研究室について
研究室紹介
理念
研究室としての理念は、世界の健康を実装することです。AIと人間のできることには次の3つの領域があります:"AIにしかできないこと"、"人間にしかできないこと"、"AIと人間の両方にできること"です。
"AIにしかできない"領域では、その新規性を活かし、従来の医療では実現できなかった診断や予測を可能にします。膨大なデータからのパターン発見や、複雑な医療情報の高速処理など、AIの特性を活かした新たな可能性を追求します。
"人間にしかできない"領域では、医療における共感や直感的判断、倫理的な意思決定を担います。また、AIシステムの安全性評価や公平性の確保など、レギュラトリーサイエンスの観点からも重要な役割を果たします。
"AIと人間の両方にできる"領域では、効率性と正確性を考慮した最適な役割分担を目指します。人間の専門知識とAIの分析力を組み合わせることで、より信頼性の高い医療を実現します。
私たちは、これら3つの領域の特性を深く理解し、AIと人間が補完し合うことで、医療の質の向上と効率化を実現します。新たな医療技術や手法の開発を通じて、世界の健康実装という理念の達成を目指します。
研究
AI研究で最も重要と言えるのはビッグデータです。当研究室では、大阪公立大学附属病院のみならず、複数の関連病院の医療ビッグデータをも扱うことのできる、独自のセキュアな環境を構築しています。これによって、多施設共同研究をスムーズに行えます。また、ワークステーションとしてはNVIDIA社のGDX A100を始めとして、複数の高性能なワークステーションを有しており、ビッグデータを素早く正確に解析できます。また、必要に応じてヘルシンキ条約に基づいた治験も実施できるため、研究開発から臨床試験までワンストップで完結できる環境です。
教育
現在の教育対象は、医療者としています。目的は、医療×AI研究のマネージャーの育成です。医療者がコーディングをバリバリこなすレベルを目指すのは効率が悪いですが、一方でコーディングを理解せずにAI研究をするのも効率が悪いです。高いレベルでの医療×AIの融合を目指すため、医療者に対して深層学習を軸にしたプログラミング教育を行います。また、真の意味での独り立ちを達成するために、MNISTといったチュートリアルだけではなく、実際の医療データの抽出・加工から含めた研究の実践を通じた教育を行います。