人間行動学専攻

人間行動学専攻について

本専攻は、人間と社会および文化の関係を、とくに社会問題、教育問題や文化摩擦など現代都市の社会が抱える諸問題を視野に入れて、総合的、学際的に捉えるような教育研究を行なうものです。その際に、フィールドワークや実験という行動科学の方法論を基礎に、実証的なデータに基づく人間行動や社会現象の分析と理解や理論化を重視します。人間行動に関する実証的な研究方法を修得させることによって、現実の社会やその中で生活する人間を客観的に観察する目を養い、大学、研究所等の研究職のみならず、教育、福祉、情報産業、官公庁における高度な専門的知識と技術をもった専門家として活躍できる人材を養成します。専攻内には、学問分野と研究方法に応じて、社会学、心理学、教育学、地理学の各専門分野を設けます。

専修紹介

 

社会学専修について

人間行動学専攻について

特色・内容

社会学専修は、人間と社会の相関関係を分析する高度な社会学的専門知識を学ぶことにより、研究者としての資質の向上とともに、高度専門職業人として社会で活躍しうる人材の育成を目指しています。
現在、社会学専修の院生は、それぞれテーマを選んで研讃に励んでいます。就職先としては、博士後期課程の院生は、大学・研究機関の教育・研究職など。博士前期課程の卒業生は、後期課程への進学以外に、一般職、公務員、教諭、NPO団体などに就職する人も増えています。多くの留学生が含まれていることも、社会学専修の特徴となっています。院生は、日本社会学会、関西社会学会、日本メディア学会などを中心に研究発表しています。

カリキュラムの概要

本学の社会学専修は、創立以来、家族社会学や文化社会学などの基礎理論研究、都市社会学をはじめとする実証的研究の双方をバランス良く推進してきました。このために、講義と演習によって理論と方法の両面から課題にアプローチする実践的なカリキュラムが編成されています。2010年度より、社会学専修の科目を履修することにより、一般社団法人「社会調査協会」の認定資格「専門社会調査士」が取得できるようになりました。
社会学専修の大学院生は、講義科目・演習科目を中心とした履修科目によって学ぶだけでなく、自分自身の研究テーマを深めるさまざまな機会を提供されています。修士論文や博士論文を準備するための研究発表は、院生と教員が全員参加して実施される必須科目です。また、文学部専門科目「社会学実習」のティーチング・アシスタント(TA)をはじめ、その他の講義科目のTAとして、教育実践に参加しながら研修を積む機会が与えられています。

社会学専修の刊行物

オンラインジャーナル『市大社会学』

社会学教室では、大学院生の研究発表の媒体として、2000年より査読付き論文誌を発行しています。これまで多くの院生が、全国学会誌・専門学会誌に投稿する前のトレーニングの機会として活用し、研究のステップアップにつなげています。

※大阪市立大学時の創刊のため『市大社会学』という名称を使用しています。

社会学専修の関連リンク

 

心理学専修について

心理学専修について

特色・内容

本学文学研究科には、博士前期課程(入学定員4名以内)、博士後期課程(入学定員2名以内)に、心理学専修が開設されています。心理学専修では、実験心理学を基礎とした「行動・生理」、「認知・発達」、「社会・文化」の専門分野の教育・研究指導を通して、基礎心理学分野における研究者の養成とともに、現代社会が直面する諸問題に心理学的観点から対処できる高度な専門知識を持った人材の養成を目指しています。そのために、実証科学的方法論を重視した教育・研究体制が組まれており、臨床分野を除くあらゆる心理学諸分野の、基礎から応用にわたる幅広いテーマについて、学び研究することができます。また、多くの実験室を有し、実験設備も充実しています。

カリキュラムの概要

心理学専修では、実験心理学を基礎とした「行動・生理」、「認知・発達」、「社会・文化」の専門分野の教育・研究指導を行っています。博士前期課程では、心理学の概論的科目である「心理学基礎問題研究」及び「同・演習」と、方法論的科目である「実験心理学研究」及び「同・演習」を中心に履修します。その他、「心理学特殊問題研究A・B」及び「同・演習」、あるいは社会学、教育学、地埋学専修の提供科目の中から選択履修します。また、人間行動学専攻共通科目である「人間行動学研究A・B・C・D」の中から、2科目を履修します。くわえて、修士論文の作成のため、「研究指導」を必ず履修し、指導教授から修士論文作成の指導を受ける必要があります。博士後期課程では、指導教授の担当する「心理学論文指導」を履修し、指導教授から博士論文作成のための具体的な指導を受けます。

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教育学専修について

哲学専修について

本専修は、学校教育の方法と組織に関する研究を中心にすすめています。これらの事象を時間的な発展・変化の相で捉える教育史的なアプローチ、また世界の広がりの中で捉える国際比較的アプローチが用いられています。

大学院生が取り組んできた博士論文・修士論文の近年のテーマでは、「児童の自己評価能力の育成方法に関する実証的研究」「音楽鑑賞学習での身体表現における意味生成——デューイのコミュニケーション論を視点として——」(以上博士論文)、「シティズンシップ教育としての生徒会活動——バーナード・クリックの「政治的リテラシーの樹形図」を用いた一考察——」「教職の専門性の向上と授業研究の意義——中国における協働の教師文化の変遷を中心に——」「教育委員会の合議制の実態——教育委員会会議録の分析から——」「(以上修士論文)などがあります。

本専修では、年に1回、研究誌『教育学論集』を発行しています。教員と大学院生が執筆した論文が掲載されますが、掲載の採否は査読により決定されます。そのほか、本大学院を修了され、現在大学等で研究職についていらっしゃる方々に研究短報という研究エッセイを寄稿していただいています。巻末には、1年間の教育学教室彙報、および、博士論文・修士論文・卒業論文一覧を掲載しています。

年に数回、「教育研究フォーラム」を企画・運営し、教員と大学院生が研究成果を発表しています。外部からゲストスピーカをお招きすることもあります。海外の大学などとのジョイントセミナー(オンライン)を開催しています。

大学院修了後の進路は、大学教員、小中高の教員、公務員などです。

教育学専修の刊行物

『教育学論集』

『教育学論集』は大阪市立大学文学部教育学教室の学術雑誌として1975〔昭和50〕年に創刊されました。第29号(2003〔平成15〕年)からは「編集規定」を明文化し査読制度を導入しました。また、2011〔平成23年〕年度の大阪市立大学教育学会の発足に伴い、第38号からは、大阪市立大学教育学会『教育学論集』第1号(通号38)となり、さらに2022年度からは学会も大阪公立大学教育学会(仮称)へと発展します。

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地理学専修について

地理学専修について

地理学専修では、都市・経済地理学、文化・社会地理学、政治地理学、地理情報論といった地理学の広範な分野を学ぶことが可能です。研究環境はハード、ソフト面できわめてよく整備されており、少人数教育が行われています。また教員と院生、院生同志、他専修や他大学院との自主的研究会活動もさかんです。当専修ではフィールドワークの力を備えた、現代世界の課題に鋭敏で、総合的な思考力と行動力をもった院生を育成することを目標としています。海外の大学との研究交流も盛んで、留学生も積極的に受け入れています。これまで多くの他大学出身学生を受け入れてきた経験を持ち、包容力ある指導のもとで、すでに30名以上が大学等の研究職に就き、人文地理学における関西の拠点大学院の一つとして研究・教育・社会貢献・国際交流の面で実績を積み重ねてきました。

博士前期課程の院生は、演習を主体とした授業を受けつつ、修士論文の執筆に力を注ぎます。博士後期課程になると、学会での口頭発表と学会誌への学術論文の投稿が義務づけられ、国際学会での発表も奨励されます。院生の研究テーマに特に制約はありませんが、最近は都市研究を専攻する者が多いようです。前期・後期課程とも正・副2名の指導教員が就き、マンツーマンのきめ細かな指導を心がけています。博士後期課程3年次を終えると、課程博士の学位を請求することができます。本専修では原則としてレフェリーのある学術雑誌に掲載された論文が3編以上あり、400字詰め原稿用紙に換算して300ないし400枚以上の分量のオリジナリティに富んだ内容を持つ論文を、所定の提出日までに提出することを条件としています。近年では、平成18年度1名、20年度3名、21年度1名、23年度1名が博士(文学)の学位を取得しています。

学会活動

人文地理学会を中心に、活動しています。COE都市文化研究センターや都市研究プラザの研究員として活躍する者も多くいます。

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