教育

都市学科の教育について以下の項目で説明します。
カリキュラム・ポリシー

都市学科では、都市固有の歴史と文化を継承・発展させつつ、環境への負荷を低減し、人間活動と自然環境が調和した、豊かでかつ災害などの外的インパクトにも強く柔軟に対応できる、安全・安心で機能的な都市、すなわち「持続可能な都市」の実現に資する人材を育成するために必要な科目を配置します。

1〜2年次

総合教養科目、初年次教育科目、情報リテラシー科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目の履修により、幅広い教養と技術者倫理、外国語能力を身につけ、あわせて基幹教育科目・基礎教育科目(理数系分野)の履修により数学・自然科学分野の基礎力を身につけます。それとともに初年次から専門科目の基礎として都市学入門や都市工学のための科学基礎を始めとする導入科目を配置し、専門教育の下地を養うとともに専門教育へのモチベーションを高めます。

2~3年次

都市計画1、都市環境学、構造力学1を始めとする専門教育科目  (必修科目及び選択科目A、選択科目B)の履修により、「持続可能な都市」に関わる基本的専門力ならびに専門知識に基づいた論理的思考力を身につけます。また、基礎教育科目(理数系分野)及び都市学実験や都市計画・デザイン演習,スマートシティ創生演習などの専門教育科目の実験・演習科目の履修により調査・実験を計画・遂行・分析する能力を身につけます。

4年次

卒業研究を始めとして、環境計画演習、防災計画演習などの総合的な専門教育科目の演習科目の履修により、提案能力や表現力、コミュニケーション能力、問題解決能力、自主的・継続学習能力を身につけます。

都市における様々な課題に関心を持ち、多様な意見を取り入れながら自主的に問題解決案を提案できる人を育成するため、学外で実施する見学や学内で実施する実験、演習、卒業研究などの科目を重視します。少人数グループによる学生主体の活動を支援できるように、実験、演習を各学年に確保し、習得した専門基礎力を段階的に応用できるように、科目間につながりを持たせます。

提供科目の流れ
提供科目の流れ

提供科目の流れ (100.7KB)

特色ある学習環境

都市学科は歴史も古く、大型の実験施設を始めとする研究施設もそろっています。都市学実験ではこれらの施設を利用した実験を体験できます。

一例

水理実験場(大型2次元造波水槽 100×3×3m,波・流れ共存水槽50×2.5×1.5m,中型2次元造波水槽50×1.0×1.5m,多目的平面水槽26×25×1.2m,その他20m小規模水槽など)

大型構造物実験システム(1000 kN,500kN,100kN材料強度・疲労試験機,3次元振動シミュレーターなど)

都市リサイクル工学・化学分析室(ICP発光分析装置,高速液体クロマトグラフィー,蛍光X線分析装置,イオンクロマトグラフィー,全有機炭素計)

環境水域工学・生物化学分析

授業をのぞいてみよう

都市学科での学びをイメージするために、幾つかの講義の様子を見てみましょう。

  例えば、「プログラミング演習」では初めてプログラミングを学ぶ人に向けた文法(ルール)の説明から始まり、 都市学に関係するようなテーマを例題としてプログラミングの応用方法を学びます。その中には数学の知識を必要とするものもあります。 一年次に学ぶ「都市工学のための科学基礎」と連動した内容になっているので、復習も兼ねています。 市販されているプログラミングの教科書はたくさんあります。プログラミングのテクニックだけを身につけるなら、 それらの教科書で自習することも可能です。ですが、実際の応用先について考えるには十分ではないでしょう。 この講義では具体的な課題について考える時間、受講生同士で教えあう時間、数名の教員とTAに質問する時間を重視しています。 これまでにプログラミングを学んだことのある人にとっても、数学とのつながりや、都市学への応用方法を考える楽しさがあると思います。

授業の様子
プログラミングの基礎から始まって、毎週の演習の中でどんどん難しい問題も解けるようになっていきます。
できるだけ興味関心の高いトピックスや、数理的に面白い題材を選んで問題を作成しています。
 「都市工学のための力学基礎」では構造力学・土質力学・流体力学の3つの分野にわたる力学について導入部分が扱われます。ここで学んだ内容は、その後の「構造力学」「土質力学」「水理学」や、さらにその発展的科目である「コンクリート構造設計論」「鋼構造設計論」「地盤基礎工学」「河海工学」にもつながっていきます。
 基礎的な科目では古典的な理論部分を扱うことが多く、今学んでいることがどのように実現象と結びつくのか?と疑問に思うこともあるでしょう。講義の中ではできるだけ演習問題もおりまぜながら、「何が身に付いたのか」を確認できるプロセスを設けています。
都市工学のための力学基礎の問題例
河海工学の問題例

Youtubeでの講義補助教材の掲示例(測量実習)

ディプロマ・ポリシー

都市学科では、所定の単位を修得することにより以下の能力を身につけた学生に、学士(工学)の学位を授与します。

  1. 人文・社会科学分野の幅広い基礎学力を習得し、技術者の備えるべき社会に対する責任感と倫理観に基づいて行動できる。また、国際的コミュニケーションの基礎能力を活用できる。(幅広い教養と技術者倫理、外国語能力の習得)
  2. 持続可能都市の実現に向けた工学的・技術的な取り組みに不可欠な数学・自然科学分野の基礎学力を活用できる。(数学・自然科学分野の習得)
  3. 都市の計画とデザイン、環境の保全と再生、および都市基盤整備と防災に関わる基本的専門力を活用できる。(基本的専門力の習得)
  4. 持続可能都市を実現するための工学的専門知識を身につけ、論理的思考に基づいて応用できる。(専門知識に基づいた論理的思考力の習得)
  5. 都市の現状と課題を正しく評価するための調査や実験を計画・遂行し、得られた結果を専門的知識と結び付けて正確に分析することができる。(調査・実験を計画・遂行・分析する能力の習得)
  6. 地域や社会のニーズをくみ取り、習得した知識や技術を用いて、持続可能都市の実現に向けた具体的な提案をまとめることができる。(提案能力の習得)
  7. 都市に関わる諸問題の解決へ至る一連のプロセスと解決策の提案を論理的に記述できる。また、適切にこれらを口頭で他者に伝え、質疑応答ができる。(表現力とコミュニケーション能力の習得)
  8. 持続可能都市の実現に向けた課題を,自主的に認識・提起し、継続的な学習によって工学的に解決できる。(問題解決能力、自主的・継続学習能力の習得)