量子物質開拓研究センター

研究所の設置目的 

21世紀のあらゆる科学技術の進展の根源となりうる量子科学を如何にして活用していくかは、現在も尚模索中であり、世界的に莫大な研究開発投資が行われている。電子に備わる量子性を顕著に反映する量子物質は、革新的な機能的量子物性を創り出し、次世代科学技術の実現に向けて重要な研究基盤となる。学内外の量子物性研究に携わる研究者が共同研究を推進するための活動拠点を設置し、連携体制を確立することを目指す。さらに、新たな研究分野を開拓していく先進的な研究環境下で、次世代科学技術を担う研究人材を育成する。

2024年4月 センター長 山口博則

研究所の研究内容

量子物性の根幹的・先進的なボトムアップ型研究により、新たな量子多体現象を開拓し、革新的な量子材料の実現へと繋げる。その物質設計手段として、有機物の多様性と金属元素の豊富な磁気的自由度を融合させた数10万種類に及ぶ大規模な材料プラットフォームを活用する。磁性体における電子状態を自在に制御し、電子の量子性を顕在化させることで、多様な量子多体現象を開拓していく。新物質開発、結晶構造の高度解析、多様な機能的特性の検証など、各研究員が独自に開拓してきた技術と知見を基に取り組んでいく。そのような研究活動を機軸として、講演会の主催、国際共同研究の推進、競争的外部資金の獲得を通して、活動規模を拡大し、国際的研究拠点へと発展させていく。

図1