液体ヘリウム利用について

ヘリウムは大変貴重な資源です。各研究室が液体ヘリウムを安定して使用できるよう、蒸発ガスを回収配管を通してC10棟の液化室で回収して再度液化しています。液体ヘリウム利用者は、限られた資源の有効利用のため、液体ヘリウム管理担当者の指示に従い、できるだけ多くのヘリウムガスを回収するよう協力してください。

液化に再利用できるのは空気などの不純物の混ざっていないヘリウムガスだけです。回収配管にはきれいなヘリウムガスだけを流し、混入物の恐れがあるガスは流さないでください。また、回収率や回収純度が悪化すると液化設備の不調や液体ヘリウム価格に影響する場合があります。できる限りガスを大気放出させないよう、十分注意して使用してください。

液体ヘリウム利用手順

  1. 予約

1-1.原則、汲出し希望日の1週間前までに、下記の供給管理担当者および研究推進課担当職員に、電子メールで汲出し予約をすること。その際、02液体ヘリウム汲み出し申込書を添付すること。

供給管理担当者 川又修一(研究推進機構)       b21854w@omu.ac.jp        内線3650

研究推進課職員 川西敏一         P219660@omu.ac.jp         内線3575

1-2.週の後半(木・金曜)に汲出し希望の場合は、前週の水曜日までに予約をすること。現在、供給可能な液量は共通機器を含め1週間当り 200 L 程度なので、翌週もしくは翌々週等に延期することもある。

1-3.供給管理担当者の承認が得られたら、Yahoo JAPANwww.yahoo.co.jp)のカレンダーにアクセスし、装置へのトランスファー予定日時を記入する。

Yahoo JAPAN ID: helium_opu

Password: helium***

大口のトランスファーのタイミングが重ならないように情報共有するためのものです。記入例参照。

記入例)16-18時 トランスファー 80L A13-NMR 理・藤原 内線4015

他の汲出し予定やトランスファー予定が入っている場合には時間をずらすこと。

  1. 液化室での汲出し

2-1.汲出し容器を各々の実験室からC10棟1階の液化室(121号室)へ運ぶ。この際、液化室の鍵と、必要なら建物のカードキーを持参すること。汲出し容器を運ぶ際に、実験室の回収配管が開放されていないことを確認し、運搬中にヘリウムガスが放出しないように注意すること。また、実験室の回収配管のガスメータ値を記録しておくこと。運搬は最低2人以上で行い、転倒させないなど、細心の注意を払うこと。液化室まで運んだら液化室の回収配管に接続し、回収ラインを開ける。汲出しは研究推進課担当職員が行うので、どの容器に汲出すのか表示し、職員に連絡する。

2-2.汲出し容器は予め十分冷えていることが望ましいが、液体窒素による容器の予冷はヘリウム純度を低下させる恐れがあるため行わないこと。但し、十分な経験を有し、十分なヘリウムガス置換を行った場合はこの限りではない。一般的に、わずかに液体ヘリウムが残留した状態が望ましい。

2-3.担当職員は汲出し完了をメールで通知する。その際、汲出し前の残留液体ヘリウム量と汲出し後の液体ヘリウム量を計測し、容器への汲み入れ量を計算した数値を「液体ヘリウム汲み出し申込書」に記載し、メール添付する。

2-4.汲出し容器を液化室から各々の実験室へ運ぶ。液体ヘリウム容器の移動には最低でも2人以上で注意して担当し、転倒しないように細心の注意を払うこと。

注意! 容器は100万円以上する高価なものであり、内部は液体ヘリウム槽が首吊りのように真空断熱層にぶら下がっているので、転倒させると、首吊り部分が破損し、使用不可能となる。

  1. トランスファー(液体ヘリウム容器から装置への液体ヘリウム注入作業)

3-1.WEBカメラにアクセスし、液化室の回収ガスバックの位置が5以下であることを確認する。5以上である場合には、液化室の回収ヘリウムガス圧縮ポンプを起動し、5以下になってからヘリウム移送を開始する。大量のヘリウムをトランスファーし回収ガスバッグが満タンになると、バッグの破裂を防ぐため安全弁からガスを大気放出します。このようなトラブルを起こさないよう、トランスファー時は常時、回収ガスバッグの位置をモニターして下さい。

url:  http://helium1.riast.osakafu-u.ac.jp

ID:  helium_opu

Password:  helium***

3-2.液体ヘリウムを低温装置へとトランスファーする前と終了後に、時間、担当者名、積算流量計の値、回収ヘリウム純度、装置のヘリウムレベル等を、各装置の必要に応じて記録する(推奨)。具体的には各研究室のルールに従う。

3-3.装置への液体ヘリウムトランスファー中は、積算流量計とヘリウムガス純度を随時モニターし、不純なガスの混入がないように注意すること。容器内の昇温を防ぐため、容器内の液体ヘリウムは空にせず、トランスファー終了時に少なくとも、底から数センチは残しておくこと(推奨)。

3-4.使用した容器が共通の貸出容器の場合、液体ヘリウムトランスファー終了後、使用した容器をC10棟の液化室へ速やかに返却し、ヘリウムガス回収ラインに接続しておくこと。

 

尚、ヘリウムガスを正常に回収できなかった場合や、回収配管に多量の不純ガスを混入させたときは、管理担当者に必ず連絡してください。これよって生じた損失を当該研究室に負担していただくことがあります。

回収率又は純度が著しく低下した場合、原因追及のため供給を停止することがあります。