実施済みイベント等

2023年10月26日

「いまロシア語とロシアについて学ぶ意義を考える」を開催しました

20231026

 

 文学研究科創設70周年記念企画として1013日(金)に文学研究科主催講演「いまロシア語とロシアについて学ぶ意義を考える」を開催しました。ゲストスピーカーに京都大学教授で日本ロシア文学会会長の中村唯史先生をお迎えし、「「ロシア」と「ウクライナ」の形成過程民族論と文化史の視点から」という題目でご講演いただきました。

 ロシアによるウクライナ侵攻後、大学の教育現場では、ロシア語やロシア文化を学ぶことの意義についてあらためて問い直される状況が発生しています。また、一般的な報道では、ロシアとウクライナを二項対立で語りがちな傾向も見受けられます。講演では、こうした見方の問題点を明らかにするために、ウクライナ周辺地域の複雑な歴史から説き起こし、多様な言語と民族、文化が共存し交流する、独自な空間としての実像を示されました。その上で、こうした複雑な歴史的・文化的背景を持つ地域で生まれた文学作品を、「個」を見つめる文学的視点から読み込むことが、現実社会の問題を理解する一助となるのではないかと主張されました。

 当日は、対面・遠隔合わせて約150名の参加者を迎え、質問も時間が足りないほどに寄せられ、多くの人の関心を集めました。

 中村先生をはじめ、参加の皆様にこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。

(斎藤慶子)

zoom切り抜き_中村唯史先生  zoom切り抜き_会場