クリパー通信 07

クリパー通信 07

主訴が四肢浮腫でも、関節所見は必ず確認しよう!

解説

関節リウマチと診断された患者の6%に、四肢浮腫を認めたとの報告がある。このうち36%が罹病期間3年以内であり、病態が進行する前から浮腫が出現することがある。
当科でも、のちに関節リウマチと診断された患者さんの中に、四肢浮腫を主訴として来院されていたケースを何例も経験しており、浮腫は関節リウマチの重要な局所症状とも言える。
特に、発症2年未満の早期関節リウマチ患者の半数近くがRF・抗CCP抗体ともに陰性だったとの報告もあり、血清学的所見にとらわれず関節リウマチを鑑別に挙げる必要がある。

四肢浮腫を訴える患者を診察する際、一般的な原因が既に除外されていれば、関節リウマチも鑑別疾患の一つとして挙げ、関節所見を確認することが重要だ。

参考文献

  • 中島, 他. RAにみられた四肢浮腫. 整形外科と災害外科 1989;37(3):1217-1220.
  • S Dubucquoi, et al. Evaluation of anti-citrullinated filaggrin antibodies as hallmarks for the diagnosis of rheumatic diseases. Ann Rheum Dis 2004;63:415–419.