Research Topics

2024年5月31日

学術論文「岩石組織の発達を理解する:岩石模擬物質を用いた実験」

当専攻の福田惇一准教授の研究成果が科学誌「Journal of Mineralogical and Petrological Sciences」に掲載されました。

 

概要

地殻やマントルの高温条件では、数千年、数万年もかけて、構成する岩石の粒子がマイクロメートルスケールからミリメートルスケールまで大きくなる場合があります。しかしながら、その組織変化は地下深部で長い時間をかけて起こるため、当然ながらどのように変化していくのか観察することはできません。

 そこで、著者は岩石模擬物質として有機物質の樟脳(しょうのう、camphor:防虫剤にも使用される)を用いて、室温かつ顕微鏡下でその組織変化をリアルタイムで観察しました。

 その結果、数時間内で樟脳粒子集合体の粒子が大きくなっていく様子が観察されました。この成果によって、実際の地下深部を構成する岩石にとっての数千年、数万年での現象を理解することができます。

 

論文情報

Fukuda J. (2024) Grain growth of camphor as a rock analogue: microstructural development of and grain growth law. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, Vol. 119, Article ID: 240229 [リンク]