1 感染症準備プログラムI
概要
複数のコースにおいて、感染症の理解に必要な基盤的な知識を統合的に修得しつつ、日常における感染対策を通じて、実践的な技能を修得する。
- 対象学年:医学科1年生
- 提供するコース(一部提供のみを含む)および内容
- 生物学概論M
- 基礎医学研究推進コース(新型感染症検査室の見学を含む)
- 医学序論
- 早期臨床実習I
- 早期臨床医学入門+早期診療所実習:講義と診療所での実践を通じて、感染対策の重要性を学ぶ(項目②③④⑥)。
- e-learning
- 新入生オリエンテーション
- ワクチン接種、感染対策
- 修得すべき知識・技能等の項目
- 感染症の理解の基礎となる解剖・生理および生体反応について説明できる。
- ワクチンを決められたとおりに接種を受けることができる。
- 標準予防策、感染経路別予防策について概説できる。
- 手指消毒などの基本的な感染対策を実践できる。
- ワクチンによるウイルス感染症予防の原理を説明できる。
- 地域医療における感染症・感染対策の重要性を理解し、実践できる。
2 感染症準備プログラムII
概要
感染症準備プログラムIで得られた知識・態度・技能を定着させ、さらに発展させる。
- 対象学年:医学科2年生
- 提供するコース(一部提供のみを含む)および内容
- 基礎臓器別講義
- 早期臨床実習II
- e-learning
- 修得すべき知識・技能等の項目
- 感染症の理解の基礎となる解剖・生理および生体反応について説明できる。
- ワクチンを決められたとおりに接種を受けることができる。
- 標準予防策、感染経路別予防策について概説できる。
- 手指消毒などの基本的な感染対策を実践できる。
- ワクチンによるウイルス感染症予防の原理を説明できる。
- 院内における感染症・感染対策を実践できる。
3 感染症基盤プログラムI
概要
感染症準備プログラムI-IIを踏まえて、病原体-宿主-治療薬のそれぞれの関連性を理解し、感染症に関して体系的に実践できるようにする。
- 対象学年:医学科3年生
- 提供するコース(一部提供のみを含む)および内容
- 細菌・真菌感染症コース
- ウイルス感染症コース
- 原虫・寄生虫感染症コース
- 原因と病態コース
- 公衆衛生学Iコース
- e-learning
- 医学研究推進コースIII(修業実習)
- 修得すべき知識・技能等の項目
- プリオン・ウイルス・細菌・真菌・寄生虫の各病原体の微生物学的特徴を説明できる。
- 代表的な病原体を列挙し、各病原体が引き起こす感染症の病態を説明することができる。
- 微生物学的検査の手順と原理を説明できる。
- 微生物学的検査のための検体の採取、保存、運搬を適切に実施し、グラム染色を含む基本的な微生物学的検査を実施できる。
- 抗微生物薬を分類し、その作用機序・スペクトルについて説明できる。
- 主要な耐性菌とその耐性機構について説明できる。
- 滅菌と消毒の違い、および、それぞれの適応について説明できる。
- 標準予防策、感染経路別予防策について説明し、適応となる病原微生物について説明できる。
- 手指消毒・必要な個人防護具(PPE)の装着等の感染対策手技を正しく実施できる。
- シミュレータ等を用いて、感染対策を考慮したうえで、検体採取などの手技を実施できる。
- ワクチンの種類およびワクチンにより予防可能な疾患(VPD)を列挙できる。
- 感染症法の概要(類型)および届出義務、感染症サーベイランスについて説明できる。
- 世界規模での感染症対策について説明できる。
- 結核の現状と課題、その対策について説明できる。
- 性感染症の現状と課題、その対策について説明できる。
- 食中毒の病原体を列挙し、各病原体が引き起こす病態を説明できる。
- 人獣共通感染症を引き起こす病原体を列挙し、その人への感染拡大の経路を説明できる。
- 新型コロナウイルス感染症の現状と課題、その対策について説明できる。
評価項目および評価基準、評価時期(コース)、評価方法
評価項目 | 評価基準* | 評価時期(コース) | 評価方法 |
[1]-[3], [5]-[8], [11]-[13] | A/B | 細菌・真菌感染症コース ウイルス感染症コース 原虫・寄生虫感染症コース | 筆記試験* Moodle小テスト 自己評価 |
[2] | A/B | 原因と病態コース | 筆記試験* |
[12]-[18] | A/B | 公衆衛生学Iコース | 筆記試験* |
[4], [9], [10] | A/B | 細菌・真菌感染症コース(細菌学実習) | 自己評価 相互評価 |
*筆記試験では、各項目の個別評価ではなく、コースごとの総合的評価を実施。
4 感染症基盤プログラムII
概要
感染症基盤プログラムIを踏まえて、感染症を統合的に理解し、実践前の基盤を確実に構築する。
- 対象学年:医学科4年生
- 提供するコース(一部提供のみを含む)および内容
- 臨床臓器別講義
- 公衆衛生学IIコース
- プライマリケア医学コース
- e-learning
- 修得すべき知識・技能等の項目
- 微生物学的検査のための検体の採取、保存、運搬を適切に実施し、グラム染色を含む基本的な微生物学的検査を実施できる。
- 微生物検査結果を正しく解釈できる。
- 感染症の病態を統合的に説明できる。
- 臓器別の感染症について概要を説明できる。
- 細菌学的特徴を踏まえて、診断・治療・予防について説明できる。
- 実際の症例を疑似的に体験し、適切な感染症の診断・治療が選択できる。
- 個人防護具(PPE)の着脱など、標準予防策、感染経路別予防策を理解したうえで、シミュレーションすることができる。
- 院内感染の原因及び回避する方法(院内感染対策委員会、院内感染サーベイランス、院内感染対策チームinfection control team: ICT)、感染対策マニュアル等)を説明できる。
- 個々のワクチンの投与経路を説明できる。
- 感染症法を理解し、定められた届出の案を作成できる。
- 感染症の届出を、疑似的に再現できる。
- 抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)における多職種間の役割を説明できる。
- ICTにおける多職種間の役割を説明できる。
- 多職種連携による行政上の届出について説明できる。
- 感染症の実地疫学調査の考え方について説明できる。
- 予防接種法上の定期接種、任意接種に挙げられているワクチンおよびその接種対象者について説明できる。
- 予防接種法上の副反応疑い報告制度について説明できる。
- ワクチンにより予防可能な疾患(VPD)について、疾病負荷、ワクチン有効性、安全性を説明できる。
- 人獣共通感染症の病原体が人に感染する過程、およびその対策について説明できる。
- 肝炎ウイルスの感染経路、予防策、引き起こす病態、治療法について説明できる。
評価項目および評価基準、評価時期(コース)、評価方法
評価項目 | 評価基準* | 評価時期(コース) | 評価方法 |
[1]-[14] | A/B | 臨床臓器別講義 | 筆記試験* Moodle小テスト 自己評価 |
[14]-[20] | A/B | 公衆衛生学IIコース | 筆記試験* Moodle小テスト 自己評価 |
[3], [7]-[9] | A/B | プライマリケア医学コース | 筆記試験* Moodle小テスト 自己評価 |
*筆記試験では、各項目の個別評価ではなく、コースごとの総合的評価を実施。
5 感染症実践プログラム
概要
感染症基盤プログラムI-IIを踏まえて、感染症の病態を統合的に説明でき、実際の症例を通して、基本的な感染症診療能力を修得する。
- 対象学年:医学科5, 6年生
- 提供するコース(一部提供のみを含む)および内容
- 外来型CC
- ユニット型CC
- 選択型CC
- e-learning
- 修得すべき知識・技能等の項目
- 実際の症例を通じて、適切な感染症の診断・治療が選択できる。
- 手指消毒を適切に行い、標準予防策を実行できる。
- 感染症の病態に応じた経路予防策を実行できる。
- ワクチンの問診表を理解し、説明することができる。
- ワクチンの禁忌や接種間隔を理解し、接種計画を立案することができる。
- ワクチンを正しく投与できる(皮下、筋肉)。
- 多職種連携による感染症診療の一員として活動できる。
- 多職種連携による感染症対策を実践できる。
- 行政上の届け出を多職種で行うことができる。
評価項目および評価基準、評価時期(コース)、評価方法
評価項目 | 評価基準* | 評価時期(コース) | 評価方法 |
[2], [4] | A/B | 外来型CC | Moodle小テスト |
[1], [3], [5] | A/B | ユニット型CC | 自己評価 |
[6]-[9] | A/B | 選択型CC | 自己評価 |