SSSRCだより
2021年2月25日
SSSRCだより 2021年3月号
衛星運用に向けて
こんにちは,衛星プロジェクト所属で学部3年の沈彗央です.私は通信系に所属しており,現在は衛星との通信を実現するために地上局開発の一員として取り組んでいます.2021年2月21日に当センターの衛星「ひろがり」は宇宙に打ちあがり,その打つ上げの様子を見守りながら,運用に向けての練習や地上局の完成に対して一層励まなければと思いました. さて,今年に入り運用練習や運用計画の策定が始まり,多くの人がコマンド送信や受信処理の操作の練習を行う機会が増えました.そのため,地上局アンテナや無線機が多くの人に触れられる機会も増えたので,ただ使えるだけではなく機器の操作をより簡易なものにすることが求められるようになってきました.操作手順を簡単にすることは,ヒューマンエラーを防ぐことも可能となるため,通信可能時間の短い低軌道衛星運用では必須となります.衛星が可視範囲に存在するのは1度のパスで多くとも約10分程度であるため,ミスをすると1つのパスを丸々無駄にすることもあり得ます.もちろん,このようなことが起こらないために運用練習で個人の練度を高めることが重要となってきますが,無線設備を扱う通信系としてはできるだけ,前述したように機器の操作を簡単にすることで対応していきたいと考えております. 私は人工衛星「ひろがり」の開発には途中からの参加であったのですが,卒業された先輩方や試験,開発に惜しみのない協力をしていただいた方々のおかげでいよいよ衛星を運用する段階まで至ることができました.開発に携わっていただいた方々に良いご連絡ができるよう運用に向けての準備に励みたいと思います.
地上局アンテナ
地上局設備の一部
航空宇宙工学課程 学部3年 沈彗央
新規人工衛星製作Project始動!
こんにちは。学部 2回生の水戸拓朗です。先日、SSSRCでは超小型人工衛星“ひろがり”に続く新しい人工衛星の製作プロジェクトがスタートしました。それに伴い、この度、私が新しいプロジェクトのプロジェクトマネージャーを担うことになりました。また、私を含めた4人でプロジェクトを引っ張っていくチームを結成し、プロジェクトを主導してまいります。 私は、このプロジェクトを進めるにあたり、次の3つのことを実践します。まず、今までに私たちが制作した人工衛星の経験を整理し、そのノウハウを生かした衛星システムの改良とその継承です。次に、これまでの組織構造における反省を踏まえ、よりメンバーが団結でき、より自由に活動ことができる組織構造の改編。最後に、プロジェクトが効率的でよりレベルの高い開発になるよう新しい開発システムを導入することです。これらを実現し、今までのこの団体における技術・経験を継承し、メンバー全員がより活躍できる環境を整えてまいります。 現在、私たちは新しい衛星のミッションの検討を行っています。また、新しい衛星のミッションのテーマを“挑戦的なミッションであること”と“今(大学生)だからできること”の2つに決定しました。これらのテーマを基に、具体的なミッションを決定していく予定です。 このプロジェクトはまだ始まったばかりです。私たちの誇りになり、多くの人に親しまれ影響を与えることができる人工衛星を創りたいと思います。 最後になりましたが、私達が活動に専念することができるのは、皆様のご支援、ご鞭撻あってのことです。改めて感謝申し上げます。また、”ひろがり”の運用を成功させるとともに、“ひろがり”を超える人工衛星を創れるよう、これからもメンバーが一致団結し、精進してまいります。今後とも私達の活動をよろしくお願いいたします。
プロジェクトのキックオフ会議にて
(注:OPUSAT-Ⅲは便宜上の名称であり、正式名称は決定しておりません)
航空宇宙工学課程 学部2年 水戸 拓朗
気球試験終了、プロジェクト配属を迎えて
はじめまして、学部一年の浅井です。SSSRCだよりの執筆は初めてなので、少し張り切って書いています。 さて、私たち一年生は、この一年間、新入生教育の一環として、CanSatプロジェクトに取り組んできました。SSSRCに入所するまではこういった活動に縁のなかった人がほとんどということで、皆非常に苦労をしながら、それでも必死になって開発をしてきました。そして去る12月20日、その集大成として、製作したCanSatを気球に搭載し、空中から放出する「気球試験」がついに行われたのです。 私が所属していたC班では、「買い物代行によるコロナ禍での外出自粛支援」というミッションを設定し、試験に臨んだのですが、結論から言うとあまりうまくはいきませんでした。プロジェクト開始当初から、とにかく早く形にして、ブラッシュアップしていくことを目指してはいたものの、原因が判然としないトラブルに幾度となく見舞われ、ただでさえ遅延していたスケジュールが崩壊したかたちです…(簡単に言えば)。やはりそう容易くはいきませんね。ただ、三度行った放出の最後では、着地後にパラシュートを切り離して数秒走行したのち、搭載したディスプレイに支払い用のQRコードなどを表示する、というところまで達成でき、先輩方から拍手をしていただけました!完全な形ではなかったですが、それまでの努力が報われたようで、とても達成感を感じました。 CanSatプロジェクトを終えたばかりの私たちは、もちろんまだまだ未熟ですが、このプロジェクトを通して、衛星・ロケット開発者としての基礎を習得できたように感じています。 そしてつい先日、とうとう一年生はプロジェクト配属を迎え、人工衛星の開発に携わるのか、ロケットの開発に携わるのかを決断しました。私は、自分が関心を持っている分野にピタリとはまっていたことから後者を選びましたが、他の皆も自分なりに考えて決めたはずです。未熟とはいえ、これからはもう新入生ではありません。各プロジェクトの一員として、直面した課題に向き合いながら、さらなる高みを目指して挑み続けなければならないのです。 先輩方と一緒に優れた開発成果を上げて、このSSSRCだよりを読んでくださっている皆様に良い報告ができるよう、一年生一同努力を重ねていく所存ですので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
気球から放出されるCanSat
機械系学類 学部1年 浅井拓人