SSSRCだより
2024年12月1日
SSSRCだより2024年12月号
SSSRCにおける広報活動について
皆さまこんにちは.初めての執筆となりますM2の大西です.
私は現在広報委員としてアウトリーチ活動などを中心に企画・運営をしていますので,そのことについてご紹介させていただければと思います.
私が関わらせていただいた活動は主に2種類に分かれます.1つは学会などでの講演や展示です.例年大阪公立大学なかもずキャンパスで行われている七夕講演会での講演に加えて,今年は2018年以来6年ぶりに東京ビッグサイトで開催された国際航空宇宙展にもポスターと超小型人工衛星「ひろがり」の模型,小型ハイブリッドロケット「東雲」を展示させていただき,航空宇宙産業に携わる企業の方々とお話しすることができました.
もう一つは子供たちや地域の方々との交流活動(アウトリーチ活動)です.これまでは主に高校生を対象にしていた活動を,今年はより多くの子供たちに宇宙の楽しさを知ってもらうため,未来の博士育成ラボラトリーでのワークショップや堺市立ビッグバンでの工作教室などを通して未就学児から中学生との交流の機会を多くすることができました.また,愛知県の小学校とオンラインでつなぎ,宇宙についての授業やクイズを行なうなど,交流の範囲を広げることができたと考えています.
直近では12/7に大阪公立大学なかもずキャンパスで開催予定の第14回仲良しクリスマス会(主催:ボランティア・市民活動センターV-station)に出展させていただく予定です.また,来年以降も白鷺祭への出展や堺市立ビッグバンでのワークショップ,宇宙に興味を持つ高校生との交流を継続させていただく予定ですので,私たちSSSRCの活動と宇宙の面白さを知る機会にしていただけますと嬉しく思います.
堺市立ビッグバンでのワークショップ(2024年8月)
航空宇宙工学分野 修士2年 大西深月
ミッション系、電源系での業務
こんにちは。衛星プロジェクトの電源系とミッション系に所属している、学部3年の山田和人です.
今回は,ミッション系と電源系での最近の活動をご紹介します.当センターが開発中の次号機 OMUT-III では,「格子投影法による膜構造物の計測」をミッションとしています.格子投影法とは,計測対象物に格子パターンを投影し,その画像を撮影して、形状を画素ごとの座標として解析する画像計測法です.
現在,ミッション系では以下の3つを大きなタスクとしています.
- 格子投影法実験
- 膜面のシミュレーション解析
- bobcとmobc間の通信試験
私は主に「格子投影法実験」と「bobc-mobc通信試験」を担当しています.bobc は衛星全体を制御するメインコンピュータで,mobc はミッション用の機器を動かす専用コンピュータです.bobc と mobc の通信試験では,以下の一連の動作をブレッドボード上で検証しています.
- bobcからmobc側のカメラを起動する
- mobcで画像を撮影する
- 撮影した画像データをbobcに送信する
現在,「mobcで画像を撮影する」部分まで試験が完了しており,次のステップとして,画像データをbobcに送信する作業に取り組んでいます.
試験の様子
一方,電源系では,個人タスクとしてcdh系からの依頼を受けて試験用基板の作成を行っています.これを通じて,基板設計から発注までの一連の作業を経験し,スキルを磨いていきたいです.
プリント基板作成の様子
今後も衛星開発に携わりながら,さらに多くの技術や知識を吸収し,成長していきたいと思います.
最後までお読みいただき、ありがとうございました.
電気電子システム工学科 3年 山田和人
太陽センサ開発
初めまして,衛星プロジェクト姿勢系に所属しておりますB2の浅田と申します.今回は,私が主に担当している太陽センサの開発についてお話ししたいと思います.
太陽センサとは何かを一言で申しますと,太陽光によって衛星の姿勢検知をすることができるセンサです.仕組みとしてはセンサに入射した太陽光の角度によって変化するセンサ内の一部分の起電力を測定することで太陽光の入射角度を検知して衛星の姿勢を決定できます.太陽センサは主に地球の日照部でしか利用できませんが,低い消費電力で高い精度の姿勢計測を行うことができます.太陽センサで光を検出する素子の候補はフォトダイオードとPSD素子の2種類を検討しております.2つの素子は検出方法が違うので,それぞれの動作特性を取る試験の結果を見て選定する素子を決定しようと考えております.
PSD素子(S5990)
太陽センサの進捗は,フォトダイオードとPSD素子両方の動作確認を完了し,現在はセンサの具体的な特性を取るための試験,センサの治具製作、回路製作を行っています.私は主に太陽センサの回路作成を担当しています.回路によるセンサの精度担保等わからない点がたくさんありますが,多くの仲間や先生にお力添えいただきながら作業を進めております.これからも開発に励んでまいりますので今後の太陽センサの開発報告をご期待ください!
太陽センサの特性を取る試験の様子
電子物理工学科 2年 浅田健雄