ACTIVITY REPORT

2023年3月25日

初めての伊勢志摩とコステロ(石沢武彰)

 長く東京に住んでいた私にとって、紀伊半島は最も訪問しにくい場所の一つであった。それが、単身赴任の今、近所の駅から近鉄特急で直通だという。これは行かない手はない!、ということで、”The 2022年夏休みは「伊勢志摩」に決めた。現在、東京でキッズ3匹とネコ様1名の面倒をワンオペしている妻への謝恩(贖罪?)旅行でもある。

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 僕たちはお互いに晴れ女/男を自任していて、時に強さを競い合う仲である。この夏は降水帯が志摩半島を直撃し、天気予報は軒並み「雨」だったが、そんなことは気にしない。ほら見たことか、賢島あたりで雲は途切れ、私たちは展望台までサイクリングを楽しむことができた。

 宿は、二見駅の周辺で、一棟ずつ別々になった部屋が渓流に面している、洒落た温泉旅館を奮発した(贖罪旅行なので・・・)。ところが、僕たちは神通力を使い果たしたのか、初日の夜は警報級の豪雨となり・・・屋根に打ち付ける雨音と、ぐんぐん上がる川の水位に怯えながら過ごしたのだった。

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 翌日は念願の伊勢神宮参拝を果たした。雨かと思えば突然日が差す不思議な天気だったが、お気楽な僕たちは「やっぱり晴れたね!」などと能力を誇示し合っていた。雨の時は雨で、杜の荘厳さを増し、僕の心に潜む邪悪な魂が浄化されていく気がした(根絶したかは分からない・・・)。伊勢の鳥居には、二本目の横棒が「外に飛び出ない」などの特徴があるとのこと。そういえばモーニングルーチーンとして通勤中に参拝している、堀越神社の鳥居もそうだったかもしれない。

スライド3  最終日は鳥羽を散策。ミキモトの真珠博物館では(個人的)念願であった海女さんに会うことができたし、世界で初めて養殖技術を確立したミキモトさんや、現在でも真珠の「核移植術」を高速かつ正確無比に行っている職人さんに感銘を受けた。鳥羽水族館は何といってもラッコ! あの仕草には、橋本環奈も、どんなインスタグラマーもかなわない・・・きっと中にヒトが入って演技しているに違いない。ラッコはどの水族館にもいると思っている人も多いでしょうが(僕もそうでした)、野生動物の保育に厳しくなった昨今、日本で会えるのはたった3匹! そのうち2名様が鳥羽水族館にいるとのこと。お見逃しなく!

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  帰り道、傾いた陽に光る真珠のような鳥羽湾の海を見ていると、ふと敬愛するElvis CostelloShipbuilding“Diving for dear life, when we could be diving for pearls…”のフレーズが脳内で再生されて泣きそうになった。きっと伊勢神宮で魂が浄化されたからだな・・・というのはカッコよく伏線回収するためのたウソです。しかし、今この原稿を書いている飛行機の中で久しぶりにShipbuildingを聞いたら、本当に涙が出そうになった。トシと、飲みすぎたワインのせいだ・・・。

 YouTubeなんかで適当に音楽を聴かなかった昭和時代、よくわからない「専門家」が書いたライナーノーツを必死で読んで音楽を分かったフリをしていた。その遺産によると、確かコステロは、フォークランド紛争(アルゼンチンと英国の小競り合い)への反戦を込めてこの曲を書いたんじゃなかったっけ?そういう歴史を考えると、先日のラグビーテストマッチでアルゼンチンがイングランドに勝ったことは、それぞれの国民には魂に響く出来事なのだろうな・・・。などと、伊勢志摩と全く関係のない話になったところで、アルゼンチン出張レポートに続く(たぶん)。