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近現代史が対象としている時期は、幕末維新期から現在までです。ここでは、活動の中心となっている近代大阪研究会をはじめとして、いくつかの取り組みについて紹介します。
毎週火曜日の夕方に、参加者それぞれが卒論・修論・博論などの論文執筆や、学会報告などに向けた研究報告を行っています。
2023年度は、卒論生5名と近現代史の院生やOB・OGのほか、歴史学以外の教育学や社会学を専攻している院生、さらには中国やフランスからの交換留学生も参加しています。参加者のテーマは、近現代大阪の都市史・地域史にくわえ、戦時期研究、遊廓社会史研究など、非常に多彩です。複数の史料の読解や分析にもとづく研究報告のほか、各自の研究で使用する史料や、先行研究にあたる論文を参加者全員で精読して議論を行うこともあります。
いずれにおいても、参加者の自由で活発な発言と、史料を正確に、また創造的に読み解き、深く考えて議論することを大切にしています。
近現代史で卒論を書こうと考えている学部生、または近現代史に関心のある学部生(主に2・3回生)を対象にした勉強会を開いています。勉強会には大学院生も参加し、ともに学んでいます。開催日・時間は毎年、参加者の都合を聞いて設定しています。
内容は、学部生の興味・関心に沿う形で半期ごとに決めていますが、近年は、『岩波講座日本歴史』の近代の巻に入っている論文を取り上げて検討したり、3回生が関心を持ち、卒論で取り上げたいと考えているテーマに関する先行研究(論文)をみんなで読み、議論を行ったりしています。研究会と同様、こちらも参加者の多様な興味・関心を汲み取る自由な雰囲気と、正確にテキストを理解することを大切にしています。
近現代史を専攻している大学院生・学部生・OB で、毎年、夏休みに合宿を行っています。ここ数年は、香川県琴平町(2011年)、滋賀県長浜市(2012年)、鳥取県鳥取市(2013年)、愛媛県松山市(2014年)、兵庫県赤穂市・たつの市(2015年)、紀伊半島一周(2016年)、広島県広島市・呉市(2017年)、富山県砺波市・高岡市・富山市(2018年)、滋賀県長浜市(2019年)、京都府京丹後市(2022年)などに赴いています。
合宿では、修論・卒論の中間報告が行われ、全体で討論します。学部4回生や修士2回生にとっては、夏休み中の研究の成果をまとめて報告し、その後の方向性を確認する重要な機会です。また、合宿先の博物館・資料館や史跡の見学を主としたフィールドワーク(まち歩き)も行います。松山合宿では松山城や道後温泉、赤穂・たつの合宿では、坂越(さこし)の港町の街並みを見学し、龍野の醤油蔵、姫路城、紀伊半島一周では伊勢神宮(外宮・内宮)や古市遊廓跡、那智大社、広島・呉合宿では大和ミュージアム、入船山記念館、広島平和記念資料館、富山合宿では砺波平野の散居村や高岡の土蔵造りの街並み、長浜合宿では「黒壁スクウェア」など中心部の街並みや浅井歴史資料館の見学、京丹後合宿では伊根浦伝統的建造物群保存地区の踏査や郷土資料館の見学などに行きました。合宿参加者の交流を深める懇親会も楽しみの一つです。
日本史研究室全体で毎年行われる和泉市の合同調査(2021~22年度は大学の地元である大阪市の杉本町地区で実施)には、他時代を専攻する学部生・院生とともに近現代史を専攻する学部生・院生も実行委員になって、事前の準備や当日の調査、調査後の報告書作成などに積極的に参加しています。調査する文書史料や聞き取りの内容は近現代史関係のものが多く、学生にとって、ホンモノの史料に接する貴重な機会となっています。この調査をきっかけに地域史に関心を持ち、それを卒論や修論のテーマにする院生・学生も少なくありません。
近現代史を担当されている佐賀朝先生は、旧大阪市立大学(現大阪公立大学)の OB でもあり、学生・院生の自主性を重んじつつ、粘り強く指導してくれます。また、学生との授業や研究以外での交流も、とても大事にされており、親しみやすい人柄も先生の魅力です。
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