分類される。
  3. 電子物理工学における研究計画を実行し、新たな工学的価値を創成する能力を身につけるために、以下の科目を提供する。研究者倫理に関する高度な知識を身につけるために、研究倫理に関する専攻共通の大学院共通教育科目として研究公正Aを提供する(1年次、必修科目)。更にコースごとに特別研究科目を提供する(必修科目)。(工学的価値の創成、責任感・倫理性の自覚)
    具体的には、電子物性コースにおいては、2年次前期に電子物理系特別研究第1(電子物性)を提供する。2年次後期に電子物理系特別研究第2(電子物性)を提供する。これら特別研究科目は電子物性コースA群科目に分類される。
    電子材料コースにおいては、2年次前期に電子物理系特別研究第1(電子材料)を提供する。2年次後期に電子物理系特別研究第2(電子材料)を提供する。これら特別研究科目は電子材料コース専門科目/A群科目に分類される。
  4. 日本語および英語によるコミュニケーション能力を身に付けるために、専攻共通の大学院共通教育科目として科学英語、Academic Writing、Academic Presentationを提供する(選択科目)。また、各コースA群科目の特別演習、特別研究において教員や他学生とグループワークやディスカッションを行う。(国際的コミュニケーション能力)

 

博士後期課程

電子物理系専攻は、工学研究科のカリキュラム・ポリシーのもと、本専攻のディプロマ・ポリシーを達成するために以下の方針で博士後期課程のカリキュラムを構成する。

  1. 電子物理工学における工学的価値を自ら定義し、実現のための計画を立案する能力を身につけるために、以下の科目を提供する、(工学的価値の定義、計画立案)
    研究計画立案時に必要となる研究者倫理に関する高度な知識を身につけるために、専攻共通の大学院共通教育科目として、研究公正Bを提供する(1年次、必修科目)。(責任感・倫理性の自覚)
    新たに創成するべき工学的価値を自ら定義し、実現のための計画を立案する能力を身につけるために、電子物性コースにおいて専門科目/A群科目として電子物理系特別演習(電子物性)を、電子材料コースにおいて専門科目/A群科目として電子物理系特別演習(電子材料)を、それぞれ提供する(1年次前期、必修)。
  2. 自立した研究活動により新たな工学的価値を創成し、先導的な新領域を創成する能力を身につけるために、電子物性コースにおいて専門科目/A群科目として電子物理系特別研究(電子物性)を、電子材料コースにおいて専門科目/A群科目として電子物理系特別研究(電子材料)を、それぞれ提供する(1年次後期、必修)。(新領域の創成)
  3. 日本語および英語による高度なコミュニケーション能力を身に付けるために、各コースA群科目の特別演習、特別研究において教員や他学生とグループワークやディスカッションを積極的に行う。(国際的コミュニケーション能力)

 

各科目の学修成果は、定期試験、中間試験、レポート、発表等の平常点等で評価することとし、その評価方法の詳細については、授業内容の詳細とあわせてシラバスに記載する。