Lancet Digital Health編集長が医学研究科を訪問
2025年3月27日(木)、著名な医学系学術誌The Lancetの姉妹誌であるThe Lancet Digital Health編集長のルパ・サルカー博士が阿倍野キャンパスを訪問、講演や交流を行いました。
サルカー博士の訪問に合わせ、医学研究科人工知能学の植田 大樹准教授らは講演会を企画。会場となった学舎18階の会議室には、阿倍野キャンパス関係者および他機関からの招待者ら約40人が集まり、人工知能と臨床医学とのかかわりをテーマとするプレゼンテーションに耳を傾けました。
講演に先んじて、医学研究科の鶴田大輔研究科長が歓迎のことばを述べ、「AIと医学の融合は大変意義深く、本日の講演を大変楽しみにしています」と期待を示しました。
講演においてサルカー博士は、新型コロナウィルス感染症に関する初期の論文が掲載された当時から、投稿の80〜90%がAIに関するものであり、そのうち約半分が生成AIに関するものであること、またAIという新興分野が数多くの研究対象となることで、課題も増加していることを紹介しました。
また、医学研究科人工知能学から出版した2本の論文(後述)に関してもopportunistic AI (通常の診断過程で、AIにより追加的な疾患を発見する機会型アプローチ)と題し、「検査数の多い胸部レントゲン検査で、重大な疾患を見つける契機になりえる」と紹介いただきました。
「AI―Hope or Hype? (AIは希望の星か、誇大広告か)』とタイトルをつけたセクションでは、AIを臨床医療に活用するためのインフラ整備と規制がまだ不足していると警告。Lancetは学術誌として、健康の公平性、健康格差への理解促進、健康危機への取り組み等も目的に掲げているとし、AIの未来について「生成AIおよび大規模言語モデルがもたらすポジティブな可能性に注目しています」と述べ、プレゼンテーションを締めくくりました。