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2024年1月18日

  • 研究関連

光通信波長帯域における巨大光ダイオード効果の発見に関する論文がPhys. Rev. Lett.に掲載されました。注目論文として、Editors' SuggestionとFeatured in Physicsの両方に選定されています。プレスリリース記事もご覧ください。

一部の磁性体では、光の進む向きを反転させると透過率(吸収係数)が変化します。この現象は、電流を一方向に流す電気回路部品「ダイオード」になぞらえて光ダイオード効果と呼ばれ、一方向にのみ光を透過させる光アイソレータなどへの応用が期待されます。従来の光アイソレータは複数の部品を組み合わせた複雑な構造でできています。一方、光ダイオード効果は物質単体で発現する現象のため、この効果を高めることができれば、素子のコンパクト化や光強度ロスの低減が期待できます。しかし、応用上重要な光通信波長帯域でこれまでに観測された光ダイオード効果は、効果の小ささや、効果増幅のために強い外部磁界を加える必要があるという問題を抱えています。本研究では、LiNiPO4という磁性体において、光の進む向きを変えると吸収係数が2倍以上も変化する巨大な光ダイオード効果を観測しました。この効果の発現に外部磁場は不要です。さらに、光ダイオード効果の極性を外部磁場でスイッチさせることにも成功しました。本研究は、東京大学の木村剛教授との共同研究です。

論文:https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.132.036901
プレスリリース:https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-09909.html
海外リリース:https://www.omu.ac.jp/en/info/research-news/entry-44158.html