教育の概要
医学部医学科の修業年限は6年です。一般的な学部の修業年限よりも2年多く学ばなければなりません。
さらに、現制度(2016年)では、6年間学業に励んで大学を卒業して医師免許を取得した後も、2年間の初期臨床研修に就き、実務的な経験を通して、医師として様々なことを学ぶことになります。
少なくとも8年の歳月に渡って学ぶことにより、患者さんの命を預かる医師として必要な知識、技能、精神、儀礼を身につけていくことになります。
基幹教育科目
- 文・理・医など12の学部・学域からなる総合大学ならではの充実した総合教育
- 大阪を南北に縦断する6キャンパスで様々な志を持つ友と学び、豊かな人間性を創る
医学部医学科入学後は、主に杉本キャンパスで基幹教育科目を通じて総合的な教養を身に付けていただくことになります。
クラブ活動・サークル活動も杉本キャンパスを拠点にしているものが多く、医学部の学生も多数参加しています。
2025年度には、良好な交通アクセスで大阪の東西都市軸の東部重要拠点である森之宮に新しいメインキャンパスが完成します。
医学を志す仲間だけでなく、多様な志を持つ友人との交流は国内最大規模の公立総合大学ならではの魅力であり、将来の皆様の貴重な財産になることでしょう。
基礎医学教育・社会医学教育
- 人体の構造と機能の仕組みを分子レベルから個体レベルまで総合的に学べる基礎医学
- 医学研究推進コース1~3として段階的に基礎医学を習得でき、臨床の教室とも連携して総合的に学修できるカリキュラム
- 地域から国、そして世界までも含めた保健システム、法的問題、公共衛生などを学べる社会医学
- 3年次の8~11月には、教室(研究室)の一員として研究に取り組む医学研究推進コース3を実施
一部1年次にも学ぶ医学教育ですが、2年次からは本格的な科目履修が始まります。
基礎医学では、まず人体の構造と機能のしくみを分子レベルから個体レベルまで総合的に学びます。
次に病気の概念、本態やその機序を系統的に学習します。また、細菌、ウイルス、医動物などの病原性、その感染機序、ならびに生体の免疫機構を学び、さらに薬物療法の基礎を学びます。
社会医学では、健康事象の地域的、経年的分布、生活環境要因の健康への影響、地域・国、世界の保険システムとその役割、および法的問題と関わる心身の変化、反応、病的現象や障害などを学習します。
さらに将来、医師として必要な幅広い知識と教養を身につけます。
3年次の8~11月には医学研究推進コース3が実施されます。学生は基礎医学・社会医学の教室(研究室)に配属され、各教室の担当教員の指導のもとに、特定のテーマにについて学生が自ら研究します。
臨床医学教育
- 各診療分野のエキスパートによる充実した講義
- 900床を超える病床数と、60を超える診療部門・中央部門を持つ医学部附属病院での臨床実習
- 国内外の関連病院での4週間×5クールの診療参加型臨床実習(CC:クリニカルクラークシップ)で実践力を強化
- 最先端の先進医療に触れることができる
1~3年次の間は、早期臨床実習を通して医療や福祉の現場で様々な人と関わりを持ちながら、医療人を志す自分を改めて見つめなおし、その志をより具体的なものへと成長させていただきます。また同時に、現場の医師、看護師、薬剤師、臨床技師など様々な人の仕事ぶりを見ながら、医療に携わるものの意識、覚悟、責任感、そして相互連携のありようなど、多くのことを学んでいただきます。
4年次以降は、ユニット型臨床臓器別講義や本格的な臨床実習が始まります。
まず、4年次には臨床スターター実習や客観的臨床能力試験(OSCE)を行い、5年次からの実際の医療現場での臨床実習に備えます。
5年次からは、講義(座学)の時間を最小限に留めて臨床実習時間を増やし、いざ臨床研修医になった時に、円滑に臨床を実践できるようトレーニングを重ねます。
6年次には、さらに幅広い臨床技能を習得し、医療現場での経験を充実させるために、医学部附属病院や教育協力病院で行う臨床実習、選択型CCに挑みます。
この選択型CCは、4週間×5クール実施しており、施設および診療科の選択と調整に関しては、学生の自主性を尊重しています。選択型CCを海外の病院で受けることも可能です。
また、平成19年3月に開設したスキルスシミュレーションセンター(SSC)では、専任の管理人が常駐し、各種のシミュレーション器材を使って、医療現場等で役立つ様々な技術をトレーニングすることができ、各種講習会も定期的に開催しています。
そして、患者中心の医療を実践できる臨床医の育成を目指して、医学部医学科全教員の教育能力をさらに向上させ、教育内容を一層充実させるために、学生と教員の相互評価による教育システムの再評価や教育ワークショップなどを定期的に行っています。