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2024年11月20日

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居住環境学分野 修士1回生 神野隼平さんの卒業設計研究の論文が学術誌Sustainabilityに掲載されました。

研究の概要

新型コロナウイルス感染症が大流行する以前、世界中の観光都市で、オーバーツーリズムによる観光ジェントリフィケーションが都市問題になっていました。その中、世界中で大流行した新型コロナウイルス感染症は、宿泊施設の多くを、廃業に追い込みました。そこで、本研究は、京都市歴史的中心エリア(上京区、下京区、中京区)を対象に、新型コロナウイルス感染症流行期において、宿泊施設の廃業が、近隣地域の世帯数に与えた影響を、統計的に分析しました。さらに、その原因について、市場に流通している不動産から推定しました。

その結果、京都市歴史的中心エリアにおいて、新型コロナウイルス感染症流行期に、簡易宿所の23%が廃業しましたことが分かりました。そして、その簡易宿所の廃業は、世帯数の増加に寄与していたことを解明しました。その原因について、廃業した簡易宿所が、賃貸共同住宅に転用される傾向にあったことが分かりました。しかし、その賃貸共同住宅は、居住面積が小さいという課題も判明しました。本研究の結果は、京都市歴史的中心エリアにおいて、世帯数の増加が、簡易宿所の廃業による住宅転用に起因していた可能性を示しており、持続可能な観光の実現に向けた手がかりを示唆しています。

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■掲載誌情報 雑誌名:Sustainability, Vo. 16, Issue 22, No. 9992 (2024) ※ Q1(Geography, Planning and Development)

 論文名:Increase in Households Triggered by Accommodation Closure Due to the COVID-19 Pandemic in the Historical Center of Kyoto City

 著者:Shunpei Kamino and Haruka Kato

 掲載URL:https://doi.org/10.3390/su16229992

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