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2025年2月5日
- 研究
- 一般向け
骨粗鬆症患者の食生活の質と健康に関わる生活の質(QOL)の関連性についての論文がGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。
骨粗鬆症は、骨の密度や質が低下した骨折の危険性が高まった状態です。骨粗鬆症により足の付け根の骨(大腿骨近位部)を骨折することで、寝たきりの原因になり、自立した生活を送ることが難しくなります。現在日本には推定で1590万人の骨粗鬆症患者がいるとされ、早期発見と予防・治療が重要視されています。また、骨粗鬆症患者は、骨だけが弱るだけでなく、身体面・精神面・社会面での虚弱状態(フレイル)になりやすく、栄養状態が低下している患者が多いことも知られており、骨密度や骨質だけに注目した治療だけでなく、患者の総合的な治療が必要とされます。
食事には、エネルギーや栄養素を摂取するための生物学的な意義と、食の楽しみ、文化、社会交流などの側面もあります。食生活を楽しんだり充足させることが健康上重要であることは感覚的に知られていますが、その医学的意義は十分に検証されていません。
今回、骨粗鬆症の治療のために通院している患者532名を対象とした調査により、➀食生活の楽しみ、➁充足感、➂多様性、④環境の4点を評価できる食事関連QOLに着目し、栄養素摂取量、フレイル、健康関連QOLの関連性を検証しました。結果の詳細については下記大学プレスリリースにおいて報告していますので、ご確認下さい。
Diet-related quality of life may directly and indirectly affect health-related quality of life through protein intake and frailty in patients with osteoporosis: Results from a prospective cohort study
【掲載雑誌】
Geriatrics & Gerontology International
【論文掲載サイトへのリンク】
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.15067
【大学プレスリリース記事へのリンク】