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2025年1月8日

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土井俊央講師ら研究グループ:若者がレトロ製品の利用において感じる魅力の要因を調査

<ポイント>

・若者がこれまで利用経験のないレトロな製品の利用に対して魅力を感じる要因を分析
・UXカーブによる仮説抽出のための調査(調査1)およびウェブアンケート調査結果の因子分析(調査2)によって5つの魅力因子を示唆

<概要>
近年、若者の間でレトロブームが起きています。レトロ製品に魅力を感じる若者は、過去にこれらの製品の利用経験があるわけではなく、懐かしさからくる魅力を感じているわけではないと考えられます。この研究では、過去に利用経験がほとんどない若者がレトロな製品に対して魅力を感じる要因を多面的に明らかにするために、混合研究法のアプローチを採用しました。まず、定性調査(調査1)を実施し、UXカーブ法とKJ法を用いてレトロな製品を利用する際のユーザー体験を分析することで、仮説要因を検討しました。次に、調査1で導出した仮説の枠組みに基づいて定量調査としてウェブアンケート(調査2)を実施し、魅力要因の検証を行いました。ウェブアンケート調査から得られたデータに対して因子分析を行い、5因子モデルを提案しました。5つの因子は、「ワクワク感」、「手間による魅力」、「本能的な魅力」、「不便さによる魅力」、「新奇性」でした。また重回帰分析によって、これらの5因子が総合的なレトロな魅力度合いに及ぼす影響を検討したところ、「手間による魅力」と「本能的な魅力」の影響が大きいことが示唆されました。

<資金情報>

本研究はJSPS科研費(22K18140)の支援を受けました。

<掲載誌情報>

雑誌名:International Journal of Industrial Ergonomics
論文名:Attractiveness factors of the use of retro products to young people: A mixed-method approach with user experience analysis
著者:Toshihisa Doi, Minori Murata, Aoi Nagata
DOI: https://doi.org/10.1016/j.ergon.2025.103695

該当するSDGs

  • SDGs09
  • SDGs12