法学部での学び

法学部での学び

――密度の高い教育を通じて、複雑化する社会で活躍する力を育む

法学部は、社会科学的な素養と法的思考(リーガル・マインド)を備えた、人権感覚豊かな現代の民主主義社会の担い手となりうる人材の育成を教育理念としています。法学・政治学各分野を幅広く学び、複雑に変化する現代社会に自らの考えを持って立ち向かう力を育みます。

 

研究熱心な教員集団による充実した少人数教育

法学部では、研究者として優れていることが良い教育者であることの必要条件であると考え、優れた研究者を教員として採用することに努めてきました。法学部で学ぶことの魅力の1つは、少人数教育を通じて、研究水準の高い教員集団との密度の高い交流の機会が得られることにあります。

人権感覚豊かな現代の民主主義社会の担い手を養成

現代社会の動きを分析し、将来の動向を的確に予測するために必要な「社会科学の素養」と、多様な人々が共生する社会で現実に即した解決方法を導くための「リーガル・マインド」の両方を身につけます。

 

4年間の流れ

3つの履修コース

キャリアデザインを見据えた3つの履修コース

法学部では、学生の将来設計(キャリアデザイン)を見据えて3つの履修コースを設けています。弁護士や裁判官などの法曹を目指す人が法律科目を中心として学ぶ「司法コース」、公務員志望の人などが法律科目とともに行政関係科目を学んで政策立案能力を身につける「行政コース」、グローバルな世界で活躍する企業人やマスコミをめざす人が法律科目、行政科目、国際関係科目を広く学ぶ「企業・国際コース」です。全コース共通の基本科目を学んだのち、それぞれの将来設計に応じた専門的科目を体系的に履修することができます。どのコースに属するかは、2年次に進級するときに学生が自分で選択し、決定します。

司法コース

将来の法曹をめざしてロースクール進学を希望する者や裁判所職員、司法書士などをめざす者が、伝統的な法律科目の修得を通じて法的思考力を養い、法律実務の基礎となる能力を育成する。

行政コース

国家・地方公務員などをめざす者が、伝統的な法律科目を修得するとともに、政治、行政学関連科目の履修を通じて政策立案能力を育成する。

企業・国際コース

民間企業やジャーナリストをめざす者が、法律科目だけでなく、政治学や国際関係法などの幅広い社会科学的知識を習得することにより、社会的感覚と現実的な政策マインドを育成する。

 

 

※上記のどのコースからでも、最短5年で法科大学院を早期修了し、司法試験を受験することができる「法曹養成プログラム」に申請することができます。
また、4年次生が大学院(法学政治学専攻)の科目を先行履修することにより、最短1年で博士前期課程を修了することもできます。

大学院との接続――法・政治のスペシャリストを目指す

大阪公立大学は、法学部で学んだことを更に深めるために、大学院法学研究科も設置しています。大学院法学研究科には、法曹(裁判官・検察官・弁護士)の養成を目的とする法曹養成専攻(法科大学院)と、研究者(大学教員)や高度職業人(高度な専門知識を有する公務員等)の育成を目的とする法学政治学専攻があります。
このような大学院への進学を促進するために、法学部には、次のような特色あるプログラムがあります。

早期卒業制度(下記モデルケース①参照)

早期卒業制度とは、一定の条件を満たす者が3年の在学期間で卒業できる制度です。
この制度を利用することによって、法曹養成プログラムに登録して早期に法曹となることを目指したり、法学部在学年数3年で大学院に進学することを目指したりすることができます。

法曹養成プログラム(下記モデルケース①参照)

法曹養成プログラムとは、法学部と法科大学院(大学院法学研究科法曹養成専攻)とが連携して一貫的に法律家を養成するために法学部に設置された課程(コース)です。
法曹養成プログラムを修了した学生は、大阪公立大学の法科大学院の特別選抜入試を受けることができます。
さらに、法曹養成プログラムを修了した学生が大阪公立大学の法科大学院に進学する場合には、法学部在学中に取得した一定の科目の単位が法科大学院における既修得単位として認められます。

大学院科目の先行履修制度(下記モデルケース②参照)

ある一定の履修条件を満たした法学部の学生は、大学院法学研究科法学政治学専攻が開講する科目の一部を、法学部在学中に先取りして履修することができます。
この制度の下で修得した単位は、法学部の修得単位には算入されませんが、当該学生が大学院法学研究科法学政治学専攻に進学した場合には、当該専攻における既修得単位として認められます。
この制度を活用することによって、最短1年で大学院法学研究科法学政治学専攻の博士前期課程を修了することができます。

 

 

モデルケース画像2

専門科目の紹介

法学部では、実力ある教授陣が少人数教育の伝統のもと、充実した専門科目を提供しています。

3年次生以上に提供される「専門演習」(ゼミ)および「演習論文」では、皆さんの自主的な選択によって、教員との信頼関係を築きながらより深い内容を学ぶことになります。ここでの学習の成果を顕彰する一環として、「学生論文コンクール」が開催されており、毎年優れた論文が発表されています。

また、1年次生には法学および政治学の入門科目「法学入門」および「政治学概論」が、2年次生からは「法政2年次演習」および「外国語演習(英語・ドイツ語・フランス語・中国語)」が提供されており、これらを通じて早い段階から法学・政治学の素養を習得することができます。

 

基礎法学部門
法哲学/法社会学/日本法制史/日本近代法制史/東洋法制史/西洋法制史/ローマ法

公法部門
憲法1/憲法2/行政法1/行政法2/租税法/刑法第1部(総論)/刑法第2部(各論)/刑事訴訟法/刑事政策

私法部門
民法第1部(総則)/民法第2部(物権)/民法第3部(債権総論)/民法第4部(債権各論)/民法第5部(親族・相続)/商法第1部(総則・商行為)/商法第2部(会社)/商法第3部(手形)/金融商品取引法/民事訴訟法/民事執行・保全法/倒産法

社会法部門
労働法/社会保障法/経済法/知的財産法

国際関係法・外国法部門
国際法/国際組織法/国際経済法/国際私法/英米法/ドイツ法/フランス法/アジア法(中国法)

政治・行政学部門
政治学/比較政治学/政治過程論/政治学史/日本政治外交史/欧州政治外交史/国際政治/行政学/公共政策論/政治学特論

共通部門他
法学入門/法曹実務入門/政治学概論/法学政治学計量分析/法曹発展科目/法政2年次演習/専門演習/専門特別演習/演習論文/外国語演習(英語)/外国語演習(ドイツ語)/外国語演習(フランス語)/外国語演習(中国語)

法学部の教員

法学部では、研究者として優れていることが良い教育者であることの必要条件であると考え、優れた研究者を教員として採用することに努めてきました。現在では、全国的に見ても研究者としての水準が極めて高い教員集団を擁する学部となっています。
法学部で学ぶことの魅力の1つは、少人数教育を通じて、このように充実した教員集団との密度の高い交流の機会が得られることにあります。

取得可能な資格

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)

    無料法律相談所

    大阪公立大学無料法律相談所には、本学法学部の多くの学生が所属しており、本学法学部の教員を顧問として、毎週1回、学生が市民の皆さんからの法律相談に応じています。この活動は、法律を勉強する学生が法律問題の現実を知るとともに地域社会に貢献することを目的に、1951年秋に当時の学生グループの提案で開始されたもので、70年をこえる伝統を誇ります。
    春と秋には、学外でも法律相談を実施しています。また、この無料法律相談所からは多くの法曹を輩出しています。