お知らせ
2023年2月15日
- 研究
- 学生活動
- お知らせ
居住環境学科 小牧美結さんの卒業研究が学術誌Sustainabilityに掲載されました。
研究の概要
新型コロナウイルス感染症の流行により、都心部は突如として、住みにくい環境となりました。それにより、都心部から都市圏周辺地域への移住者が増加する、アーバンエクソダス(Urban Exodus)という現象が世界中で発生しました。しかし、なぜ、コロナ禍において、アーバンエクソダスが発生したのでしょうか?また、実際に移住した世帯は、どのような世帯だったのでしょうか?
その問いを解明するために、本研究は、日本の大都市圏におけるコロナ禍のアーバンエクソダスに関して、世帯に応じた居住地選択を分析しました。その方法として、2020年4月から2022年3月に、関東・関西圏の政令指定都市から同都市圏の他の自治体へ移住した人(593名)を対象に、Webアンケート調査を行いました。
その結果、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、都心部から都市圏周辺地域に移住した世帯は、「長子が小学生以上の子持ち世帯」であることを解明しました。また、この世帯は、新型コロナウイルス感染症の蔓延だけでなく、子供の進学や親の介護に懸念を抱いたことを契機に移住していたことを解明しました。そして、この世帯の特徴として、居住地を選択する際に、仕事場へのアクセスよりも、移住先の地域性(地域社会とのつながり)や周辺環境(子育て環境の良さ)、住宅環境(広い庭やバルコニー)を重視していたことを解明しました。そして最後に、長子が小学生以上の子持ち世帯が実際に利用していた移住支援は、地域性を体験できる「お試し居住支援」の他、子育て支援や介護支援であったことを解明しました。
小牧美結さんの研究成果は、ポスト・パンデミックに向けた都市計画分野のEvidence Based Policyに向けた重要な研究成果として高い評価を受けて、2023年2月10日付で、国際学術誌Sustainability(IF=3.889)に、掲載されました。
掲載学術情報誌について
雑誌名: Sustainability, Vo. 15, Issue 4, No. 3315 (2023) ※ IF=3.889
論文名: Why Did Urban Exodus Occur during the COVID-19 Pandemic from the Perspective of Residential Preference of Each Type of Household? Case of Japanese Metropolitan Areas
著者: Miyu Komaki, Haruka Kato*, Daisuke Matsushita * Corresponding author
該当するSDGs