谷口拓さん

「「明智光秀・最期の謎!歴史研究者とたどる、戦国時代の小栗栖
~光秀を討った“長兵衛”の正体とは!?小栗栖城跡から明智藪まで~」で現地案内中」

京都市役所勤務(一般事務職)
2009年 文学研究科日本史学専攻前期博士課程入学
2011年 修士(文学)学位取得退学
学位論文名「十六世紀における市場の展開 ―近江東部を事例に―」
 私は、大学院から大阪市立大学へ入学しました。入学のきっかけは、学部生の時に市大の院生の方から、中世史ゼミの遠足(フィールドワーク)に誘っていただき参加したことです。参加した遠足では、先輩方がフレンドリーで居心地が良かったうえに、用意された資料も緻密でレベルが高く非常に感銘を受けたことを覚えています。その時の印象が入学の決め手となったと思います。
 中世史ゼミで、最も学んだことは史料に対する姿勢です。学部生の時には、大雑把な史料解釈をしがちでしたが、毎週行われている研究会で、一つの史料をとことんこだわって読み込み、解釈する作業を繰り返すことで、史料への向き合い方が大きく変わりました。
また、中世史ゼミの大きな特徴である遠足(フィールドワーク)での経験値も他の大学では得られないものだと思います。中世史ゼミの遠足では、自分の研究フィールドのみならず、全く知らない地域であっても担当に当たれば、資料を集め現地を案内します。責任は重大ですが、その分、机上で研究しているだけでは得られない高い経験値を得られました。
 進路については、元々学芸員を目指していましたが、悩んだ末、卒業後は公務員の一般職の道を選びました。
 公務員となった当初は一旦研究から離れていましたが、仕事上関わった地域で歴史研究があまり蓄積されておらず自ら調べ始めたことをきっかけに、地域の歴史に携わるようになりました。地元自治会からの依頼でその地域の村史編纂を主導したり、地域の古文書調査を行ったりと、地域の方々との関係の中で歴史に携わる活動を続けています。
 それらの活動の積み重ねにより歴史講座や歴史まち歩きの講師などにも声をかけてもらえるようになり、歴史研究への自分なりの関わり方ができてきているように感じています。
 こうした自立的な活動ができるのも中世史ゼミで史料解釈やフィールドワークを含め広く深く経験を積んでいたからこそで、先生やゼミの仲間には本当に感謝しています。今後も自分のペースで幅広く活動していこうと思っています。