お知らせ

2024年6月25日

  • 実験

2024年度 探求課題テーマ及び概要について

夏休み期間中に実施する実験・研究活動の5つの探求課題のテーマと概要をお知らせします。
受講生の皆様は、いずれかのテーマで実験・研究活動をします。

 

1 水と仲良くなる不思議な力?プラズマで撥水の表面を親水化してみよ!

 皆さんの身近なものである弁当箱、ペットボトル、スマートフォンケースは、表面に水がつきやすい親水性の性質であれば、お弁当の食べものが取れにくく、ペットボトル内に飲みものが残ってしまい、スマホのケースは汚れやすくなりかねません。一般的にプラスチック製品の表面は撥水性です。
しかし、生命科学や医学分野で細胞を培養するために広く使われているバイオ皿はプラスチックで出来ていますが、内壁は低温プラズマを用いて親水化処理が行われています。
本テーマでは低温大気圧プラズマのことを学び、撥水性の材料であるポリスチレン、人工骨、自然のものに対してプラズマ親水化処理を行ってみましょう。

2 小さな絵を描こう~微細加工のすすめ~

 私たちの身の回りは電子機器であふれています。これらの心臓部、半導体集積回路の微細な回路パターンは光を使ったパターン成型技術、フォトリソグラフィを用いて作られています。
本テーマでは実際にフォトリソグラフィを用いてシリコン基板上に自分の好きな絵を描きます。実験は空気中の埃を排除したクリーンルームで行います。

3 セミの抜け殻からセミを知ろう

 夏になると、うるさく鳴くセミたち。長い地中生活を終えたセミの幼虫は、地上に出て成虫に羽化する時に抜け殻を残します。セミの抜け殻には、セミのことを知ることのできる情報が含まれているかもしれません。
このテーマでは、セミの抜け殻を観察することから、セミの生態を明らかにすることに挑戦します。

4 分子を数える:ブラウン運動のふしぎ

 水中に浮遊する小さな粒子が不規則に動く現象をブラウン運動といい、水分子が粒子に衝突することで起こります。この実験では、ブラウン運動の観察から物質の基本的な性質を表す「アボガドロ定数」を決定することを考察し、分子の存在を身近なものに感じることを目的としています。
この課題によって、分子の存在を証明してノーベル賞を受賞したジャン・ペランによる有名な実験を体験することができます。

5 電気抵抗がゼロになる!?〜実験で学ぶ高温超伝導の科学〜

 超伝導は、金属や化合物を低い温度に冷やすと電気抵抗がゼロになる現象です。この実験ではマイナス 185℃ 前後で超伝導になる物質をつくり、その特性を科学します。原料を秤量して混ぜ合わせ、電気炉で焼き固めます。電気抵抗や X 線回折を測定して試料の性能を評価します。一緒に高温超伝導を科学しよう。