活動について

2022年2月17日

  • 羽曳野地区

ママカフェ企画運営しました_羽曳野市子育て支援センター

羽曳野市子育て支援センターで、ママカフェを企画運営しました

10名前後の母親が毎週1回2時間、3週連続で、お茶を飲みながら、育児や夫婦・家族関係にまつわる困りごと(問題)を出し合い解決策を一緒に考えました。

ママカフェの間は保育士に子どもを預け、大人だけでゆっくり話せるようにしました。参加者が十分に話せるようファシリテーターを配置し、話題に合わせて知識を提供したり、母親間の意見交換を活性化したりして、多様な価値観を醸成し、より安心して育児ができることをねらいとしました。参加者は2年間で50名でした。

ママカフェの特徴は、話す場を醸成できること、子どもを預けて≪存分に話せる≫こと、ファシリテーターがいることにあります。ファシリテーターは母親の話に受容的な態度で接し、「そっか、そっか」と肯定的に話を聞くモデルを示すことに努めました。

相談相手は身近な親や特定の友達だけではなく、日常では出会わない相手だからこそ本音が言え、【心配のいらない仲間】を得ることができていました。

子育て支援センターでは通常、集う母親は日によって異なる場合があり、話し相手の「人となり」や好みの話題を探るところから始めなければなりません。コミュニケーションスキルの低い母親など、親同士で会話を始めるのは難しく、≪気軽に≫、≪存分に≫【話すことの心地よさ】を得るまで時間がかかります。居心地がよくないと、センターの利用自体途切れてしまうこともあります。

ママカフェでは、ソーシャル・サポートの幅を広げ、仲間と【話すことは心地よい】という体験をすることで、育児における閉塞感を打破したり、他者にSOSを出しやすくしたりする可能性が示されました。

またママカフェに参加したことで、母親同士の子育てサークルが≪立ち上げやすく≫、≪子育てサークルに移ってもなじみやすい≫という効果もありました。サークルの結成や持続には、最初にメンバーが深く知り合う仕掛けを設けると円滑に進むようです。

羽曳野市には、子育て支援センターが2か所ありますが、地理的な特性でセンターまでの交通の利便が悪い地域があり、住民に公平に資源を提供できているとは言い難い状況にあります。

今回、羽曳野市が行ったママカフェであれば、地域に潜在している人材、場を活用して、どこでも応用展開できそうです。集団のニーズに合わせ、会話が弾むテーマや知識を提示するなど、先導や見守りの役割を担える人材であれば、地域に潜在する未就労の保育士、看護職、教師、社会福祉士などがファシリテーターになりえます。

もう1つは子どもを預ける場と、母親が集える場の確保です。保育園の一時保育制度やファミリーサポート事業を利用して子どもを預ける仕組みを整えることと、地域にある喫茶店、空き民家、集会所などを有効利用し雇用を生み出す新たな社会サービスが創出できそうです。行政から地域へ、少子高齢化の状況にも合った地域を活性化する活動になる可能性があると思います。

羽曳野市子育て支援センター保育士

&大阪府立大学 古山美穂