研究科長挨拶

研究科長挨拶

情報学の知見を持続可能な社会の創造に

研究科長 宮本 貴朗

研究科長 宮本

 

地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たすような開発が行われている社会(持続可能な社会)の創造のためには、Society 5.0で挙げられているような情報通信の要素技術の更なる高度化はもとより、それら要素技術を組み合わせることにより、全体として最適な問題解決につなげるための「システム化能力」が必要となります。また、問題解決により新たに生み出される社会課題についての理解が必要であり、情報通信技術のみならず、高度なヒューマンコンピュータインターフェース技術の開発や技術革新に対応する人間の心理状態の分析など、要素間の相互作用を理解し、社会全体の変化を予測し、単なる技術・知識を越えた新しい知見を得ることのできる「システム的思考力」も不可欠です。

情報学は、あらゆる学問分野から創造される「情報」を主体的に捉え、「情報」を学問として体系づけるとともに、情報学そのものの発展のみならず、「情報」を核としてあらゆる学問分野の融合による新たな学際的分野を生み出す学問です。

情報学研究科は、「情報」に関わる真理・原理を探求する「情報科学」と、「情報」を扱う技術の確立を目指した「情報工学」を中心とした「基幹情報学」と、一方、自然科学のみならず人文・社会科学への応用・展開を中心とした「学際情報学」としています。基幹情報学と学際情報学からなる「情報学」を新たな「知の創造」の基礎として「情報」に関わる広い研究領域において、未知の課題の根源を把握するに足る情報を生成、収集、伝送、蓄積し、それらの情報を多面的に解析し、そこから新たな知見を獲得する能力、得られた知見から決定された意志や行動を社会に働きかける仕組みや方法を立案するシステム的思考力、さらには、自然科学及び人文・社会科学の広い範囲において学際・領域横断的教育・研究・開発が推進できるような、卓越した知のプロフェッショナルを養成します。