Chaper11 人権問題への取り組み

人権侵害をされたとき、知ったとき

 差別やセクシュアル・ハラスメントなど、あなたの人権が侵害されたり、身近で人権侵害を知ったときには、ただちに大学の相談窓口に知らせて下さい。人権侵害に対する窓口として各学部には、人権問題委員が置かれています。また、大学の考え方や具体的な対応の手順、ガイドラインなどの資料も添付しましたので参考にして下さい。

1 差別落書きを見つけたとき、誰かの差別発言を聞いたとき

 残念なことですが、本学の構内でも、差別落書きや差別文書が発見されており、また差別的言辞を耳にすることも皆無ではありません。たとえば、1997年から15回にわたって個人を攻撃する差別落書きがトイレに書かれるという卑劣な事件も起こっています。あるいは、数年前には、学生が職員を差別的な言辞によって攻撃するという事件もありました。長年人権問題の解決に向けて努力してきた本学においても、いまだ人権侵害の土壌が残っているという現実を認めざるをえません。それゆえ私たちには、いまでも差別などの人権侵害が身近なところにあるということを認識し、このような現状を克服していく不断の努力が求められているのです。
 差別落書きや差別発言を見過ごすことは、差別を助長し、拡大することにつながります。それゆえ、差別落書きなどが見つかった場合にはそれをきちんと記録しておく必要があります。皆さんが差別落書きなどを大学構内で見つけた場合にはそれを消したり、放置したりせず、ただちに本学の教員あるいは職員に連絡してください。また、可能な限り、確認や記録に立ち会うなど協力をして下さい。その根絶に向けての対策を講じていきます。
 また、差別発言を耳にしたときは、それを見逃さず、勇気をもってその場で発言者に注意を喚起してください。もしもその発言が意識的で悪質な場合は、これも教員あるいは職員に連絡してください。

2 ハラスメントの被害にあったとき、友人から相談されたとき

〈ハラスメントの防止〉
 2024年度に新たに承認された大阪公立大学人権宣言には、「本学及びその構成員は、教育・研究・労働等の場において、暴力・ハラスメントを行わず、認めない」ことが謳われています。差別、嫌がらせのない教育・研究環境、職場環境を整備し、誰もが自由に学究し、生き生きと働くことができるキャンパスをつくるためにも、本学では、2019(平成31)年に定められた「公立大学法人大阪ハラスメントの防止に関する規程」(規程第192号)に基づいて、セクシュアル・ハラスメントを含むハラスメントの防止等に取り組んできました。2024年4月には、ハラスメント相談室が設置され、相談体制の充実に取り組んでいるところです。

〈ハラスメントの類型〉
 公立大学法人大阪ハラスメントの防止に関する規程(以下、防止規定)第3条では、ハラスメントとは、「セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント及び妊娠・出産・育児・介護等及びそれらに関わる休業等に関するハラスメントの総称」と規定されています。

〈ハラスメントの相談窓口〉
 ハラスメントの相談窓口としては、学内教職員ハラスメント相談員制度を設けています。相談員の一覧や連絡先は、下記をご参照ください。
 匿名による相談も受け付けていますが、匿名の相談への対応には限界があることをご理解ください。(匿名であっても)相談を継続するには連絡先が必要であり、具体的に相談や対応を進めるには(専攻や環境によって状況が異なるため)所属等の情報が必要となることもあります。自分一人で相談に行きにくい時は、友人などに付き添いをしてもらっても構いません。どのような解決方法があるかについて相談員にたずねることもできます。

相談手続き・流れ
 相談の申し込みは、相談者が、相談員一覧から任意に相談員を選び、相談者から相談員へメール等で直接コンタクトします。所属する学部学科に関わりなく、どの相談員に相談しても構いません。相談員は原則として複数人(基本は2人体制)で相談を受けます(なお、相談員の業務繁忙等で対応できない場合もあり、その際は別の相談員へご相談いただくこともあります)。
 相談員は相談者のプライバシーを守り、相談内容については、秘密を厳守し、相談に訪れたことによって不利益を受けることがないよう配慮し、問題を適切かつ迅速に解決するよう努めます。相談員は相談者の主張や要望を聞きながら、本人の意思を尊重しつつ、問題解決に向けた対応をハラスメント相談室とともに検討します。相談者の了承のもと、関係する部局等へ連絡を行うことがあるとともに、問題対応を進めるにあたり、調整委員会へ相談を付託することができます。

調整委員会による調整
 調整委員会は相談内容を精査し、話し合い等で解決できるよう調整に努める一方、必要に応じてハラスメント調査委員会へ付託することができます。また調整委員会は、ハラスメント行為が認定されていない状態でも、相談者の要請をベースに関係部局長(例えば研究科長)等へ状況の緩和等を目的にした調整依頼を行うことがあります。なお調整委員会は、防止規程のハラスメント定義に照ら
し、相談内容が明らかに定義に当たらないと判断するときは、その理由を相談者に告げたうえで、相談を終了することがあります。

調査委員会による調査
 外部弁護士を含む委員によって組織されます。ハラスメントの事実関係の調査や被害者への救済措置、加害者への措置への提言を行います。事実確認に当たっては、防止規程により教職員・学生等は調査への協力が義務づけられており、それをもとに実施されます。調査開始および調査結果は、当事者、当事者の所属する部局の長、学長や理事長等に報告されます。

調査結果の取り扱い
 ハラスメントがあったとされた部局の長は、調査報告や提言を尊重し、2次被害の防止に努めることや再発防止策を実施します。なお、ハラスメントがあったと認定される前でも2次被害の防止に努めることとされています。理事長は、ハラスメント行為があり、処分または環境の改善を行う必要があると認められた場合は、処分手続きを進めるなど必要な措置を講じます。

 ハラスメント相談員がハラスメントに直面する相談者(ハラスメントかどうかはわからないが安心して学ぶ、または働くことができずに悩んでいる方)とともに解決の道筋を考えます。一人で悩まないで、ハラスメント相談員に相談してみましょう。

問い合わせ先:
 ハラスメント相談窓口事務担当 公立大学法人大阪コンプライアンス推進室
(本相談窓口事務担当では、相談以外のご質問などを下記のメールアドレスで受け付けいたします。こちらではハラスメント相談対応は行っておりません。個別の相談は、下記の相談リストから相談員を選択し、直接ご連絡ください。)
Email:gr-jinj-harassment[at]omu.ac.jp ※[at]を@に変更してください。

ハラスメント相談員名簿と連絡先:
● 学生ポータル(UNIPA)≫学生Navi≫ハラスメント防止・人権関連
● ポータル≫各種案内>コンプライアンス推進室≫ハラスメント相談室≫相談員名簿
参考:

3 公正な採用選考を受けるために

 日本国憲法および国際人権規約に規定されているように、職業選択の自由とその機会均等は侵すことのできない基本的人権です。
 国や都道府県、大学では、求人企業・団体に対し、採用選考は、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力のみを基準として行うこと、応募者に広く門戸を開くことを求めています。
 例えば、「本人に責任のない事項(注1)」や「本来、自由であるべき事項(注2)」を質問することは、直接採否決定の判断基準としないつもりでも、把握すれば結果として採否決定に影響を与えてしまい、就職差別につながる恐れがあり、公正な採用選考に反することになります。
 これは、面接での質問だけでなく、会社独自の履歴書やエントリーシート、アンケートなどで、記載項目とすることも含まれます。
(注1)本人に責任のない事項とは…
   ・国籍・本籍・出生地に関すること
   ・家族に関すること
(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
   ・住宅状況に関すること
(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
   ・ 生活環境・家庭環境などに関すること
(注2) 本来、自由であるべき事項とは…
   ・宗教に関すること
   ・支持政党に関すること
   ・人生観・生活信条などに関すること
   ・尊敬する人物に関すること
   ・思想・信条に関すること
   ・ 労働組合・学生運動など社会運動に関すること
   ・ 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

 また、男女のいずれかを排除することや優先すること、男女で異なる求人情報を提供することなども、公正な採用選考に反します(男女雇用機会均等法)。
 例えば、結婚・出産後も働くことの意志や恋人・結婚予定の有無を質問することや、セクシュアルハラスメント発言、「男性のみ」「女性のみ」の募集や男女別の採用予定人数の設定、男女別の会社説明会の開催などは、性別を理由とする差別につながります。

 大学では「大阪府内大学等就職問題連絡協議会」に加盟し、府内の大学と連携して、次の取り組みを進めています。
   ・ 学生向け啓発文書「公正な採用選考を受けるために」の配布
   ・ 企業向け依頼文書 「大学卒業予定者の公正な採用選考について」の周知
   ・ 企業・団体からの求人情報のチェック
   ・ 学生からの報告による差別事象の調査

 就職活動を進めていく中で、企業の面接などで「公正な採用選考に反する」事案にあった場合は、学生課キャリア支援室に相談に来てください。差別かどうか迷う場合も一人で悩まないで、担当者に相談してください(杉本キャンパス06-6605- 2 1 0 4、中百舌鳥キャンパス072- 254- 9119)。また、就職活動中に公正な採用選考に反すると思うことがあれば「就職差別等についての報告書」を提出してください。報告書の提出があった際には、本人に不利益が及ばないよう十分に配慮したうえで、大学側が行政機関(大阪府及び大阪労働局)と連携して、直接、求人会社や団体に改善を要請します。