概要

理 念
~時代とともに変化する理想都市の実現を目指す~
社会経済情勢、環境問題、災害対策、国際化などにより、都市のあるべき姿は常に変化してきました。都市固有の歴史と文化を継承・発展させつつ、 環境への負荷を低減し、人間活動と自然環境が調和した、豊かでかつ災害などの外的インパクトにも強く柔軟に対応できる、安全・安心で機能的な都市、 すなわち「持続可能な都市」の実現が強く求められています。
このような持続可能都市の実現には、

都市の機能と構造を理解するための基礎科学力

これからの都市に求められる様々な要素を見極めるための多様な知識

科学的根拠を基に都市が抱える課題を読み解く力

説得力のある解決策を提案する力

解決策を実現するためのコミュニケーション能力と順応性

これらを有するプランナーとエンジニアの養成が重要です。

都市学科では「持続的可能な都市」の実現に資する人材を養成します。
教育・研究の対象
都市学科の教育・研究は、私たちが暮らす都市のあらゆるものが対象です。
道路や橋梁、鉄道、港湾、上下水道、堤防、ダム、水処理、ごみ処理、発電、公園といった都市のインフラ施設の構築や維持管理技術や方策に関わっています。 また、資源のリサイクルや生態系機能の評価と保全、省エネルギーと熱環境評価といった都市規模の負荷が生み出す環境問題も扱っています。
様々な機能が集まった都市が成長する過程で発生する渋滞や乱開発の問題、文化的・美観的な価値についても研究しています。 さらには多層的な機能がつながる都市を効率的に管理して新しい可能性を見出すために、GISなどのマッピング技術やビッグデータ解析といった研究も様々な テーマと連携して取り組んでいます。

学科紹介動画(準備中)

都市学科の研究
~時代とともに変化する理想都市の実現を目指す~
都市学科には10の研究分野があり、各分野における高い研究成果が教育現場にも直接フィードバックされています。 4年次には、これらの中から専門性を極めたい研究分野に所属し、大学院生や研究者と交流しながら課題に取り組みます。
都市デザイン ~機能的で美しい都市づくり~
都市基盤計画
            
(左)視覚障碍者の外出支援ツール「盲導ロボット犬」(学内での実験スナップ)(右)信号交差点における動画解析手法を用いた安全性評価
都市のさまざまな社会基盤施設の計画とその評価に関わる研究分野です。持続可能な都市の実現に向けて、人の交通行動、都市交通システム、都市基盤施設の設計・計画・運用、安全で快適な公共空間の形成に関する研究に取り組んでいます。
キーワード:都市基盤計画、交通工学、交通計画
都市計画
橋の上でのオープンカフェを実施した社会実験
都市は建物や道路などで構成される空間はもちろん、住民、事業者、行政と多くの主体の営みがあります。 人や空間、仕組みの関係を整理し、生態学・経済学・地理学・行政学などの幅広い分野と連携して、 人々がいきいきと暮らすことができる魅力的な都市・地域の計画・デザインの研究を行っています。
キーワード:都市計画、地域計画、都市再生、都市マネジメント、景観デザイン、コミュニティデザイン
空間情報学
標高測量点から作成したハノイ市(ベトナム)の高精度DEM(下)のGISによる3次元可視化例
自然災害や環境変化に強い持続可能都市を実現するためにさまざまな空間情報をGIS(地理情報システム)やリモートセンシングなどの空間情報技術を用いて都市を多面的に分析します。 都市を地下の地質・地盤から地形、さらにはその上の環境や人間活動圏を含めた3次元空間として捉え、 それらの空間情報を収集・解析・可視化し、都市の空間計画や基盤計画につなげていく研究をおこないます。
キーワード:空間情報、GIS(地理情報システム)、空間データ分析、リモートセンシング、画像処理
環境創生 ~持続型環境都市の創出~
地域環境計画
(左)夏季クールスポットでの被験者実験の様子(右)ビニールハウス内環境計測の様子
地域環境計画研究グループでは、熱とエネルギー利用に関わる研究・教育を担っており、都市における屋外空間の熱的快適性の向上や、脱炭素化社会を実現するための効率的なエネルギー利用技術の確立を目指しています。研究グループを構成している教員は教授・西岡真稔と、教授・鍋島美奈子の2名であり、西岡は都市の熱環境に関わる伝熱理論や都市・建築の再生可能エネルギー利用技術を専門とし、また鍋島は都市の微気象の調査や空間解析、建物群の熱融通システムを専門としています。
キーワード:空調設備、給湯設備、エネルギー需要、熱供給、ヒートアイランド、GIS
都市リサイクル工学
(左)濾過作業中の学生(右)汚水計量槽での採水
持続可能な都市を実現するためには,都市生活を維持するための廃棄物・資源と生活や事業のための水の循環システムを確立することが必要です。当研究室は,都市の廃棄物・水の循環から都市環境を考える,をコンセプトに,都市における資源循環と化学物質の挙動評価に関する教育研究を行っています。
キーワード:資源循環、循環型社会、水処理、廃棄物、リサイクル、化学物質、安全性評価
環境水域工学
 
豊かな暮らしと社会・経済活動は多様な生態系により支えられています。環境水域工学研究グループでは、沿岸域の生態系の仕組みと機能を数理モデル化、フィールドワーク、環境データ解析により解き明かし、都市沿岸域の目指す将来像を探求しています。
キーワード:生態系、水質の健全性、生物の豊饒性、気候変動の緩和
構造およびコンクリート工学
鋼とコンクリートから成る複合道路橋
コンクリートを中心とした各種構造物の力学特性を明らかにし、様々な実構造物への適用を目指しています。そのために、 様々な実験やコンピューターによる数値解析を通じて、構造物の変形や破壊メカニズムの解明を行っています。 
キーワード:鋼・コンクリート複合構造、接合部、維持管理、コンクリート構造・材料、耐震、補強、補修、長寿命化
応用構造工学
建築中の橋の様子
水都大阪には八百八橋と称されるほど多くの橋があります。本分野では、主に新しい橋の設計・建設、 さらにはこれまでに建設された多様な橋の維持管理に必要とされる技術を、模型実験やシミュレーションを駆使して研究しています。 
キーワード:橋梁工学、接合構造、既設鋼橋の補修・補強法、耐震設計、維持管理システム、橋梁環境、座屈
地盤工学
(左)プラスチックボードドレーンによる圧密促進(夢洲)(右)液状化によるマンホールの浮上
土、岩、水からなる地盤の工学的諸問題を扱う学問と技術の分野です。どんな素晴らしい構造物も支える地盤が安定していないと構造物は存続できません。 地盤の性状を把握することは必須です。砂地盤の液状化問題、粘土地盤の沈下問題、斜面安定問題、地下水・地盤環境問題などを研究しています。  地盤工学研究室へのリンク(準備中)
キーワード:地盤材料の強度・変形特性、地盤の安定問題、圧密、地盤調査、地盤改良、遠心模型実験、液状化、地下水・地盤環境、地盤情報データベース
河海工学
(左)石垣島の津波石・台風石(右)ルツェルンの架け替え水制
都市の成り立ちは海や河川、湖などの水辺と深く結びついています。水辺は漁場や娯楽などの場を提供し、波浪エネルギーの緩和・自然浄化・気候調節などの機能もあります。 一方、水災害リスクも高く、防災機能の整備が必要です。これらを適切に評価し、合理的な都市のあり方を研究しています。
キーワード:波と流れ、波力発電、台風、高潮、高波、津波、砂浜、気候変動、海岸・河川構造物、防災システム