市大数学教室

大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻 21世紀COEプログラム

結び目を焦点とする広角度の数学拠点の形成
(Constitution of wide-angle mathematical basis focused on knots)
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拠点形成実施計画 (年度別実施計画はこちら)
  1. 数学研究所の立ち上げ
    数学研究所の開設に向けて、とりあえず招聘研究者を受け入れるために仮の研究室を確保して、システムとして数学研究所を立ち上げる。5年後には拠点に相応しい結び目に強い数学および関連科学の研究所になることを目標にする。

  2. 結び目理論関連研究者の招聘計画
    任期制教員を配置する。COE著名教授1名、COE教授2名を外国から招聘し、最長(4,5月を除いた)10ヶ月間を通して滞在できるようにする。数学研究所COE上級研究所員4名以内、COE(無給)研究所員6名以内を、学位取得見込みの大学院学生やPD研究者に対し全国公募する。COE(無給)研究所員には研究費のみ支給する。結び目理論関連研究の広領域をカバーするために、半数程度以内は結び目理論の直接の専門家ではない数学の研究者や理論物理など数学以外の研究者の招聘にあてる。

  3. 意見交換の場としての日常の研究活動
    大学院学生、PD、招聘研究者を含むすべての研究者が、アイデアのチェック、行き詰まり問題の相談、研究の進め方などで日常的に意見交換ができるような場所の設定を行う。特に、大学院学生やPDの教育も考慮して、一定時間をティータイムにし、その場所に行くことを奨励する。大学院学生やPDにはそこで招聘研究者達に数学研究について質問をする義務を課す。

  4. 各種セミナーや国際会議・シンポジウムの開催
    数学研究の進展具合はセミナー・国際会議・シンポジウムなど研究集会の多さに比例するといわれる。当該事業では、多くの結び目関連研究集会を世界的集会として企画・実行・支援する。COE著名教授には、滞在期間中にセミナーを組織してもらう。事前にセミナー案内をして、関心のある関連研究者の積極的な参加を促す。必要ならば、旅費の補助を行う。COE教授やCOE上級研究所員が中心となり、連続講義などの自主セミナーを開催する。COE(無給)研究所員や国内の専門の研究者達に対しても連続講義などの自主セミナーの募集を行う。毎月1回程度開催しているクックセミナーを活用することにより、結び目理論関連の専門家に対し、周知すべき新しい重要な研究結果について、その内容の解説を行うなどの機会を設ける。年1回開催している拡大クックセミナーは、国内有力研究者の研究発表の重要な機会であるが、昨今外国からの講演希望もあることから、次年度から国外研究者の講演の機会の場とし、開催期間も例年よりやや長めにして、当該研究の一環として、実施する。また結び目理論に関心のある物理学や(生)化学など数学以外の分野の研究者・大学院学生へもこのような集会への参加を呼びかける。1990年6月に開催された世界で最初となる大阪での結び目理論国際会議以来、大阪での結び目理論国際会議の開催の要望が外国からあるが、当該研究計画最終年度にあたる2007年に、当該研究の締めくくりの一環として、大阪での第2回目の「結び目理論国際会議」を開催し、国外の有力研究者100名程度を大阪に結集してもらうことにする。10年間継続して開催してきた「結び目理論に関する日韓セミナー」は、次年度から中国も加入した「結び目理論に関する東アジアセミナー」になるが、次年度の第1回目は韓国で、第2回目は中国で開催することが既に決まっている。第3、4回目の2度は日本開催の予定であり、第3回目の会議を大阪で当該研究の一環として開催したい。「第3回日本・メキシコトポロジー国際会議」は2005年にメキシコ開催が決まっている。2008年の「第4回日本・メキシコトポロジー国際会議」は日本開催となるが、これを2007年度内に(例えば2008年1月頃)大阪で当該研究の一環として開催したい。一昨年度から改革されてきた数学教室談話会を、非専門家向けの講演機会と位置づけ、大幅に活性化させる。毎年恒例の全日本トポロジーシンポジウムについて、2006年の大阪市大開催を考慮する。他に数年前に拠点リーダーと東大河野氏が立ち上げた毎年恒例のシンポジウム「Art of low dimensional topology」(名称が今年度からIntelligence of low dimensional topologyに変更)にも積極的に開催の協力をする予定である。また、今年第40回を迎えた大学院学生の組織「トポロジー新人セミナー」に拠点リーダーは特別参加したが、この集会は意欲のある優秀な大学院生達のレベルの高い集会になっており、次年度から教員の派遣とともに旅費の一部補助を行う。

以上述べた事業は、情報開示のもとでなされる。
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年度別実施計画

各年度に結び目理論関係の特集を組む。広領域研究の側面もあることを考慮して、招待者の約半数は特集とは間接的にしか関わらない結び目関連の研究者を想定している。


平成15年度: 招聘研究者のための仮のスペースを確保し、数学研究所をシステムとして立ち上げる。
COE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入り、10月から当拠点に滞在させる。COE著名教授として、村杉邦男トロント大学名誉教授(カナダ王立学士院会員)の6ヶ月招聘が内定しており、ブレイドと結び目の関係の特集を組み、セミナーを行う。COE教授やCOE(上級・無給)研究員、短期の訪問研究者の連続講義・自主セミナー、数学教室談話会を実施する。大学院学生のためのアイデアのチェック、行き詰まり問題の相談、研究の進め方などで日常的に意見交換ができるような場所の設定を行う。11月の研究集会“Intelligence of low dimensional topology”を当COE拠点形成事業の一環として開催する。クックセミナーの運営をはじめとして、結び目理論の東アジアセミナーや東北結び目セミナーへの派遣支援も行う。研究成果の報告書を作成する。12月中旬には次年度からの任期制教員の募集、6月からのCOE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入る(遅くても2月には最終決定する)。なお、招聘期間は最長で年度末までとし、継続希望の場合にも、改めて業績に基づいた選考をし直す。


平成16年度: 大学の支援のもと数学研究所の開設準備を行なう。
ポアンカレ予想など難問がひしめく3次元多様体論と結び目理論の関係について特集を組む。6月から各種セミナーや国際会議・シンポジウムなどを行う。研究成果の報告書を作成する。12月中旬には次年度6月からのCOE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入る(遅くても2月には最終決定する)。なお、招聘期間は最長で年度末までとし、継続希望の場合にも、改めて業績に基づいた選考をし直す。


平成17年度: 数学研究所を開設し、開設記念のシンポジウムを行なう。
本年度は,双曲的幾何学と結び目理論の関係について特集を組み、昨年同様6月から、各種セミナーや国際会議・シンポジウムなどを行う。研究結果の報告集の作成を行う。第3回「結び目理論に関する東アジアセミナー」を大阪で開催する。研究成果の報告書を作成する。12月中旬には次年度のCOE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入る(遅くても2月には最終決定する)。なお、招聘期間は最長で年度末までとし、継続希望の場合にも、改めて業績に基づいた選考をし直す。


平成18年度:
4年目は、4次元空間内の曲面結び目理論の特集を組み、昨年同様6月から、各種セミナーや国際会議・シンポジウムなどを行う。各種セミナーや国際会議・シンポジウムなどを行う。研究成果の報告書を作成する。また、12月中旬には次年度のCOE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入る(遅くても2月には最終決定する)。また、12月中旬には次年度6月からのCOE(著名)教授やCOE(上級・無給)研究所員の招聘手続きに入る。なお、招聘期間は最長で年度末までとし、継続希望の場合にも、改めて業績に基づいた選考をし直す。平成18年度には毎年恒例の「全日本トポロジーシンポジウム」を大阪市大で開催する。


平成19年度:
最終年度である5年目は結び目理論の諸科学への応用についての特集を組み,昨年同様6月から、各種セミナーや国際会議・シンポジウムなどを行う。研究結果の報告記録書の作成も行う。11月からは5年間の当該研究の報告等の整理を行うため、規模を縮小するが、3月まで滞在する研究者もおり、研究の進展具合や要望による緊急のシンポジウムの開催も企画するなど、活動を休止することはしない。11月はじめには、大阪での「第2回結び目理論国際会議」を当事業の締めくくりとして開催する。また、平成20年1月〜3月の適当な時期(例えば平成20年1月)に、「第4回日本・メキシコトポロジー国際会議」を開催する。


この実施計画により、将来も世界の結び目関連研究者が本拠点を訪れる礎ができると確信する。
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最終更新日: 2003年9月12日
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