病理医をご志望の方へ

病理医とは

病理診断とは患者さんより採取された組織検体に対して顕微鏡を用いて確定診断を行うことです。的確な治療を行うためには正しい診断が不可欠です。私たち病理医は直接患者さんを診察することはありませんが、顕微鏡を通して治療方針の決定に重要な情報を提供することで診療に参加しています。

大阪公立大学 病理診断科の特徴

『ONE TEAM』

若くて活気のある教室です。病理診断は一人で黙々とやるイメージかもしれませんが、当教室は「ONE TEAM」をコンセプトとして一人一人の得意分野を活かし協力しながら診断を行っています。
また、教室は自由な雰囲気で出身大学もさまざまです。私たちとともに学び、病理医を目指す人を募集しています。

充実した指導体制

大阪公立大学医学部附属病院及び関連病院では、新生児から成人、腫瘍・非腫瘍を問わず豊富な症例を経験することができます。病理組織診断や細胞診、術中迅速診断、病理解剖、臨床科との合同カンファレンスなどを通して、病理医としての修練を積んでいくのには非常に適している環境です。日々の診断に関しては指導医とともにディスカッションを行いながら十分な指導を受けることができます。また、病理組織を用いた研究活動にも積極的に取り組んでおり、WHO執筆に携わる指導教官のもと、診断病理分野での医学博士取得を推奨しています。希望があれば国内外での留学も可能です。

さまざまな働き方・理解のある職場

病理医は緊急の呼び出しや当直などがなく、ライフスタイルの変化に合わせて勤務形態を選択しながらキャリアを続けやすい職種です。
業務分担は定期的に見直しを行い、男女ともに働きやすい環境を目指しています。また、専門医取得後はライフプランに合わせて希望により全国どの地域でも働くことが可能です。

〜女性医師支援〜

当教室では女性医師が 病理診断科医師の半数を占めています。子育て中の医師もおり、家庭と仕事のバランスや考え方などは人により様々ですので、個人の状況に合わせて柔軟に対応しています。出産・子育て・介護など個々の事情は様々ありますが、家庭の事情での欠席や早退はお互い様であり、チームとして協力し合いながら業務を行う体制を整えています。産前・産後休暇や育休休暇の取得は個々の状況に応じて対応しています。復職時の勤務形態も相談しながら決めていきますので、例えば子育て期間中は一時的に非常勤で勤務し、子育てがひと段落してから常勤に復帰することも可能です。
個々のライフプランに合わせて相談しながらキャリア形成を行うことができますので、興味のある方は一度お問い合わせください。

よくある質問

Q. 学生時代に病理が苦手だったのですが、病理医になれますか?

A. 『苦手』と思った時から出会いが始まっています。気になる対象でないと得手・不得手の印象は生まれません。何故か気になる、から始まった気持ちは、どうにか攻略したい・理解したい、となり、いずれ病理の世界に入り込むことができます。

Q. 病理医の魅力は何ですか?

A. 病理医は患者さんを直接診療することはありませんが、私達の診断が適切な治療方針の決定に役立てられ、やりがいのある仕事です。術中迅速診断以外はある程度時間に融通がきくため、プライベートとの両立もしやすい診療科です。臨床と研究を癒合して専門性を高めやすいため、比較的早い段階で専門家として活躍することもできます。

Q. 専門医取得後はどのような進路がありますか?

A. 引き続き、一般的な外科病理を広く学び続けると同時に、興味のある分野についてさらに専門性を深めることが一般的です。大学院に進学し、研究手法や考え方を基礎から学びながら専門領域について研究したり、国内外の施設への留学を行う道があります。

Q. 他の診療科からの転向は可能ですか?

A. 他診療科から病理への転向された先生も多く、転向は可能と思います。私も放射線科から転向しましたが、CTなどで見ていた像が組織ではこうなっていたのかと結びつくことが多く、診断や病態を考える時に臨床で学んだ事を活かすことができると思います。

Q. AI技術により病理医は必要なくなりませんか?

A. AI病理診断が保健診療に収載されるには現状では高いハードルがあり、残念ながら病理医の仕事は減りません。組織像から学習させた特定の疾患を検出する点においてはAIは優れていますが、日々の病理診断においては組織像のほか、肉眼所見や臨床情報など考慮すべき要素が多数あり、時には診断名がつけ難い病態の解釈を求められます。診断以外にも術材の切り出しや病理解剖など、AIで代替できない業務はたくさんあります。